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ガンジャ先生。4-9

それぞれの夜とバンコクの事情

部屋に戻る。タニヤの事で疲れた。。
Black Eyed Peas - Where Is The Love
(BCX Ft. Ellena Soule Rework)

「んぁー!やってしまった。何怒ってんだ俺は!」
各自解散し、現地で10時をすぎる頃。
岩屋は部屋で反省をしている。

たぶん怒る事自体は悪い事ではない。
が、あの場の雰囲気、みんなの態度は違った。
落ち込むというのとは違い、みんな泣き顔で。。。怯えていた‥

 慣れてきて普通の子と思い気が緩んでいたのと思う。
慎重に扱うべきであるし、言い方も不味かった。
たまに仕事で遊びにくる大学生や社会人とも違う。幼すぎた心に夜遊びに連れ回す自分の行動が浅はかだった。

ラップトップを開くとメールが着ている。
山本からのメール確認しつつ。今日の事をどう書こうか悩んでいた。
誰も自分のミスをミスと書くことには勇気がいる。
俺もできるだけ怒るのはやめよう。
そう岩屋は心に決めた。

 「はぁ〜ビールも切れてるのか」
冷蔵庫のドアを開き、水だけが入っている。
こういう時は全てうまくいかない。

重い足取りでコンビニへと行く事にした。

□□□

 サービスアパートメントの前は静かで、もうドアマンもいない。
入口の神様はお香からけむりが出ていた。
その横には人が立ってタバコを吸って。。タツヤか。

「タツヤ、もうちょい気遣いしろよな。バレバレ」
まさか先生が出てくると思わなかった。
「!!すいません!」
「まぁいいや。コンビニ付き合え」
とタツヤはすぐ火を消して、先のガンジャ先生についく。

「あの〜怒んないすか?」
「タバコくらいでどーこないさ。んで匂いで解るわ。マルボロだろ」
「‥‥マジっすか」

大通り挟んでコンビニはすぐ見えた。
車は落ち着いてはいるが、それでもタクシーが何台か通っている。先生は横断歩道もないのでヒョイと柵を越え、スタスタと歩いていく。
タツヤも遅れないようについて来た。

コンビニは大きくなく、先生は白いビール6缶入りを買ってる。
「タツヤなんかいるか?」
「あ、じゃあコーラとかいいっすか?」
「おう。タバコ何がいいんか?」
「。。。いいんですか」
「ないしょだぞ。まぁ変な露天の買うよりマシだ。明日から移動だしな」
マルメンライトを2つ、あとチェリーコークを先生が買ってくれた。

タツヤがふと話しかける。
「先生。聞きたい事聞いていいッスか?」
「ん。いいぞじゃあ公園行くか。ちょい歩くけど」
「はい!」

コンビニ側を歩いて電車の踏切を超えていく。
こっちには来たことがなく、大きな環状線の下には一般の住宅があった。
少し入り込むと公園?というか家に囲まれた空き地があり、オレンジの街頭で照らされている。
 適当な場所にプラスチックの椅子とダンボール、子供が遊ぶボールが転がっていた。
周り家は静かで、電気がついているとこも消えているとこもあり、そこにはどこか日常を感じさせる。


□□□

「タツヤこの辺でいいか。んで何が聞きたい?」
すごく自然にビールをカシュ!と開けて飲む先生。

「オレ。。今日大人なったッス」
何が言いたいんだこのガキわ。。はぁ。

「具体的に詳しく言え」
「初めてセックスしました」

!!Σ エリ首を掴んで持ち上げる!

「あった事一部始終全部言え!!!」

タツヤは殴られる。ヤバい!
と思ったが、先生はそんなことしなかった‥

――今日のカオサンの出来事を話していく。

先生は、じーっ。と真剣に聞き冗談が言える状態ではない。
何より、そこらで絡まれた大人より全然怖かった。

 一通り話終わると質問された。

「・・ゴムは使ったか?」
「はい。。そこにたくさんあったので着けました」
「2回だな。中出しはしてないんだな?」
「はい。。間違えありません。きちんと換えました怖かったし。。」

「そうか。。。悪かったな。何も説明してなくて」
「いえ。。自分でも夢のように思えます。オレ騙されていたんでしょうか?」
「いや、そうじゃないと思う。2000バーツって額も相場だし、何より財布や時計盗まれた訳じゃない」
「・・・そんな事あるんですか?」
「この国ではそういう商売をしている奴らごまんといる。人が集まれば悪い奴らも集まる。特にカオサンは旅行客目当てで多く集まるんだ」
顔面が蒼白する‥‥‥マジか。

「分からんが、その娘がそういう事をするのが目的で、悪意はないと思う。が、今後関わらないほうがいい」
「なんでですか?嫌いではないですし、、また、そのできる気も‥」

「単純にやると割り切ればいい。だがこの土地の女のコはそれが仕事だ。金額が増えるかもしれない。また何か買ってとせがむかもしれん。働いて自分の金なら何もいわんが。やめたほうがいい」

「そう。。っスよね」

「・・お前が歌舞伎町のホステスが好きになったから、付き合えるのどんぐらいの金がいると思う?そこには幸せな結婚生活があるか?お前の言うことはそういう事だ。入口が根本的に違う

頭をガツーンと殴られたような気がした。
そうか。。そういう事か。

「この国では行為自体はすぐできる。。また日本人は好かれてる。金があるからな」
「はい。。うまく行き過ぎですよね」
「その無表情が気になったのは、商売にしている可能性は高い。が、普通に気に入られたのかしれんし、その辺りはわからん。ただまた合うよりいいわな。今のまま思い出にしたほうがタツヤの為にいい。水商売と女関係なんて碌(ろく)なもんじゃないぞ」

「う。。先生に聞いて良かった。先生はそういう経験ありますか?」
「初めてバンコクに来たときは何も知らず痛い目にあった。いやあいまくった。またそういう事を目的の案内もしてたことがある」
「‥‥‥凄いっすね。そんなにタイって性文化があるんですか。暑いからか。。」
「いや。。そうとも言えないが、もう大きなビジネスだな。詳しくは省略するが。少なくとも、金の為に抱かれるタイ人は多くいることは知っておいてくれ。それが収入で家族を支える娘も多い」

絶句する。がどこかで感じた点であった。
あれだけ若い子が多いのも。。
そういう姿の人や、白人と一緒いるタイのカワイイ子もいた。
都会という場所でひどい暮らししているのはタツヤの周りでもいた。
関わってないが家出少女、夏休みは渋谷はそういうので溢れる。聞きたくもない悲惨な話もよく聞く。
国は違えどそういうもんなんだろうな。

先生は「性病だけには気をつけろよ」と。
僕らはサービスアパートメントへ戻る。
 いつもと同じ先生と、どこか安心した俺自身がいた。

部屋戻って携帯をふと見る。

携帯にメールは入ってきていない。

 オレは少しだけ。

今日抱いたタイのお姉さんの事を思い出した。
「可愛かったよな。。」

ーーーーー
「怒ってはない!と思う。。。」

経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و