【リレーインタビュー第4弾!】オールリスト・ピアノコンチェルトコンサートの魅力に迫る!
9/12に迫るオールリスト ピアノコンチェルトコンサート。 本公演は、『オールリスト』の言葉通り、リストによるピアノとオーケストラの作品のみでコンサートが構成される、まさにリスト祭りのコンサートです! 公演に際して、出演者の皆さまのインタビューをリレー形式で行いました!
第4回はピアニストの黒岩航紀さんです。
第3回はこちら↓
第4回 ピアノ:黒岩航紀
プロフィール
東京藝術大学音楽学部ピアノ科を首席で卒業。同大学大学院修士課程、及びリスト音楽院修了。第84回日本音楽コンクールピアノ部門第1位。第11回東京音楽コンクールピアノ部門第1位及び聴衆賞。KIPA国際ピアノコンクール2019第1位。2023年第17回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門セミファイナリスト及び優秀演奏者賞。青山音楽賞新人賞、宇都宮エスペール賞受賞。これまでに、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、ロイヤルフィルハーモニックオーケストラ、ローマトレオーケストラ、サンクトペテルブルク国立アカデミーオーケストラ等と共演。1st CD「sailing day」に続く2nd CD「展覧会の絵」はレコード芸術特選盤に選定される。東京藝術大学、甲斐清和高校音楽科非常勤講師。CJM神宮の杜音楽院講師。https://www.kokikuroiwa.com
インタビュースタート!
Question 1
今回の『オールリスト ピアノコンチェルト コンサート』に参加していただくにあたってのお気持ちをお聞かせください。
A.率直に、なんて魅力的な企画なのだろうと思いました。
私の記憶の限りではありますが、リストの協奏曲をこの形でというのは、ありそうで実はなかった、誰もが聴いてみたかった、そんなコンサートなのではないでしょうか。
4人の名手が揃って、弾き合う。これは個人的に大きなコンクールのファイナルを彷彿とさせますが、そういった競演的な雰囲気もあるのが、刺激的だなとも思います。とはいえ、こんな豪華なお祭りはなかなかないので、ただただ楽しみです。
Question 2
黒岩さんにとって、リストとはどういう作曲家ですか? or リストの魅力とは何ですか?
A.リストというと、第一にやはりヴィルトゥオーソ(超絶技巧)のイメージが強烈ですね。それまでも、ピアノ界において、ヴィルトゥオーソへの傾倒や開拓は見られましたが、ある意味それを完全に確立させたのがリストと言っても過言ではないと思います。
とはいえ、その人々を熱狂させた見事な技巧とアイドル的扱いの一方で、人情深い一面がしばしば見られるのがリストの最大の魅力であり、その愛や慈しみが作品の節々から伝わってくるのが、とても好きです。
華やかなヴィルトゥオーソ作品の中で、ふと哀愁を帯びた箇所や歌に泣けてしまうのは、コントラスト(緩急)を巧みに操ることのできるリストの見事さ故といえますが、それと共にそこに愛があるからと私は考えています。
Question 3
リストの好きなところ、嫌いなところをあげてください。
A.当然、リストの数多くの作品の中には見事な技術を要する作品はたくさんありますが、その全ての技巧に意味があり無駄がなく、語弊を恐れずに言うなれば、報われない難しさが一切無いこと…大きくなった今、リストの好きなところを挙げるとキリがないですが、これは小さい時からひしひしと感じていたことで、リストの作品の練習は楽しかった記憶しかありません。
嫌いなところはないです。
Question 4
演奏される作品の聴きどころ、魅力を教えてください。
A.ハンガリー幻想曲という題名通り、とりわけハンガリー色が強く、英雄的な曲想ながらも、どこか土着的な匂いがするのがこの曲の魅力と思っています。
編曲される前の原曲は、リスト自身が書いたピアノソロで演奏されるハンガリー狂詩曲第14番ですが、オーケストラが加わることによって、より輝かしさと豪快さも加わり、14分という短さながらも、充実したスケール感と雰囲気のある作品です。
オーケストラ全体はもちろん、個々との掛け合いにも注目して聴いていただきたいです。
Question 5
共演するタクティカートオーケストラへの印象はいかがですか?
A.タクティカートオーケストラさんは、今を生きる、あるいはこれからの音楽界を牽引していく、若いソリスト達の集まりで、可能性に満ち溢れているイメージがあります。また、とにかく雰囲気が良い!
常にクリエイティブで、音楽に前向き、積極的なので、一緒に音楽を作るのが楽しみです。
私とオーケストラで、良い化学変化を起こる気がしています。
Question 6
お越しいただくお客様へメッセージをお願いいたします。
A.他の三曲と比べてなかなか生での実演機会が少ないですが、だからこそ、この作品の魅力に驚き、すっかりはまってしまう、そんな時間にできればと思っています。
他3人の卓越したリスト弾きの素晴らしいピアニストの方々、オーケストラ、客席にいる皆様と、リストについてさらに深め、迫る、素晴らしい1日にしたいです。
Question 7
次回を務めます長富さんの印象をお聞かせください。
A.少々うろ覚えですが、私が大学1年(?)の頃に、日本でのデビュー公演をされていて、その時から日本を代表するリスト弾きのお一人。という印象を持っていました。
その後、何年かして私もリスト音楽院へと留学することになるわけですが、この確かなタッチ、音の一つ一つへの意識、密度の高さというのは、ハンガリースタイル?ハンガリーで培うことのできることのできる伝統的な側面もあるのかな?などと、大先輩の演奏を聴いて、考えたりしていたものです。
お会いして話したことはないので、お会いできるのが本当に楽しみです。
今は、ぱぱまま仲間でもあると思うので(こちらも長富さんは先輩)、少し親近感です!
ありがとうございました!
今回ご出演の指揮者、ソリストのみなさんからはコメント動画も続々いただいており、TwitterやInstagramで発信しているので、そちらもぜひチェックしてくださいね。
インタビューリレーは次回で最後になります!
次回は長富彩さんのインタビューです、どうぞお楽しみに!