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EURO開幕直前 ラ・ロハを観るための手引き


はじめに

23ー24シーズンのラ・リーガが終了し、レアル・マドリ―が2年ぶりの優勝を果たしたわけですが、次はいよいよEURO2024が6月15日から約1か月間行われるということで、その直前(というのもメンバーが決まってからお話ししたかった)に今大会のラ・ロハを見るうえでのポイントをいくつかお話ししていきたいと思います。

グループステージ

前回王者のイタリアととW杯直近2大会連続ベスト4以上のクロアチアと同組といういわゆる死の組に入ってしまいました。突破の可能性としては50%くらいでしょうか。初戦のクロアチア戦に勝てれば、問題なく突破できるとは思いますが、クロアチアにボールを握らされてドン引きカウンターを喰らうことになると非常に厳しいのかなと思ってしまいます。

メンバー

本戦に挑む26名を見ていきましょう。

GK
1  ダビド・ラヤ(アーセナル)
13アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ)
23ウナイ・シモン(アトレティック・クルブ)
DF
2  ダニ・カルバハル(レアル・マドリ―)
3  ロビン・ル・ノルマン(レアル・ソシエダ)
4  ナチョ・フェルナンデス(レアル・マドリ―)
5  ダニ・ビビアン(アトレティック・クルブ)
12アレックス・グリマルド(レヴァークーゼン)
14アイメリク・ラポルテ(アル・ナスル)
22ヘスス・ナバス(セビージャ)
24マルク・ククレジャ(チェルシー)
MF
6  ミケル・メリノ(レアル・ソシエダ)
8  ファビアン・ルイス(PSG)
10ダニ・オルモ(ライプツィヒ)
15アレックス・バエナ(ビジャレアル)
16ロドリ(マンチェスター・シティ)
18マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)
20ペドリ・ゴンザレス(FCバルセロナ)
25フェルミン・ロペス(FCバルセロナ)
FW
7  アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリー)
9  ホセル(レアル・マドリ―)
11フェラン・トーレス(FCバルセロナ)
17ニコ・ウィリアムズ(アトレティック・クルブ)
19ラミン・ヤマル(FCバルセロナ)
21ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)
26アジョセ・ペレス(レアル・ベティス)

主な落選した選手(2024年で召集歴あり)は

DF
パウ・クバルシ(FCバルセロナ)※五輪出場
アレックス・バルデ(FCバルセロナ)※負傷
ペドロ・ポロ(トッテナム・ホットスパー)
ホセ・ガヤ(バレンシア)
イニゴ・マルティネス(FCバルセロナ)
MF
マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリー)
ガビ(FCバルセロナ)※負傷
アレイシ・ガルシア(ジローナ)
オイアン・サンセ(アトレティック・クルブ)
イスコ(レアル・ベティス)※負傷
FW
ジェラール・モレノ(ビジャレアル)
パブロ・サラビア(ウルヴァ―ハンプトン・ワンダラーズ)

このような面々となりました。

雑感

最多選出はレアル・ソシエダの5名で久々にバルセロナよりも多くの代表選手を輩出したクラブになりました。
バルセロナはガビとバルデが大怪我、クバルシが五輪に集中する為選ばれませんでしたが、それらがなければ間違いなく3人ともメンバー入りしていたと思います。
サプライズ選出だったのはフェルミン・ロペス(FCバルセロナ)とアジョセ・ペレス(レアル・ベティス)の2人でしょう。フェルミンは今年の3月までU21の代表でプレーしていましたが、後半戦の活躍を見てか直前の親善試合でA代表に選出され、そのまま生き残りました。今季からトップチームに参加しているにも拘らず、公式戦11ゴールとブレイクを果たした20歳。おそらくジョーカー的な起用になると予想されますが2列目からの飛び出しと多彩なシュートパターンは今のラ・ロハにとって大きな武器となる筈です。


そしてアジョセは今季ベティスで11ゴールとブレイクし、今年3月に30歳にして初めてA代表に選出され、6月のアンドラ戦でも結果を残し切符を勝ち取りました。フェルミン同様ジョーカーの役割でゲームの流れを変化させてほしいなと思っています。


今回のラ・ロハ

ここからは今大会のラ・ロハを見る上での注目するべき点をお話していきます。

①守備陣の不安
EURO(08)・南アW杯(10)・EURO(12)という3つの国際大会を連覇し、最強の代表と称されていた当時のラ・ロハには頼れるバックスが数多くいた事はご存知でしょう。
CBにはプジョルとピケ(共にFCバルセロナ)、マルチェナ(セビージャ)右SBにはセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)、左SBにはカプデビラ(ビジャレアル)という面々がチームの守備を支え、ポゼッションフットボールを作り上げた縁の下の力持ちと言っても過言ではありません。
しかし彼ら以降特にCBに中々いい選手が出て来ず、世代交代は失敗したと言ってもいいでしょう。それは直近のカタールW杯を見ても明らかです。ヨーロッパの中でも平均身長が低く、フィジカル的にも他の強豪国に劣る歴史がある中、信頼出来るCBの発掘は急務でした。
そんな中今季突如としてバルセロナに現れた新星CBパウ・クバルシ(17)はスペイン人らしい足元の技術を持ちつつ、CLで世界トップレベルのCFと対峙しても負けないハードワークも持ち合わせるまさにラ・ロハが切望していた理想のCBでした。が、過去に当時17歳のぺドリをシーズン終了後EURO→五輪と酷使した結果怪我を多発させてしまったということを踏まえ、今回は五輪に専念することになりました。
今回のラ・ロハのCBはサウジに移籍して全く様子が掴めないラポルテ、ラ・レアルでビルドアップのハメどころになってしまっているル・ノルマン、DFラインすべてのサブとしては優秀、スタメンで出すには物足りないナチョ、アトレティックで今季主力となるも代表経験が殆ど無いビビアンの4人。明らかに不安材料過ぎます。

②ペドリの復活
今季も幾度となく怪我に悩まされ、満足いく活躍が出来なかったペドリ。前半戦は特に離脱を繰り返し、ゲームにまともに関われない状態が続いた中、シーズン終盤戦は途中出場が多いながら試合に絡み始めると、出場すれば流石のクオリティで幾度となく魔法のようなプレーを見せてくれました。
ルイス・デ・ラ・フエンテ監督も当初はペドリについてコンディションが戻ってこないと厳しいかもしれないとコメントしていましたが、直近の北アイルランド戦ではドブレーテを達成し完璧なプレーを見せてくれました。そしてそのまましっかりとメンバー入り。彼が本領を発揮してくれれば、攻撃面のクオリティは格段に上がること間違いなしですし良いところまで行けるかもしれません。

③エストレーモ
現在のラ・ロハにおいて最重要ポジションの一つが両サイドのエストレーモ(WG)です。基本433を採用するチームにおいてWGがどれだけ攻撃面で決定的な仕事ができるかに全てかかってると言ってもいいかもしれません。
そしてそんなWGを務めるのは左はニコ・ウィリアムズ(21)、右はラミン・ヤマル(16)です。若い。若い。とても若い。スピード、テクニック、ドリブルスキル、パスセンス全てにおいてハイクオリティで相手にとってはかなり脅威になることは間違いありません。が!2人ともシュート精度がまだ改善の余地大アリということでCFの質も疑問視されている様にいかにCF以外に得点を取れる選手がいるかというのも非常に重要になってくるわけです。なんとか共に大会で3ゴールくらい決めてくれればありがたいんですけどね。CFが後半戦絶不調のモラタと重要な試合で得点を決めるもののスタメンとしては考えにくいホセルですからね。単純にクロスを多用するのではなくガンガン自分から仕掛けてシュート撃っていってほしいですね。

おわりに

ということで今回はここらへんで。
ベスト4ぐらい行ってくれれば満足かな。個人的には。
まずはグループをしっかり突破して貰って。
試合を重ねていくうちにチームの練度も上げていって貰えれば。
優勝候補、、、ではないよね。
フランスとイングランドとドイツが頭1つ抜けている気がする。
ポルトガルもなかなか手強いし。
ラ・ロハの26人、監督、スタッフの皆さん頑張ってください。
極東のフットボール好きとして応援しています。

fin.



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