第6回:わたしたちを取り巻くすべての「音」を横断する。
前回の投稿では、日本においては音楽家、調律師、PAエンジニア、建築家、指揮者、エンジニアや音響技術者など音に関する各々の専門家がそれぞれの分野でお仕事をなさっていることをご説明しました。
一方、ソニック・アーキテクトは、「周波数とヒトのすべての感情と記憶と行動は切り離せない。」と考えていますから、音楽家や遮音性能など「音に関する一つだけの分野の専門家」ではありません。
つまりソニック・アーキテクトとは、音と心理学、演奏や音表現の分析、音楽理論、認知心理学、認知行動心理学、行動分析、臨床、BGN(Background Noise : バックグラウンドノイズ)のコントロールと設計、周波数、デシベル、ノイズの解析、医療・工学・商業との横断的基礎研究、統計学などの知識を駆使して、「音やサウンド」=周波数の表現を活用し、ヒトの「感情」を引き出し、動かし、「記憶」を呼び起こし、「行動」を喚起する専門家ということになります。
言い換えるならば、こうも説明できるでしょう。
「ソニック・アーキテクトは音=周波数に関するすべての専門分野を『横断』して、音の持つ『ポジティブ・ネガティブ双方の効果』を分析・構築し、音がヒトに及ぼす影響を制御し最大化できる唯一の専門家。」
例えば建物を建築する場合、インテリアデザイナー、内装、建設会社、電気工事、水道工事、エアコン工事、家具業者など様々な専門家が協力して建築家の描くヴィジョン=建物を具現化します。舞台芸術はどうでしょうか。大道具、小道具、照明、俳優、脚本、広報、デザイナーにメイク。同様に各々の専門家が演出家が舞台の上に具現化したい世界を創り出していきます。CMはいかがでしょうか?広告代理店、クリエイター、デザイナー、ミュージシャン、タレント。これらの専門家をまとめてCMが期限内に制作され最大効果をあげるように、ディレクターがプロジェクトをマネージしますよね。
ところが、「音」の世界は、音楽家、調律師、PAエンジニア、指揮者、ナレーター、アナウンサー、声優、効果音・音曲制作、音響技術者などの専門家がばらばらに存在しているのみで、これらを科学的・戦略的に統合・分析する「音の総合演出家」が日本においては存在していません。
もちろん、この「音」というのは、音楽やメロディのことだけではなく、わたしたちを取り巻くすべての「音=周波数」のことです。
それができるのが、ソニック・アーキテクト。わたしたちはTVコマーシャルのメロディから、店舗やオフィス、施設の音環境づくり、ウェル・ビーイングやメンタルヘルスの改善まで総合的・科学的に周波数を分析・改善・ソリューション提案できる専門家である、ということなのです。
それでは次回から、そんなソニック・アーキテクトのお仕事の内容や効果について、具体的にご紹介を始めていきたいと思います。
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