タクティカル・レジリエンスとは何か?
NICKSです
今日は、
特殊部隊員に必須の資質
についてお伝えします。
これは、世界の特殊部隊員が共通して持っている資質とも言えます。
逆に、この資質がなければ特殊部隊員として厳しい任務を継続することは困難です。
もっと言えば、特殊部隊員になるための訓練を通過することも難しい。
この資質を身につけることは、特殊部隊員になる基盤を作ることとも言えます。
さらに、この資質は特殊部隊に限らず、ビジネスマンや受験生、その他目標を持つ人であれば、目標達成やプロジェクト推進、夢の実現に至るまで、力強い前進を可能にする大きなパワーになります。
みなさん、特殊部隊員というと、屈強で力強いイメージがあるでしょう。
それも事実です。
しかし、作戦行動にはダイナミックで力強い行動も必要ですが、裏腹に、
繊細でしなやかな動きや細かい判断も必要になる時があります。
特殊戦を有利に進め、敵に打ち勝ち、任務を遂行するには、この
しなやかさ
が重要になってきます。
このしなやかさというのが今日のテーマです。
特殊部隊員は、そのイメージからメンタルがタフで、どんなことにも屈しないイメージがあるでしょう。
確かにその通り。
一般の人々に比べ、心も体も想像を絶する訓練の中で鍛え上げています。
ところが、実は強いだけではダメなんです。
どんなに強くても、精神的負荷が大きくかかる時はありますし、肉体的にも限界に達することはあります。
限界と思われる状況でも任務の遂行を推し進めるには、この「しなやかさ」が必要になってくるんです。
この資質は、世界の特殊部隊員にとって共通した、絶対的に必要な要素とも言えます。
どんな人間でも、精神的ショックを受けたり、限界に追い込まれたり、もうダメだと思うことはあるでしょう。
これは特殊部隊員でも同じです。
しかし、特殊部隊員は、どんなに不利な状況でも、困難に追い込まれても、任務遂行のために全力を尽くさなければなりません。
これらを可能にするには、この「しなやかさ」が鍵になります。
精神的にも肉体的にも限界を迎える中で、特殊部隊員の任務遂行を支えるこの「しなやかさ」とは一体何か。
結論の前に、少しだけ質問です。
みなさんは困難に出くわし、気持ちが折れそうなとき、どんな対処法を思いつきますか?
気合いと根性で乗り切る
自分にはできると言い聞かせる
死ぬ気で頑張る
等々…。
色々あるでしょう。
なんとか自分を前進させる方法を見つけるか、人によっては無理だと諦めて投げ出す、という手もあるかもしれません。
でも、いずれにしても様々な方法をとる前に、実はもっと大事な要素が必要になってくるんです。
その大事な要素が、特殊部隊員に必要な「しなやかさ」。
結論から言うと、その、しなやかさとは
レジリエンス
です。
初めて聞く方も多いでしょう。
レジリエンスとは柔軟性、弾力性、復元力という意味。
もともと物理学の用語で、物質に強い力がかかってもポッキリと折れずにしなやかにたわんで、元に戻ることを意味します。
強い風が吹いても木の枝が折れずにしなやかに曲がり、元の状態に戻る、
そんなイメージ。
この復元力を心理学の世界に応用したのがレジリエンスです。
つまりレジリエンスとは、精神的に困難な状況に追い込まれ、もう限界と思ったり、ショックを受けるような状況になっても、心がポッキリと折れることなくまた元のエネルギーが満ち溢れる状態に戻るということ。
最近では、レジリエンスに関する本も多数出版されています。
実際、米海軍シールズで大きな功績を挙げた隊員たちは、このレジリエンスを確実に持ち合わせています。
マーカス・ラトレル氏は、レッドウィング作戦で、多くの仲間を失う中、決して生きることを諦めず、瀕死の重傷を負いながらも生還しています。
(参考図書:アフガン たった一人の生還)
クリス・カイル氏は、イラクの任務で、武器を隠し持つ女性や子供など、敵か味方かもわからない困難な状況でも狙撃任務を遂行し、多くの仲間を救っています。(参考図書:ネイビー・シールズ 最強の狙撃手)
また、特殊作戦グループDEVGRUにも所属したマーク・オーウェン氏は、ヘリが墜落するというトラブルに見舞われながらも、混乱の中でビン・ラディン暗殺任務を遂行しました。(参考図書:NO EASY DAY)
彼らは、見事に困難を切り抜ける力を持っています。
その困難を乗り切る力の秘密は何でしょうか。
その秘密とは、誰もが諦めてしまう状況の中でも、決して諦めないという資質。
限界と思える状況のとき、人は精神的窮地に陥ります。
この窮地に陥った時、どんな反応を示すかでその後の運命が変わるんです。
特殊部隊員は、この限界の中でも自分の身体的・精神的機能を最大発揮できるよう訓練しています。
そして、困難を乗り切るには、精神的限界からもすぐに立ち直るしなやかさが必要。
限界を超えるような精神的負荷がかかってもそこから持ち直し、状況を切り抜けるために頭を働かせるしなやかさ、つまり「レジリエンス」が必要です。
この困難を切り抜ける力には、どんな状況でも折れない心がなくては不可能。
どんなに優れた戦闘員でも、窮地に陥ることはあります。
そんな中で困難を切り抜け、任務を遂行し、己の役割を全うするには、
折れない心、レジリエンスが必要なんです。
逆に、レジリエンスがなければ、肉体や精神に大きな負荷がかかったとき、心がポッキリと折れてしまう可能性があります。
心が折れてしまえば、すぐに回復することは難しく、仮にあともう少しで任務遂行や目標の達成に届くとしても、その実現は不可能になってしまいます。
じゃあ困難を切り抜ける、しなやかさ、レジリエンスを身につけるにはどうしたらよいでしょうか。
ここからはその
具体的方法論
です。
身体も心も共通して言えることですが、人間は24時間、何日も何ヶ月も
四六時中いつまでも続く負荷に耐えるようにはできていません。
必ずどこかで休息が必要になります。
休息をとることができれば、必ず精神的にも肉体的にも回復でき、また新たな脅威に立ち向かうことが可能です。
つまり、困難を切り抜けるためのエネルギーチャージ。
困難に立ち向かうためのエネルギーをちゃんと確保することで、
あなたの能力を最大に最後まで活用することができます。
逆に言えば、休息を取らぬまま負荷だけを繰り返し加われば、どんなに屈強な体も、骨折や筋肉の破壊が起こり壊れてしまいますし、どんなに強固な精神でもエネルギーが枯渇し、生きるための意欲を失うことでしょう。
だから大事なのは、あなたなりの精神的な休息方法をしっかりと確保しておくことが大事。
できれば短時間で素早い回復が可能な方がいい。
できる限り短時間で、十分な回復が見込める休息法を用意しておけば、
あなたの心に持久力が備わります。
その休息方法がいつでもどこでもできるものなら、あなたはなお一層持久力を身につける。
こまめに休息し、いつでもしっかりと頭を働かせて、高度で困難な仕事に取り組むことができれば、周りから見ればあなたは相当タフな人物に映ります。
休むことなくいつも全力でフル稼働しているように見えるかもしれません。
実際、あなたの周りにも、いつも快活で元気よく、多忙の中でもエネルギーに満ち溢れて毎日を過ごしている人はいませんか?
そんな人物は間違いなく、素早く的確に休息し、うまくエネルギーをチャージして、目の前の状況に取り組んでいるはず。
人によっては「休息」というを意識を持たずに行っているかもしれません。
でも、こんな人でも意識していないだけで、どこかで気分を入れ替えたり、上手に感情を整理し、間違いなくどこかでエネルギーチャージしています。
難しいようにも思えますが、実際には簡単にできてしまう場合も多い。
例えば、
目をつむり、深呼吸する
窓の外を眺めストレッチする
10分程度の仮眠を行う
こんな簡単な方法でも、
いくつか挟むことで、エネルギーが幾分回復し、驚くほど、快活に行動できたりもします。
上手な精神的休息方法を見てみると、そのヒントは
ネイビー・シールズの選抜訓練
に見つけることができます。
米海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員になるためには、もっとも過酷と言われるヘルウィーク訓練を通過しなければなりません。
一週間、まともに眠ることも、休むもことも許されない、その過酷な訓練では、多くの候補生が脱落し、その脱落率は
94%
とも言われます。
この訓練を乗り越えた、ある隊員によれば、ヘルウィークを乗り越えるコツは、食事の時間を目指すことだと言います。
次の食事にありつくことを目標に、きつい訓練を耐え抜き、食事の時間にしっかりと短時間のエネルギーチャージを行う。
これを繰り返せば、いずれ訓練の終わりが見えてくるといいます。
これは自分の
エネルギー・チャージ・ポイント
をちゃんと見極めていると言うこと。
だから、きつい状況も乗り切ることができるんです。
果てしなく、終わりなく続く困難など存在しません。
必ずその切れ目や、終わりが存在します。
あなたがコントロールできる状況にあるならば、その切れ目を自分で作り出すことも可能でしょう。
実際、あなたが毎日の仕事で1日のうち、どこかで確実な休息ポイントを設定しておけば、それに向けて頑張るということもできます。
この休息ポイントをうまく設定しておくと、うまく自分を推し進めることができます。
一週間のうちのどこか、一日のうちのどこか、午前中のうちのどこかなど、細かく設定しておけば、困難な日々も、集中して過ごすことができます。
細かい設定、スモール・ステップです。
あなたが、シンプルで、どこでもできる、短時間でできる休息方法をたくさん見つけておけば、あなたの心には確実に持久力が備わります。
なぜなら、心も身体と同様に、負荷と休息を繰り返すことで
間違いなく強くなるから。
筋トレと何ら変わることがありません。
普段から必要なトレーニングを行うことで、いざというとき必ずその成果を実感することになります。
そして、休息方法は、あまり頭を使わず、割とシステマティックに、シンプルにできるものが良いでしょう。
人間の心システマティックではなく、1+1=2のようにうまく行くものではないかもしれません。
それでも、基本は1+1=2で考えて、うまくいかない時は修正するくらいの方が、はるかに対処しやすくなります。
上手な休息とシステマティックなレジリエンスを身につければ、あなたがどんな環境や状況でも生き抜くことを可能にする、一生使える武器になります。
休息方法をうまく身につけ、あなたなりのレジリエンスを
戦術的
に身につけてください。
「戦術的」に身につけるレジリエンス、
タクティカル・レジリエンス
です。
上手な休息方法が、きっと困難の中でもあなたの人生全般を切り開く強い武器になります。
レジリエンスを身につければ、失敗したり、くじけたり、困難に見舞われたり、希望を失う状況にあっても、必ず立ち直り、再び前進することができます。
何度打たれても立ち上がり、向かってくる相手には誰でも恐怖を覚えるはず。
勝つことも大事ですが、しなやかさを身につけ、絶対に負けない、これが結果的にもっとも強い人間と言えるのではないでしょうか。
目標を達成するための、最強の方法は、達成するまで決して前進をやめないこと。
これに勝るものはありません。
上手な休息方法を活用し、戦術的なレジリエンスを身につけ、あなたの任務、仕事、目標へ役立ててください。
必ず豊かな人生がひらけます!
あなたの豊かな人生を心から応援しています!
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