名もなき青のハルモニアの楽曲構成と、3期生に生で歌ってほしい理由の雑記

1.曲の構成の話

この曲は「ハルモニア」=過去にあった青春を、もう一度やり直そうとする描写で一貫しています

いつか鳴り止んでいた青春と行き場所を探し彷徨う恋のサスティーンに耳を澄ましていた

名もなき青のハルモニア

サスティーンとは、「持続させる」という意味を持つ同士で、音楽用語では楽器の音が鳴ってから消えるまでの余韻を指します。
ピアノの右側のペダル(踏み続けると鍵盤を離しても音が鳴り続けるペダル)は「サスティンペダル」なんていいますね

つまり、いつか青春/恋は鳴り止んでいたけれど、それが生み出した残る音に耳を澄ましていた
→それらにまだどこか思うことがあった

そんな歌詞からこの曲は始まります

名もなき青のハルモニアもう一度奏で合えるなら

名もなき青のハルモニア

この曲では「青春」が「音が奏でられている間」であり
再び「君」と音を奏でたい/青春を続けたいと願う曲です

前述した通り、この記事はみなさんが「名もなき青のハルモニア」を聞いたことがある想定なので、全ての歌詞の紹介は割愛します

さて、他にこの曲の重要な要素といえば「主人公の心情が確証的なものになっていく」ということでしょうか
1番では

空と海の青の違いは上手く言葉にできないし、しても......ねぇ?

名もなき青のハルモニア

今より大切なことのそばにいたような気がしてた

名もなき青のハルモニア

もっと素直にこの気持ち乗せられるはず響けメロディー

名もなき青のハルモニア

といった、「と私は思います」という、どこか不確定的というか、疑念的というか
自信がなさそうな感じな言葉遣いが多いです

しかし、これが2番3番になると

海の青は空の青を映してる

名もなき青のハルモニア

きっと素直にこの気持ち乗せられるはず届けメロディー

名もなき青のハルモニア

などに変化します
「映している」と断定的になったり
「きっと」と言っていることに変わりはありませんが

「響け」とどこに向けているのかが曖昧だった文言が「届け」と、明らかに君を指すものになったり
また

今もまだ鳴り止まない想い

名もなき青のハルモニア

と1番で歌われていた主人公の感情は、3番で

永遠に鳴り止まない想いだ

なもなき青のハルモニア

とこれまた断定なものになっていたりします

そして極め付けはサビの頭の

名もなき青のハルモニア

名もなき青のハルモニア

というタイトルでもある言葉
「ハルモニア」という単語はラスサビ前では1番と3番の頭で2度登場し「名もなき」という説明とセットで使われます

しかし
先にも紹介した「永遠に鳴り止まない思いだ」という歌詞の後にはこのように続きます

「ずっとそばにいる」と寄り添い合うようなハルモニア

名もなき青のハルモニア

今まで『名もなき』としか紹介されてこなかったハルモニアは、最後の最後『「ずっとそばにいる」と寄り添い合うような』と、別の言い方をされます

「ずっとそばにいる」と寄り添い合う、んですって、ハルモニアが
ちなみに今更ですが「ハルモニア」とは調和(簡単に言えば2つ以上の音が重なること)です
「ハーモニー」といえばわかりやすいでしょうか?

二人以上で奏でるもの、それが意味するところがこの曲においては青春であるという話はすでに冒頭でしましたね

「終わってしまった青春をまだ続けたい、けどできるかもわからないし不安だ」と不確定的なことをいい、そのハルモニアを「名もなき」とすら説明していた主人公は、最後の最後に

このハルモニア/青春は「永遠に鳴り止まない」「ずっとそばにいる」と断定的なことを言うまでに至ったのです

2.ミュージックレイン3期生がこの曲を歌うということ


そんな、終わってしまった青春を君と追いかけ始める少女を歌った曲
ではこの少女とは誰のことなのでしょうか?

この曲がEDとなっているアニメ(という体の)小説「〜まだ見ぬ青を探して〜 時々カルテット」の登場キャラの心情を当てはめて読むことも当然できますが、今回は割愛

もう一人、否、もうひとグループ、この曲を当てはめることができる人たちがいます
それこそがこの楽曲を歌っている張本人
ミュージックレイン3期生です

彼女たちにとって声優としての活動は当然「お仕事」ですから、青春だなんて言えるものではないかもしれないし、楽しい以上に大変なこともたくさんあると思います

しかし、「日々荘3号館~みんなでどこいく?~」のアフターインタビューにて、夏目ここなさんがこんなことを言っていました

夏目:北海道良いな〜。カニが好きなんだよね。あ、国外だったら絶対に韓国!

橘:修学旅行のしおりみたいなのを作ってみんなで行こうよ。

夏目:いいね! 私、修学旅行に行けなかったから。

ーーコロナ禍の世代ですものね。

夏目:そうなんです。事前学習で北海道の勉強はしたんですけど、結局行けませんでした(笑)。

日向:次は「私たちの修学旅行」ということで!

夏目:その方向性で推して行こう!

https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1716945361&p=3

彼女はコロナ禍において、修学旅行に行けなかった
だから、次のロケがあれば「私たちの修学旅行」ということで色んなところに行きたい
要約するとそんな内容です

繰り返しますが、これは彼女たちにとってお仕事であり、手放しで楽しめるものではありません
しかし、このミュージックレイン3期生としての活動が、学生時代とはまた違った形の青春になるのであれば、それはとても喜ばしいことに感じます

そして我々ファンが応援することで、彼女たちにそのような機会が増えるのであれば、なお一層応援を続けたいなと、私は思いました。

と、まるで私たちが彼女たちのために、といった書き方をしてしまいましたが
実際のところ真逆です

ファンというのは、いつも推しに与えてもらってばかり

「ずっとそばにいる」と寄り添い合うようなハルモニア

この歌詞は、原作時々カルテットで考えるなら、作品無いでカルテットを組むアオイ、スイ、アサギ、ルリそれぞれが、カルテットの仲間たちに向けた言葉です

その解釈はミュージックレイン3期生で考えても同様で、誰か一人が自分以外の誰かに歌っていることと考えられます

しかし、その他にもう一つ
ミュージックレイン3期生のみなさんから、我々ファンに向けた

この『名もなき青のハルモニア』という楽曲は、あなたに「ずっとそばにいる」と寄り添い合うようなハルモニアだ

というメッセージとしても解釈ができます
この曲が彼女たち自身の名義の初めての楽曲、ということもメッセージの意味を強めていますね

日々荘3号館は、ミュージックレイン3期生の5人が一階に住む住人であり、我々観客もまたそこの住人という設定のトーク&バラエティイベントです

住人である、という意味では彼女たちと我々の立場は対等なわけですから、「この曲はずっとあなたのそばにいる」というメッセージも、あながちオタクの願望でもないのかな、と思いますともあれ自分本位の解釈ではあるだろ

そんなわけで
何はともあれ、名もなき青のハルモニアが生で披露されるときが
タイアップではなく、彼女たち自身がこの曲に何かのメッセージを乗せることになる日が、楽しみで仕方ありません

というわけで、今日(8月17日)開催の「日々荘3号館~灼熱のバトルロワイヤル~」でハルモニアを披露しないかなぁ、と期待を寄せつつ、本記事は終わりたいと思います

いつか、タイアップ(小説のメインキャラ視点)でのこの曲の記事も書きたいな!!
また次の機会ですね

それでは

ときに、にちにち初参戦でワクワクしっぱなしのたこきゅむ


著作物利用について
本記事では法令規定の範疇で、他者様が著作権を有する著作物の一部を引用利用しています

「名もなき青のハルモニア」の詞の著作権は、著作者であるHaru.Robinson様に帰属します
またインタビュー記事につきましては下記の通りです

出典:animate Times."5人がそれぞれの自分と向き合い、歌い上げた「青いリフレイン」。「日々荘3号館~みんなでどこいく?~」相川奏多さん、橘美來さん、夏目ここなさん、日向もかさん、宮沢小春さんアフターインタビュー".animate Times.2024-05-03.https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1716945361&p=3.(閲覧日 2024-08-17)


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