ゲーム要素「ビジュアル」から文脈を読む カード性能文脈論基礎 #1
IDOLY PRIDEというゲームには、様々な遊び方が用意されている
ライブでハイスコアを出したり、対人戦で上位を目指すランク派
撮影機能を極め、推しのフォトを撮り続ける撮影派
ストーリーを読み込んでその展望やキャラの心情を考える考察派
もちろんこれだけではないし、これらを満遍なく遊び尽くすのも楽しい
最近ではグッズケースや交流機能の登場で、各方面の遊び方がさらに広がった
さて、ではあなたはどのようなIDOLY PRIDEの楽しみ方をしているだろうか?
きっと、それはとっても素敵なものなんだろう
それを聞くというのも大変楽しそうだが、ひとまずは今日は自分の中で考えるだけに留めておいてほしい
今回この記事では、私のIDOLY PRIDEの楽しみ方の一端を紹介する
これを読んだあなたが、また新しいIDOLY PRIDEの遊び方を見つけてくれたら幸いである
それでは本編へ
ゲーム性能『タイプ』と『傾向』
アイプラの『タイプ』と『傾向』と言われて、ピンとくるだろうか?
公式生放送やSNSなどで、この名前で呼ばれているところは聞かない。『タイプ』は他の呼び名も思い当たらないが、『傾向』はしばしば「ボダビ」と呼ばれているところを目にする
言ってしまうと
『タイプ』とは『スコアラー』『バッファー』『サポーター』という区分であり
『傾向』とは『ボーカル』『ダンス』『ビジュアル』という区分のことである
これらの要素は、冒頭の話に照らし合わせればランク派のみなさんが着目している部分だろう
新アイドルはどんな性能なのか、スコア獲得向きかバトル向けか、など
しかし、私は全く違う視点から、この『タイプ』と『傾向』に着目している
総じて性能と称されるこの要素は、まさにアイドルの「性質」と「能力」を的確に表しているのだ
それはゲーム内のライブにおいての話ではなく
そのアイドルのストーリーや、そのアイドル自身の性格、視点、実力、パフォーマンス、心情といった「性質」と「能力」も表しているということである
まずは、『タイプ』と『傾向』がアイドルのストーリー的性質(以下:文脈)を表していることを証明しよう
これは星見プロの10名の、初期から存在するアイドル(通称:初期定常アイドル)の一覧である
伊吹渚、早坂芽衣、佐伯遙子などは星3.4.5でバランスよく傾向が別れているが、そうではないアイドルもいる
例えば白石千紗
彼女はダンスが不得意で、デビュー前に怜に強い言葉で注意をされたことがある
星見アイドルの定常は全て星見にいたころの描写であるため、千紗のカードに彼女の苦手分野であるダンス傾向が無いのは納得できるだろう
またその一ノ瀬怜はより特徴が顕著だ
星3、星4、星5、その全てがダンスで、まさにダンス一筋な彼女を表していると言える
他にも初期3種全てがダンスなアイドルには井川葵がおり、やはり傾向がそのキャラクターの性質を表現しうるものだという考え方は間違っていないようだ
ビジュアルという特異
長いことアイプラに触れているみなさんであれば、上記の説明だけで十分に理解できただろう
「ははん、そういうことね。つまり傾向ってのはその子の得意分野を表しているんだ」と
まさにその通りで、特に着目してほしいのは星5初期定常だ
ダンスが上手い怜や芽衣はダンス傾向、歌唱力を高く評価されるさくらや雫はボーカル傾向にある
ここまでは納得がいくだろう
しかし、ビジュアルは?
そもそも傾向の3区分の中でビジュアルとは曖昧なものである
パフォーマンスとは「歌」と『ダンス』を組み合わせたものであり、この二つは対になっている印象だが
ビジュアルって具体的になんだろうか?
一番最初に思いつくのは「見た目の良さ」だが
「見た目の良さ」というのは「歌」や「ダンス」よりも優劣をつけるのが難しい
初期定常で星5アイドルがビジュアル傾向のアイドルを見てみよう
それが
背中を預けて 伊吹渚
パワフルガール 成宮すず
照度を増す自信 白石千紗
果たしてこの三人は「見て目がいい」のだろうか
この時代にルッキズムな話題はよろしくないが、考えるべきは作品内での取り扱いだ
怜と芽衣のダンスが上手いやさくらと雫の歌の歌が上手いだって、現実で見れば評価をくだせない
ライブ3Dでは一ノ瀬怜の位置に誰を編成しても同じ踊りをしてくれるし、菅野真衣さんや首藤志奈さんは歌だけでなくダンスもバチボコに上手く素敵だ
故に考えるべきは、そのアイドルが作品内でどういう立ち位置にいるかだ
そう考えると、伊吹渚も成宮すずも白石千紗も、作品内で「見た目がいい」という扱いはされていないように思える。
「見た目がいい」の定義が曖昧なのは前述した通りなのだが
例えば、数値を持って明確に比べるために、身長と体重の比率から適正体重と現状との振れ幅を比べるBMIで考えてみよう
すると
渚が19.4
すずが17.6
千紗が18.05
数値18.5〜25の場合は適正体重となる
そうみると、渚以外の二人は痩せ型だし、渚も適正体重の中では軽い方であるから、3人のプロポーションが悪いとは全く言えないのだが
しかし、そんな三人に対して
長瀬琴乃のBMIは16.38である長瀬琴乃さん適正体重より14kg軽いのでもっと食べてほしい162cm43kgって何だよこの基準からみると、先の3人よりも長瀬琴乃の方がビジュアルに向いていると言えるだろう
また、不埒な話題にはなってしまうが、バストのサイズという観点でも、3人は上位者ではない。
体型ではなく顔面偏差値(なんだこの言葉、やな言葉だな)という点では、次元が違う彼女たちを評価することはできないし
そもそも好みは人それぞれだから明確な順位づけなんてしようがない
では結局ビジュアル傾向とは何を表しているのだろうか?
『背中を預けて』と『パワフルガール』からビジュアル傾向を読む
初期定常星5がビジュアルのアイドルとして
伊吹渚、成宮すず、白石千紗をあげたが、この記事では特に伊吹渚と成宮すずからビジュアル傾向を読み解こうと思う
二人共にビジュアル傾向。ということは共に同様の性質を持っているということになる
文脈を解釈をするのであれば、読むべきところはストーリー
つまり、『背中を預けて』と『パワフルガール』のストーリーにおける共通点を見つければ良いのだ
さて、早速答え合わせ、と行きたいのだがその前に
共通点探しをする上で留意しなければいけない事がある
それが、ゲームアイプラにおいて傾向と対をなす重要要素の『タイプ』だ
成宮すずの初期定常、パワフルガールはスコアラーであり
伊吹渚の初期定常、背中を預けてはサポーターである
スコアラーとはその名の通り、ライブの要でありスコアを稼ぐ存在だ
まさにライブにおける主人公であり、楽曲レーンではセンターに位置することが多い
対して、サポーターは自分がスコアを稼ぐ必要はなく
代わりにスコアラーがスコアを稼ぐようにサポートする役割だ
楽曲レーンではセンターに編成されることは稀である
スコアラーの最大の特徴は『必ずSPスキルを持っている』ということであり
逆に、バッファー、サポーターのアイドルはほとんどSPスキルを持たない
IDOLY PRIDEではSPスキルを発動するスコアラーに対し、バッファーやサポーターのスキルを用いてバフを積むのが基本戦術だ
つまり何が言いたいのかというと、スコアラーとサポーターでは求められている要素、もとい文脈における傾向の現れ方が違う
今回の話に照らし合わせると、『背中を預けて』と『パワフルガール』における共通点は完全一致するものではないのだ
さて、それでは結局ビジュアル傾向とはなんなのか
『背中を預けて』と『パワフルガール』の共通点はなんなのか?
(それを考えたい人はぜひ、ここでブラウザバックして探してきて欲しい
もしかしたら、私も気が付かなかった考察に辿り着くかもしれない、そしたら教えてね)
気を取り直して
『背中を預けて』と『パワフルガール』の共通点
それは「見て欲しい」という感情である
具体的に言うと
伊吹渚は「長瀬琴乃を見て欲しい」で
成宮すずは「自分自身を見て欲しい」だ
背中を預けて 3話 内緒の心配事では、お客さんの入りを見て難しい顔をしている長瀬琴乃を、伊吹渚が心配する様子が描かれている
そこで彼女は「私がもっと琴乃ちゃんの、月ストのために役立てることはあるんでしょうか?」と悩みを打ち明ける発言をした
つまり、『背中を預けて』時点での伊吹渚の目的は「長瀬琴乃/月ストにもっとファンを集めること」
言い換えると、伊吹渚の望みは「長瀬琴乃を見て欲しい」ということである
対して
パワフルガール 2話 成宮すず、ここにあり!では、エゴサをしても他の子の話題ばかりで、”もしかして検索”に引っかかってしまった成宮すずが描かれた
自分を見て欲しいのに見てもらえない、長瀬麻奈のようになりたいのに、彼女のように奇跡と呼ばれない
そんなすずの悩みはマネージャーの一言によって吹き飛ばされ、ステージに上がった成宮すずは「私が月のテンペストのセンター 成宮すずですわ!」といつもの彼女らしい振る舞いを見せた
このストーリーから分かる通り『パワフルガール』時点での成宮すずの望みは「自分自身を見て欲しい」というものである
「長瀬琴乃を見て欲しい」
「自分自身を見て欲しい」
ビジュアル傾向にある二人のアイドル
サポーターである渚は長瀬琴乃/センター/SPスキルを発動する者に対して
スコアラーであるすずは自分自身/センター/SPスキルを発動する者に対して
二者はそれぞれの対象に「見て欲しい」という共通の感情を抱いていた
よってビジュアル傾向の意味を「見て欲しい」という性質と解釈しよう
補足
ボーカル傾向は「歌の上手さ」ダンス傾向は「ダンスの上手さ」と具体的であるのに対し、ビジュアル傾向は「見て欲しい」と、かなり抽象的な文脈解釈をしたが、ビジュアル傾向アイドルの中にも単なる「見た目の良さ」を表すアイドルもいるように思える
例えば、白の衝撃 鈴村優
彼女はアイプラキャラの中でも上位のバストサイズを誇っているため、具体的な意味でのビジュアル傾向であると言えるだろう(無論、具体的な意味に当てはまるからといって、抽象的な意味が当てはまらないとも限らない)
また「見て欲しい」という性質は、存外「ビジュアル」という言葉から感じられる印象から、離れたものでもない
アイドルにおけるビジュアルの良さ、魅力とは「人目を引く力」と言えるだろう
今回、『背中を預けて』と『パワフルガール』には「見て欲しい」という要素が共通したが、それはあくまで彼女たちがまだ駆け出しのアイドルだからで
ビジュアル傾向のアイドルの中には「本人は意識していないけれど、思わず見惚れてしまう」という意味でのビジュアル傾向のアイドルもいる
つまり事実的な意味でのビジュアル/見た目の良さではなく、性格や振る舞いといった総合的な意味での見た目の良さを表していると言う事だ
あるオタクはそれを「見た目によらない愛らしさ」と表現していたし、あるオタクはそれを「求心力」と表現していた
みなさんもぜひ、推しのビジュアル傾向のストーリーを読み返し「どこがビジュアル的要素なのか?」を考えて欲しい。
補足2
ボーカル傾向は「歌の上手さ」ダンス傾向は「ダンスの上手さ」であるのに対し、ビジュアル傾向は「見て欲しい」と、かなり抽象的な文脈解釈をした
と、ついさっき書いたばかりだが、これは一部間違いである。
ビジュアル傾向のアイドルは
『人目を引く見た目の魅力』が表面上の具体的な意味であり
『見た目によらない求心力や、見て欲しいという感情』が内在する抽象的な意味合いであると解釈したが
これと同様に、ボーカル傾向のアイドルは
『歌が上手い』という表面上の具体的な意味に対して、そこに内在する抽象的な意味合いも持つ
ダンス傾向のアイドルも同様に
『ダンスが上手い』という具体的な意味以外に、抽象的な意味合いも持つ
例えばダンス傾向のアイドルとして、先ほどは初期定常星5から
一ノ瀬怜、早坂芽衣、井川葵といった直感的に理解できる「ダンスが上手い」アイドルを挙げたが
同じく初期定常星5がダンス傾向である小美山愛に「ダンスが上手い」というイメージはあまりないだろう
ボーカル傾向とダンス傾向における、傾向の抽象的意味合いについては、ぜひみなさんで考察いただくか
もしくは、別者の記事を参照されたい
ともあれこれにて、二つの補足と共に『背中を預けて』と『パワフルガール』からビジュアル傾向を読むを終わろうと思う
終わりに
今回は、ゲーム性能のタイプと傾向からストーリー的性質/文脈を読んだ
しかし、これはゲーム性能文脈論の始まりに過ぎない
なぜならここで取り扱ったのはタイプと傾向だけで
まだスキルの種類(スペシャル、アピール、パッシブ)の話も
効果ごとの意味(基礎ステータス上昇、クリテティカル上昇、スキル成功率上昇etc)の話もしていないからだ
これらはぜひご自身で考察していただくか
もしくは、私や他の文脈論者の記事を待っていて欲しい
また、これから考察をしようという方には、ぜひ今回取り扱ったのと同じく初期定常星5を読んでみて欲しい
初期定常星5のタイプと傾向は、その時のそのアイドルだけでなく
そのアイドルの普遍的性質を表しているといっても過言ではないからだ
そのアイドルの基礎であり根幹となる要素が、初期定常星5のタイプと傾向に必ず現れている
考察がんばってね
さて、最初にも言ったことだが
この記事を通じて、あなたのアイプラの遊び方が、一つ増えてくれたのなら幸いである
そして私の陳腐な考察よりも、ずっと筋が通っていて感動的な解釈にあなたが至れるように願う
もっといい解釈の仕方とか読み方見つけたら教えてくださいね、記事とか書いてください
それでは、本日はこの辺で失礼いたします
#2があるかはわかりません、あることを期待しててください
では、またいつか
時に、まだThe MOONにいるオタク、瑠璃(♂)
著作物利用について
本記事では法令規定の範疇で、他者様が著作権を有する著作物の一部を引用利用しています
引用1
出典:IDOLY PRIDE アイドリープライド(アイプラ)(公式YouTubeチャンネル),【#1 初めてのアイプラ】アイドルの世界ナメたらアカン【教えてアイプラ 〜初心者の手引き〜】,YouTube.2021-06-23.https://www.youtube.com/watch?v=1DvS-IKRblo(閲覧日 2024-10-26)
その他の引用
各種ゲーム画像
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