嘘にまみれた月スト学 #1 成宮すずは天才か
始めまして、またはいつもお世話になっております
瑠璃(♂)です
私はアイプラが大好きで、ネット上にSSや記事を投稿したり、たまに小説本を作ったりなどしているのですが。
「アイプラキャラを満遍なく好き!!」というわけではなく
主に星見プロダクションの十人のオタクです。
さらに、サニピと月ストどちらが好きかと言われれば。
ほんの少し。ほんとにもう、微粒子レベルとか、それくらいのほんの少しですが、月ストの方が好きです。
ということで今日も今日とて月のテンペストに思いを馳せ馳せ生活しているのですけれど。
自分が月のテンペスト、また月ストメンバー各人に対して抱いている感情、考察などをしっかりと語ったことがないなぁ、とふと思いまして
普段思いついたときにツイッタランドに書きなぐっているようなことを、試しに記事にしてみようと思ったのがこの記事が出来たきっかけでした。
しかしながら、私は考察オタク
考察っていうのは、言い換えてしまえば妄想、空想
つまりは嘘です
ということで、いちアイプラオタクがねじ曲がったフィルター越しに見ている嘘にまみれた月ストのお話を、これからしたいと思います。
始めに言っておきます
この記事で書かれる内容は、IDOLY PRIDEをいち個人の私が解釈したものであり、嘘です
正確に言えば、たまたま本当のことを言っている可能性もあります
言い換えましょう
この記事の内容は、ソースが無い話が多いです
ソースがある部分はしっかりそのソースも一緒に記述しますが、それでもやはり個人の解釈の域を出ないので鵜吞みにはしないでください
へーこうやって考えてる人もいるんだ~、って感じで読んでいただけると助かります
あと、私は嘘つきなので#1などと銘打っておりますが、#2以降があるかはわかりません。ご了承ください。
それでは前置きはこの辺に
嘘にまみれた月スト学 #1
成宮すずは天才か
始めていきたいと思います
※注意点
繰り返しますがこの記事は嘘です。正しくは、正確性に欠ける情報や、それを基にしたさらに正確性の無い、妄想とも呼べる話を、さも確定的な口ぶりで語ります
本文中、アイドルに対して思っていることを的確に表現するために一部悪口とも取れる評価をします
ネタバレを含みます
本編では敬語じゃなくなります
上記ご了承の上、本編をお楽しみください
長瀬麻奈から読む
「夢」と出会った少女の話
成宮すずはわがまま娘
始めに
みなさんは成宮すずに対してどんなイメージを抱いているだろうか?
成宮すずは月のテンペストの最年少にして唯一の中学生である
さらにそこにお嬢様という要素が加わり、お調子者でわがままで騒々しいといったキャラクターイメージが強いだろう
お調子者というイメージは彼女に自慢話が多いのに起因する
「成宮家の令嬢」であることを誇りに思っており、彼女には謙虚の欠片すらない
麻奈のサインを持っていることにも
「これが星見市に名を知らぬものはいないと言われる成宮家の力。そして私の力、ですわ」と自慢げに話している。
次にわがまま
これは星見編の成宮すずに焦点を当てたストーリーのProud Ladyなどがイメージの形成に作用しているだろう
すずが留学から逃げてアイドルになったことが明かされる話であり
「あの子はいつも肝心なところで逃げ出す」という母親の発言もある
また宿題をさぼろうとしたり、沙季に隠れてポテチを食べようとしたり、といった子どもらしい行動も彼女のわがままな性格を表している
最後に騒々しい
これは成宮すずもそうだが、そこに早坂芽衣も加えた、所謂
「めいすず」を思い浮かべる人が多いかもしれない
年少組である二人は、月ストの「元気担当」と言っていいだろう
成宮すずと早坂芽衣は常に騒がしい
どうしようもないくらい最高なスーパーナイスなTwinsである
上記のように、最年少でお嬢様でプライドの高い彼女は
お調子者でわがままで騒々しい
と、広く世間に知れ渡っているであろう成宮すずのイメージを書いてみたら、悪口を記述しただけのようになってしまったが
しかし、本当にそうだろうか?
成宮すずとは本当に「お調子者でわがままで騒々しい」それだけの少女なのだろうか?
上記の用に浅瀬のイメージだけを羅列して終えるのは、この記事の主の目的ではない
その先にある、成宮すずがそのような行動をとる理由、原因についてこれから深堀していく
成宮すずはお調子者であり、目立ちたがり屋でもある。
これについて
「金持ちのお嬢様だから、昔から甘やかされて育ったんだろう」
「親の七光り的な奴だろう」となんとなく想像してはいないだろうか?
筆者も昔は成宮すずに対して、そんな短絡的な所感しか抱いていなかった
しかしながら、実はそうではないのかもしれない
成宮すずは、これまたお嬢様あるあるだが、様々な習い事をしていたことをSuzu's Memoriesで芽衣に明かした
ピアノ、バレエ 、書道、絵画、日本舞踊、乗馬、英会話、茶道
その中でも絵画に関しえては、コンクールでは金賞に選ばれたことがあることが、同ストーリーで明かされている
またゲームのホーム画面でのセリフでは成績が学年一位になったことを嬉しそうに話している
平均学力が高いであろう、麗葉女学院の学年一位はそう簡単になれるものではない。彼女の学力の高さは本物だ
つまり、彼女はただ甘やかされて育ったお嬢様なのではなく
成宮すずは秀才であり、彼女は生まれながらに評価されるのが当たり前の環境で過ごしてきたのではないだろうか?
お調子者で目立ちたがり屋
それは、そうあることが成宮すずにとっての常であるから。その常を崩さないために、目立ちたい、褒められたい
筆者はこう考える
また、成宮すずが目立ちたい理由はもう一つ考えられるが、それは後述する
次にわがまま
ポテチを食べる行動については、弁明のしようがない。
彼女は青い、うん、幼い。
しかし、成宮すずにとっての宿題について、彼女はこんな発言をしている。
彼女にとって宿題とは
「面倒だからやりたくない」というよりも
「やる必要がないほど当たり前」なのである。
これの裏付けとして
成宮すずが苦手な部分を完ぺきしたいから、明日のオフに自主練がしたい、とマネージャーにお願いするが、休むように諭されるメッセージでのやり取りがある
つまり、成宮すずは怠惰なのではなく、自分のできない課題点があればそれの克服のためにプライベートな時間を削り、自分を磨くために使えるのである
宿題は成宮すずにとって自分磨きですらないほど簡単なものなのだろう
また、成宮母の話した、すぐに逃げ出してしまうという話についてだが
結局成宮すずはアイドルから逃げ出すことは無く、今でも月のテンペストの最年少として真摯に活動をしている
例え辛くとも、目の前な大きな壁に立ち向かうだけの力を、彼女は持っているのだ
最後に騒々しい
これはその通りである。
結局彼女は未だに幼く未熟で、芽衣と合わさりよく騒ぐ
その行動理念には目立ちたがり屋な側面もあるのだろう
前項目で後述するとしていた、成宮すずが目立ちたがり屋な二つ目の理由について、騒々しいという観点から読みほどく。
というのも単純な話だ。
彼女が目標としているのは『誰かの背中を押せる存在』である
そしてその具体的な到達地点として彼女の頭の中にあるのは、無論長瀬麻奈だ。なにせ、成宮すずは長瀬麻奈に背中を押されたのだから
成宮すずの目に映っていた長瀬麻奈とは、何よりも輝いて見える圧倒的な星、すなわち目立った存在であっただろう。
故に二代目星降る奇跡を名乗り、その存在を目指す成宮すずが、周りよりも目立とうとするのは必然と言える。
彼女にとって憧れの存在がそう見えているのだから。
成宮すずは騒々しい
けれどそれは悪い意味だけを持たず、彼女が憧れに近づくためにと無意識(と筆者は捉えている)に行っていることである。
事実として、その騒々しさ、もとい明るさ、元気さは少なからず彼女の周りの人の背中を押しているであろう。
背中を押してくれる存在
さて、ここまで成宮すずの持つ
お調子者でわがままで騒々しいという、彼女がバカっぽく見える行動の、実は真面目で筋の通った理由について説明してきたわけだが
その行動理念は全て、ある一つの事柄に起因すると筆者は考える
お気づきの方もいるだろう
それは「背中を押してくれた存在/長瀬麻奈への憧れ」だ
わがままで怠惰な性格に見えても、憧れの存在になるために、オフの日にも自主練をしようとする
憧れの存在に近づくために、目立とうとする
長瀬麻奈との出会いと長瀬麻奈との別れは、確実に成宮すずの人生に、大きな影響を与えた
ここからは彼女が長瀬麻奈に与えられてきた影響について、具体的に紐解いていこうと思う。
成宮すずは両親と共に行った星見まつりで長瀬麻奈を見て、そしてファンになった。
この時点で成宮すずの心のよりどころは『両親』と『長瀬麻奈』である。
以降、成宮すずは長瀬麻奈のおかげで楽しい日々を過ごすが、徐々に両親との距離に悩み始める。
一緒にご飯を食べたいのに、褒めてほしいのに、そうしてくれない。
彼女は親からの愛を感じられなくなり
心のよりどころの比率を長瀬麻奈に移していく
そんなある日、長瀬麻奈のこんな言葉に、彼女は影響を受けた
画面越しではあったが、成宮すずはこの言葉に背中を押され、両親に正直な自分の気持ちを告白
こうして、あの祭りの日のような両親との仲を取り戻した成宮すずは、一時幸せな時を手にする
また心のよりどころが『両親』と『長瀬麻奈』に戻ったわけだ。
しかし、その日は訪れてしまう
長瀬麻奈の事故死
成宮すずは『長瀬麻奈』という心のよりどころを失った
そして、すずにとって麻奈は、既に両親を超えるほどに大切な存在であった
部屋に籠り、もう憧れた存在がこの世界にいない悲しみに暮れる日々
すずは母親に、半ば強制に部屋から出され、気分落ちたまま散歩に出かける
そこで、街角のテレビに映るアイドルを眺め嬉しそうにする少女を見つけ、成宮すずは過去の自分を重ねる
そうして成宮すずは、二つのことに気が付いた
一つは自分は今でも『長瀬麻奈』に支えられているということ。
そしてもう一つは、自分が彼女に「憧れている」ということだ。
心のよりどころを失った人間は、一度は悲しみに暮れるが、時間が経過するにつれ、また新たな心のよりどころを見つけるだろう
それは新しい推しか。もしくは彼女の年頃を考えれば好意を持つ異性かもしれない。当然友達かもしれない
しかし、成宮すずは違った
これは筆者が純粋に成宮すずを尊敬している部分なのだが
彼女は「今度は自分が誰かの背中を押せる存在になる」という、他者に頼らない自己実現、自己の深化という点に心のよりどころ、生きる意味を見出す。
もっとも、この心のよりどころを
自己実現、自己の深化と捉えるか、尚も長瀬麻奈と捉えるかは人それぞれ(というより両方)だが。
つまるところ、成宮すずにとって
憧れの存在を目指すこと=誰かの背中を押せる存在になることは心のよりどころであり
まさに「生きている意味」である。
故に、一見わがままでも、彼女はストイックに自己を高めようとしたり、頑張って目立ってみようとしているわけである。
すずはアニメ3話で、アイドルを目指した理由を
「簡単にトップを取れそうだと思った」とか言っているが、これは照れ隠しの嘘だ
すずがアイドルになった理由は「誰かの背中を押せる存在」になりたかったから
もちろん、長瀬麻奈を意識しているわけだから「トップアイドル」というのも目指す対象ではあるのだが、それが主ではない。
さてでは、そんな成宮すずが今まで誰かの背中を押してきたシーンについて考えてみよう。
やはり印象深いのはアニメ8話、ゲームで言うと星見編3章9話
麻奈を目指す理由が無くなる→自分のアイドルをする理由がわからなくなった琴乃に対してすずが放った言葉
麻奈に心酔しているすずからの評価だからこそ、この言葉に琴乃は心を打たれただろう
このシーンについては、後の章でも扱う
また他には、Mei's Memoriesで明かされた出来事もある。
これに関しては直接的に「背中を押した」わけではないが。
月のテンペストのデビュー前、みんながレッスンを重ねていたころの話。
チア部とアイドル、どちらか一つに専念することを迫られた芽衣が月のテンペストを選んだ理由は「すずにゃんのおかげ」だ
強い個性が影響してあまり友達ができなかった芽衣は、月ストデビュー前のある帰り道にすずに言われた「ずっと一緒」という言葉で胸がポカポカした、と話している
事情を聞き、応援するような言葉で背中を押したわけではないが
成宮すずの一言は確かに、早坂芽衣に納得のいく決断をさせたのだ
もちろん、まだ長瀬麻奈には叶わない
本人もそんなこと思っていないだろうし、なんなら自分が今まで仲間たちにそんな影響を与えてきたことを、自覚はしていないだろう
しかし成宮すずは既に
「誰かの背中を押せる存在」であることに、間違いはないのだ
さて、これにて長瀬麻奈から読む「夢」と出会った少女の話を終わる
本章では、実はしっかり者な成宮すずと、その行動理念にある憧れについて語った
しかし
成宮すずの憧れの存在が、今もずっと『長瀬麻奈』であり『誰かの背中を押せる存在』かというと、そうではないと筆者は考えている。
星見プロに入所し、月のテンペストとしてデビューし、様々な経験をしていく中で成宮すずの中で変化していった憧憬を、次章では扱っていく
芽衣、怜から読む
変化する「憧れ」と抱いた嫉妬
早坂芽衣を読む
成宮すずという人間に大きな影響を与えた存在について考える
両親を除けば、その始まりは当然前章でも語った通り、長瀬麻奈だ
そんな長瀬麻奈/誰かの背中を押せる存在に憧れて星見プロダクションへ入所した成宮すずは、別の光を持ちながらも、同じ気持ちで共に歩む『仲間』と出会う
さて、そんな星見プロダクション10名の中で、成宮すずが所属するコミュニティは主に2つである
それが月のテンペストとれいめいすずだ
月のテンペストは言わずもがな
れいめいすずはその名の通り
一ノ瀬怜、早坂芽衣、成宮すずの仲良し三人組である
そしてタイトルにもある通り
本章ではこのれいめいすずから、成宮すずを考察していく
さて、突然だが
成宮すずと一番仲のいいのは誰か?
この問いに対しては、多くの人が同じ人物の名前を上げるのではないだろうかと思う
同じ月のテンペストのメンバーにして、成宮すずと共にshiny shinyを歌う
予測不能で無邪気な少女、早坂芽衣だ
めいすずとしてお馴染みなこの二人組だが、彼女たちが仲良くなった経緯については、実は今まであまり語られてはいなかった
星見編の当初から、仲のいい二人として出来上がった関係性が描かれていたのだ
そんな二人が仲良くなった経緯、主に早坂芽衣が成宮すずに特別な思いを寄せる(恋愛的な意味ではなく)ことになったエピソードは前章でも触れた
Mei's Memoriesで明かされた、月ストとチア部で月ストを選ぶことを決めたのは「すずにゃんのおかげ」だという話である
つい最近明かされた芽衣→すずの話
逆に、成宮すずが早坂芽衣と仲良くする理由については(筆者の覚えている限りでは)語られていない
なので、成宮すずが早坂芽衣に何を思って仲良くしているのかについて、考察妄想嘘を交えて解説していく
何故すずは芽衣と仲良くするのか
結論を一言でいえば
「構ってくれるのが嬉しいから」だ
成宮すずは星見プロダクションの10人の中では最年少である
彼女の性格的に年上に物怖じするようなことは無いだろうが
今まで裕福な家庭、メイドのいる環境で育った彼女は、初めて飛び込んだ世界ということも相まって寮での生活や自分の未来に不安を覚えたことだろう
その不安のどこまでを本人が自覚しているかは別問題であるが
自分と同じ視線で半ば強制にでも自分とかかわりを持ち、心を開かせてくれた早坂芽衣という存在が成宮すずにとって大きな支えとなったであろうことは想像に難くない
芽衣のすずにゃんすずにゃんだいすきだいすき攻撃に、成宮すずは呆れたりうざがったりするような仕草を見せてはいるものの、親元を離れた彼女があそこまで真っすぐな愛情を注がれて嬉しくないわけがないだろう
そう、成宮すずにとって早坂芽衣とは
同じ目線の存在、同列の存在なのだ
この成宮すずが早坂芽衣を同列の存在と捉えていることが、本章では非常に重要になってくる
一ノ瀬怜を読む
話変わって
成宮すずと早坂芽衣には共通の仲良しがいる
それが一ノ瀬怜、だ
二人とは違う、サニーピースに所属するメンバーだが
成宮すずにとっては星見プロ内で唯一の同じ麗葉女学院の生徒(もっとも、すずは中等部で怜は高等部だが)で
早坂芽衣にとっては星見プロダクションに入るきっかけとなった人物、始まりの存在である
世間一般で認知度が高いのは、デュエット曲を持っている
「めいすず」「れいめい」だろう
成宮すずを語るためには、早坂芽衣を、そして一ノ瀬怜を知る必要がある
なので成宮すずの話に入る前に、少し早坂芽衣と一ノ瀬怜の話をしておこう
早坂芽衣のWhat is "IDOL"?に対する回答は”憧憬”である
そして早坂芽衣がその感情を向けている対象は特定の一個人ではなく
世界、自分とは違う世界そのものだ
その対象は猫であったり、幽霊のお友達であったり
とにかく興味の惹かれる方へ、自分とは違うものを知りたくて
自分に無いものを欲して早坂芽衣は行動していた
そんな彼女が出会ったのが一ノ瀬怜だ
もっとも、芽衣が塀の上から一方的に怜を見ていただけなのだが
自主練をする怜に見惚れ、塀の上に通うようになった芽衣は、やがて牧野航平とも出会う
以降、星見プロダクションに入ってからはすずを筆頭とするたくさんの仲間とも出会い、長瀬麻奈という友人であり元アイドルに憧憬を抱いたり、早坂芽衣の人生に変化が訪れるわけだが
その起点となったのは、まさに一ノ瀬怜との出会いと言える
さて、芽衣が怜に憧れ好いているという描写は所々でなされている
そのため早坂芽衣の中の憧憬が強く一ノ瀬怜に向けられていることに、芽衣と仲のいい成宮すずが気が付くのは簡単なことだ
また成宮すずも一ノ瀬怜に対して小さくない感情を抱いている
前述のとおり二人は同じ学校に通っており、学校では昼休みに成宮すずが一ノ瀬怜に会いに高等部まで突撃したり、登下校を一緒にしたがる様子が、IPCA約束購入特典のボイスドラマで描かれている
すずは、三歳年上の怜にも臆さず、これまた対等な関係と言わんばかりに接しており、れいめいすずは誰が誰に気を遣うでもない深い関係性を築いているわけだが
それはあくまで友人としての三人の関係性であり
成宮すずが一ノ瀬怜と自分の技術までもが同じレベルだとは全く思っておらず
むしろ、ことダンス、及びパフォーマンスという点においては成宮すずも早坂芽衣と同様に一ノ瀬怜に一目置き、尊敬しているといえるだろう
初期段階での成宮すずの認識は
自分と同じぐらいのレベルの芽衣、芽衣の憧れの人であり自分も尊敬している怜
といった具合だろう
MACARON DONUTSを読む
すずは、自分と芽衣が同じくらいと認識している、という話をしたが
体力面や元気さという観点からは、芽衣が自分より上だと認めてはいただろう
しかしそこに劣等感はなかったと思われる
それは早坂芽衣の元気さは無邪気さ、子どもっぽさという要素も含んでおり
体力面では自分は劣っていながらも、芽衣はまだ子どもで、自分の方がしっかり者だという自負があったから
すなわち、精神的には自分の方が芽衣よりも優位であるという認識が成宮すずの中にあったからだ
技術的には怜が抜きんでていて、自分と芽衣は同じくらい
体力は芽衣の方があるだろうけど、精神年齢的には私の方が上
成宮すずはそう考えていた
そんなある日
成宮すずの認識は大きく崩されることになる
それが、一ノ瀬怜と早坂芽衣のデュエット、
MACARON DONUTSの結成である
ちなみに先に書いたすずが体力的な面では芽衣が自分より上だと認めているという考察嘘の根拠になったのはMACARON DONUTSの結成を描いた
イベントストーリー 夢躍るステージに架け橋をの一話にて
怜との練習を終えて、芽衣とすずはへろへろになるが、疲れていながらもまだ楽しそうにしている芽衣に「そう言いつつ、芽衣もまだ余裕がありそうですわね」とすずが発言しているシーンだ
話を戻して
このMACARON DONUTSの結成から披露までを経て、成宮すずは早坂芽衣への印象を2つの要因から大きく変えられることになる
一つは芽衣とすずが怜の実家に一ノ瀬両親の説得に行ったときのこと
普段はあんなにもふわふわとしている芽衣が、しっかりと礼儀正しく敬語を使っていたことにすずは驚いていた
この話はゲーム内機能のアイドルとの会話や、Mei’s Memoriesでも触れられていることから、すずにとってはかなり印象的な出来事だったと推測できる
もう一つは、単に一ノ瀬怜と早坂芽衣のステージがカッコよすぎたことだ
一ノ瀬怜の技術は当然認めていた、尊敬して、憧れてもいた
早坂芽衣の技術も、決しては低くはなく、なんならダンスにおいては月のテンペストでは琴乃と一二を争う実力者であり、また体力も怜に勝るとも劣らないことを、成宮すずは知っていた
しかし、その時ステージ上に見た早坂芽衣は一ノ瀬怜の相棒として彼女の隣で踊り、MACARON DONUTSの半分を担うに相応しい実力と輝きを見せつけた
この日こそが、成宮すずが憧憬を向ける対象に一ノ瀬怜だけでなく早坂芽衣が加わった日だろう
こうして成宮すずの憧れの人が
長瀬麻奈、一ノ瀬怜、早坂芽衣
(他にもいる可能性がある。詳細は次の章にて)
の三人になったわけだが
果たして、成宮すずが『長瀬麻奈』に向ける憧憬と
『一ノ瀬怜』『早坂芽衣』に向ける憧憬とは、同じものだろうか?
成宮すずの憧れた『長瀬麻奈』が
誰かの背中を押せる存在であるということは、前章で語った通りである
自分の背中を押してくれた、その存在に憧れているのだ
では成宮すずが『一ノ瀬怜』『早坂芽衣』に抱く憧れとは、それと同様のものか
すなわち、成宮すずにとって『一ノ瀬怜』『早坂芽衣』とは
背中を押してくれる存在か?
当然二人の存在に成宮すずが背中を押されてきたの事実だろう
しかしそれが成宮すずが二人に抱く感情の主軸かというと、そうではないと考える
つまり、成宮すずが『長瀬麻奈』に抱く憧れと『一ノ瀬怜』『早坂芽衣』に抱く憧れとは別種ということだ
長瀬麻奈には『誰かの背中を押せる存在』への憧れを抱いている
では、一ノ瀬怜と早坂芽衣にはどんな憧れを抱いているのか
わんにゃんTwinsを読む
それを紐解く鍵は
早坂芽衣と成宮すずのデュエットわんにゃんTwinsの結成が語られる
イベントストーリー 迷走ピリオド 涼やかな青春にある
早坂芽衣に誘われ、デュエット限定大会に出ることになった成宮すず
最初、芽衣と二人だから自分がしっかりせねばと張り切るすずだが、芽衣は思いのほか手際よくデュエット披露の準備を進めていく
すずが怜と芽衣に向ける憧れという話からは少しずれるが
迷走ピリオドでは、すずの芽衣への認識の変化も、夢躍るステージに引き続き描かれている
芽衣は頼りにならないし自分が頑張らなくては、と思っていたすずだが、芽衣は頼りになったのだ
これは前述したとおり、すずが芽衣を下に見ているというよりも
すずが自分なりに見出した「自分が芽衣よりも優れている点」であり
そう”思い込む”ことですずは自分と芽衣は対等であると自分に言い聞かせていたのだ
先は、技術は同じくらいで、体力的には芽衣、精神的にはすずが上だとすずは認識している、という話をしたが
MACARON DONUTSの結成以降、すずの認識は変わり
芽衣は怜と同等の技術を持つ→自分よりも優れているという自覚をした
だからこそ、すずは自分の方が芽衣よりもしっかりものだという
今となっては唯一の、自分と芽衣を対等たらしめる根拠を守り続けたい、そうだと信じたいのである
しかし、芽衣はすずが思う以上にしっかり者だった
芽衣いわく、MACARON DONUTSの時は怜が主導だったらしい
芽衣と対等でいたいと思い続ける成宮すずは、今度はアイデアという点で芽衣よりも自分が有能であることを知らしめようと試みる
衣装案と振り付け案だ
絵画コンクール金賞の実力を生かし、練った案を何枚もイラストに起こし
雫の協力を得てアイドルのパフォーマンスを研究し
一念にアイデア出しに取り組むすずだったが
結局、どちらも芽衣の案を採用することになった
前期のとおり、すずは才能があり、認められる、褒められるのが常であったために
芽衣と対等でいたいという思いも相まって、自分の案が採用されなかったことを強く悔しがっていた
さて、では何故すずの案は採用されず、芽衣の案が採用されたのかを考える
すずは衣装や踊りを考える力も表現し伝える力も、そのセンスも努力するモチベーションも持ち合わせている
であるのに芽衣に両方の案で敗北(敗北という言い方は正しくないが、成宮すずはそう捉えているためここではその語を用いる)してしまったのかと言えば芽衣に両方のセンスがあったというのも当然間違いではないが
そもそも、すずが自分たちの目指すステージ(衣装やパフォーマンスなどの全てを踏襲した意味でのステージ)を見誤っていたからに他ならない
元よりすずと芽衣の認識がずれていた、というのは迷走ピリオドの中で実際にすずより言及されている
そして両方とも芽衣の案が採用されていることから、二人の思い描いていたそれぞれのステージで、より二人に合ったものを考えることができていたのは芽衣ということだ
さて
成宮すずが長瀬麻奈に向けている憧れは『誰かの背中を押せる存在』への憧れであるが
成宮すずが一ノ瀬怜と早坂芽衣に向けているのはまた別の憧れという話から迷走ピリオド 涼やかな青春の話を始めたのに
すずが芽衣と対等でいたい、という別テーマの話に逸れてしまっていたが
ここでようやく、すずが怜と芽衣に抱く憧れ、の話をしよう
というのも、その憧れとは単純だ
成宮すずは
『自分よりもダンスが上手くて、カッコいいパフォーマンスをする存在』である一ノ瀬怜と早坂芽衣に憧れているのである
『背中を押してくれる』という自分への干渉ではない
ただただ純粋に、自分より優れているその二人に憧れているのだ
成宮すずは早坂芽衣のパフォーマンス技術が自分よりも高いことを認めている
これは青春ピリオドの中で直接的なことを成宮すずが発言している
そして成宮すずは、あの日見たMACARON DONUTSのパフォーマンスを強く記憶に残して、憧れ続けている
そのため、自分と芽衣のデュエットでMACARON DONUTSの再現を試みた、試みてしまったのだ
これに関しては芽衣が
以下のように発言している
そう言うということはつまり、早坂芽衣はしっかりと
『自分とすずのデュエットにふさわしい目指すべきステージとは何か』を考えていたということだ
これこそ成宮すずの案よりも早坂芽衣の案が採用された理由である
結局その後のストーリーは
すれ違いを起こしている中で芽衣が麻奈とのやりとりを思い出しすずに突撃
互いに本音をぶつけ合って、以降は二人で思ったことを何でも言い合って楽曲づくりに励んて行く展開となっている
歌詞の話をしている時にすずが「ジェラシー」という単語を入れたい、と言ったのは触れておかねばならない
成宮すずは、自身が芽衣に抱いているその感情について自覚しているのだ
それはダンスの技術、アイデア、視野の広さetc
芽衣の様々な要素に対する嫉妬
けれどもその嫉妬の心を自覚し、その思いが強いあまりに芽衣を傷つけてしまった時には直ぐに自らの非を認め、自責する
成宮すずはわがままという印象が強いが、けれども反省し謝ることができるほどに真摯な少女なのだ
では本章の総括に入る
成宮すずは、アイドルを志す理由になった
『長瀬麻奈/誰かの背中を押せる存在』に抱く「尊敬、崇拝」という憧れのほかに
早坂芽衣と一ノ瀬怜に出会い、また別の
『同じアイドルとして、自分より格上の存在』に抱く「尊敬、嫉妬、対抗心」という憧れも芽生えた
それは、すずが実際に「見る側」ではなく「立つ側」に立ったことも影響しているだろうし
長瀬麻奈は遠く雲の上の存在なのに対し、芽衣と怜は普段から仲良くしていて特に芽衣は自分と同列だと思っていたから、思っていたからこそ生まれた
近くにいるけど一歩及ばない存在というそもそもの位置関係の違いも影響しているのだろう
成宮すずは弱い
けれど、中学生ながらに自分の弱さを認めることができ
そしてぶつかり合った上で
しっかりと早坂芽衣の横に立つ相棒としてわんにゃんTwinsの半分を担うことができた
始まりをくれた憧れの存在とはまた別の、憧れの存在に出会い
成宮すずの目指すものに
『誰かの背中を押せる存在』の他に
『もっと成長した自分』も加わった
そう、今の成宮すずはただ『誰かの背中を押せる存在』になるだけでは満足しない
『もっと成長した自分』になりたい
すなわち『もっと強くなりたい』のである
それは、自分よりも技術や精神面で優れ
一ノ瀬怜や早坂芽衣に憧れたからだ
しかし
成宮すずが『もっと強くなりたい』と思うのは、憧憬だけが要因ではないのだ
なぜ、成宮すずは強くなろうとするのか?
それは、彼女がとても大切で守りたい”居場所"に出会えたからに他ならない
月ストから読む 少女のPRIDEと一念
『私』から『私たち』へ
月ストメンバーの成宮すず
前章では、成宮すずが属するコミュニティを二つ上げ
そのうちの一つ、れいめいすずから彼女の憧憬についての話をした
本章ではもう一つのコミュニティである月ストから
成宮すずがその胸に抱く思いについて考察していく
「私が月のテンペストのセンター 成宮すずですわ!」
これはすずの初期恒常 パワフルガールに登場するセリフである
さて、身もふたもないことを言うが
この発言は嘘だ
成宮すずは月のテンペストのセンターではない
成宮すずは月のテンペストのイチメンバーでしかなく、センターは他にいる
ではなぜ成宮すずは自分がセンターだ、と言ったのか
これは単純な話で
成宮すずはセンターになりたい
→成宮すずは目立ちたいのである
その理由は一章で語った通り
成宮すずにとって
”目立つことは常”であったから
また、成宮すずにとって憧れの存在とは長瀬麻奈であり
長瀬麻奈はとても目立っていた、長瀬麻奈はソロアイドルであったことから
自分も長瀬麻奈を可能な限り模倣しようと、センターに立ちたがったのである
蛇足だが、成宮すずが憧れた長瀬麻奈の要素とは
目立っているという要素にあるのではない、ということは、再三言っていることだが繰り返しておく
成宮すずが憧れた長瀬麻奈の要素とは自分の背中を押してくれた存在というところであり
すずが目指すのはあくまで誰かの背中を押せる存在だ
しかし、要素など関係なく、とにかくがむしゃらに
憧れの人に近づこうとするのは、特に彼女がまだ中学生なことも鑑みれば、至極当然なことで
結果成宮すずは、目立ちたい、センターに立ちたいと考えているのである
こうして文章にしてみるとなんとも一人よがりなものだが
その一念さこそが成宮すずの魅力であり武器と言って間違いない部分だろう
さて、そのように一人よがりに
言ってしまえば他のメンバーにも迷惑をかけるような言動(実際にかけているかどうかではなく可能性の話)を見せている成宮すずだが
彼女は月ストの他のメンバー、または月ストのことがどうでもよく
とにかく自分だけがセンターになり目立てればいいと考えているかと言えば、それもまた違った話である
二章で触れたが、成宮すずはメイドのいるような裕福な家庭でずっと過ごしてきた後、急に自分が最年少の空間で年上たちと共同生活を送ることになった
そこに不安が無かったとは考えにくく
すずを支えたのは彼女と対等に関わりをもった早坂芽衣だが
当然それだけではなく
月のテンペストというグループは、結成から時間が立つにつれてどんどんと
成宮すずにとって心を許せる居場所となり、彼女を支えたことだろう
平たく言えば
成宮すずは月ストのことが好きなのだ
正確に言えば、最初から嫌いではなかったが月ストという居場所は彼女にとって日に日に大事なものに、大好きなものになっていった
その好きという感情は、成宮すずの様々な言動から読み取ることができる
例えば、一章でも少し触れたが
アニメ8話 「君は君のままでいい」で
さくらの登場によりトップアイドルを目指す理由が分からず、自信を無くす琴乃に対して以下の発言をしている
長瀬琴乃とは、月のテンペストのセンターである
つまり次期センターを狙う成宮すずにとって、琴乃はライバルであり
倒すべき相手、越えるべき相手だ
そう考えると、成宮すずは琴乃を助けず越えていくのが”正しい”選択なのかもしれない
しかし
この時の成宮すずは月のテンペストのセンターになるということと同じか、それ以上に強い感情で
月のテンペストを、何より長瀬琴乃のことを好いていたのだ
成宮すずは、この五人が好きで
自分がセンターになることよりも何よりも
ただ、この五人で月のテンペストとしてパフォーマンスする事を望んでいるのだろう
成宮すずにとっての”正しさ”は、もう月ストのセンターを目指すことではない
月のテンペストのみんなで、これから先アイドルの頂点を目指し上り詰めていくことなのだろう
成宮すずには憧れている存在が二つある
『誰かの背中を押せる存在』
『自分よりパフォーマンスの卓越した格上の存在』
成宮すずはそれを目指していた
「私」がそうなるのだと、一念に思っていた
けれど彼女が月ストのことをもっともっと好きになって行くにつれて
自分がそうなるという目標は
月ストをそうするという目標に変わっていったのではないだろうか?
「私たち」がそうなるのだ、という夢に変わっていったのではないだろうか
すずちゃんは一人よがりなのではなく
月ストのみんなでアイドルの頂点へ
自分が憧れた存在になろうと、奮闘するようになったのでした
めでたしめでたし
と、終わることができれば楽だったのだが
成宮すずにはこの後に、大きな大きな試練が控えていた
月ストセンターの成宮すず
成宮すずに訪れたその試練こそが
最年少で一人よがりに見えていた幼い少女の中に秘められた
『PRIDE』と『一念』を顕現させたのである
もはや語るまでもないことだろうが
その試練とは長瀬琴乃の脱退だ
負けが続いたこと、月ストにいたままではみんなに甘えてしまうこと
そこには様々な理由があるが、今回は触れないでおく
長瀬琴乃の脱退を受けて、月のテンペストは解散するか、4人で活動を続けるかの選択を迫られる
混乱に陥る中でも4人は話し合い、活動を続けることを選んだ
そして
成宮すずは、自分がセンターになることを自ら志願したのだ
さて、そこに
「ようやくなりたかったセンターにようやくなれた」
という喜びがあっただろうか
「これで自分が一番目立つことができる」
という喜びがあっただろうか
答えはNOだろう
正確に言えば、そのような思いがなかったとも言い切れないが
それが主の感情では絶対になかったはずだ
成宮すずが自らセンターになることを志願したのは、直接的には自分のためではない
それは他でもない、月のテンペストのためだ
BIG4編1章32話では
「私がセンターを務め、四人の月ストを誰も文句が言えないほど素晴らしいグループにする」と他3人の前で高らかに宣言している
さらに、この時成宮すずは
月ストだけでなく、批判的な意見を向けられている琴乃のことすらも守り、反発的な意見をする者に対してその真摯さを証明しようとすらしている
さて、センターになるということで
長瀬琴乃が月ストにおいて担っていた役割を成宮すずはこれから担っていくわけだが
その役割は具体的には
① 月のテンペストメンバーの精神的支柱
② 世間に向けた新たな月のテンペストとしてのイメージ
の二つが考えられる
まず前者
月のテンペストメンバーの精神的支柱
これはBIG4編1章33話に、成宮すずがまさにそう機能している
といっても、彼女の精神的支柱のなり方は、いわゆる心の支え方→例えば川咲さくらのような周りの様子を見て声をかける、というようなやり方ではなく
すず自身が一生懸命に頑張ることで、周りもそれに応えようとするという、ある意味で長瀬琴乃に近い体系を取る
もっとも長瀬琴乃はその執念じみた推進力が主体なのに対して、すずの場合は頑張っている姿を応援したくなる、という琴乃とは違った方法で、周囲に「一緒に頑張りたい」と思わせるわけだが
最年少らしい、成宮すずらしいと言えばらしくあり、彼女にあるセンターとしての素質がうかがえる
何よりも
成宮すずがなりたいのは
成宮すずがなろうとしたアイドルは
誰かの背中を押せる存在である
数多のファンはもちろん
すぐ隣にいる月のテンペストの大切な仲間の背中を押すことが
成宮すずにとっては何よりも大切なことで
意識的にか無意識でかはわからないが
彼女はそのような存在になろうとしているのだ
次に後者
世間に向けた新たな月のテンペストとしてのイメージ
についてはBIG4編でも詳細には語られていないため、以下はかなり嘘レベルが高い話になることを留意してもらいたい
長瀬琴乃が脱退して尚活動を続ける月のテンペストに対して、メディアや世間が懐疑的、批判的な意見を月ストに持つ、もしくは向けるのは想像に難くなく、成宮すずもそうなることを予期していたということは、先に余談として語った通りである
そうなった時に重要になるのは印象と能力だ
月ストは真摯にアイドル活動をしていくという印象を与え、そしてそのためにはプロのアイドルとして今までと遜色ないパフォーマンスを魅せる必要がある
すなわち、成宮すずは
センターとして新たな月ストの顔になり、またパフォーマンスを担うものになる必要があるのだ
さて、前センターを見てみよう
琴乃は
長瀬麻奈の妹がセンター という、本人や月ストメンバーがそれを良しとしているかは置いておくとしても
明確でわかりやすい印象と
デビュー前から星見プロ内で
怜に勝るとも劣らないパフォーマンススキルを持っていた
そんな長瀬琴乃に代わる存在に成宮すずはなる必要があるのだ
正確に言えば、なる必要があるかどうかは定かではないが
成宮すず自身はそのような存在に自分がならなければならないと考えているはずだ
さて、これは当然嘘なのだが
成宮すずは、自分が二代目星降る奇跡ではないことに気が付いている
自分が長瀬麻奈に並ぶような才能がないことに、気が付いているように思える
それが、しっかりと本人が自覚していることなのか
はたまた本人はあくまでその事実から目を背けていながらも
無意識では理解しているのかまでは分からないが
しかし、成宮すずは自分が星降る奇跡ではないことに気が付いているだろう
であれば成宮すずの現状の望みは何か?
それは力ではないだろうか
急に少年漫画っぽくなってしまったが、まさに成宮すずが今望むのはそれだ
月のテンペストのパフォーマンスを引っ張っていくだけの力
月のテンペストを世間に認めさせる力
それは技術でありカリスマ性でもある
アイプラ語に置き換えるなら『輝き』と言ってもいい
従来の月ストで最も力を望んでいたのは長瀬琴乃だった
長瀬琴乃は常に現状に焦りを感じ、今のままじゃ足りないと昇華した自分を望んでいた
対して、伊吹渚及び長瀬琴乃を除く月ストメンバーは
焦り成長を渇望する長瀬琴乃に対して、自分の立ち位置を認めるように仕向けてきた
また、再三話題にあげているが
グランプリに出場する意味が解らなくなった琴乃にすずはこのような言葉をかけている
そのように、琴乃に現状を認めさせるよう立ち回っていた
伊吹渚及び長瀬琴乃を望む月ストメンバーなわけだが
長瀬琴乃を失ったことによって、彼女たちの行動目的に変化が生まれた
彼女たちは強く力を望んだのである
それは各々が抱える思いだが
長瀬琴乃の代わりにセンターとなった成宮すずは殊更、力を渇望している
のだろう
恋と花火という楽曲がある
想い人と花火大会に来た主人公が、すぐ隣にいる君に想いを伝えられずにいる様子を描いた楽曲だ
歌詞の通りに受け取れば少女の夏の恋模様を描写しており
文脈がしっかりと読み取れる月下儚美やDaytime Moonなどに比べて
長瀬琴乃、月のテンペストを対象にしている楽曲とは解釈しずらい
しかし、その主人公というのが
月ストメンバー自身で、恋している対象を
月のテンペストだとするならば
今回で言うと、主人公を成宮すずだとするならば
恋と花火という曲は、突如として強い文脈を得る
綺麗とは魅力、カリスマ性のことだと考える
世間から懐疑的、批判的に見られるであろう
月のテンペストのセンターにふさわしい、ものを言わせぬ魅力、カリスマ性を欲している
私になる、とは
成宮すずが長瀬琴乃よりも劣っている、自分は星降る奇跡ではないと自覚しているが故の言葉だと思われる
近い意味として最愛よ君に届けのこの歌詞が挙げられる
これは、成宮すずが自身に対して放った戒めと覚悟の言葉だと思われる
成宮すずの欲している力は
月のテンペストのパフォーマンスを引っ張っていくだけの力
月のテンペストを世間に認めさせる力
の二つだという話を先よりもしてるが
成宮すずが欲する力はもう一つあると考える
それが
月のテンペストのセンターとして立ち続ける精神力だ
繰り返すが
成宮すずは長瀬琴乃よりも劣っている、自分は星降る奇跡ではないと自覚している
今の立場が、自分には荷が重いこと仕事であるということにもだ
それでも成宮すずは強く精神を保ち、戦い続けようとしている
私になるとは、成宮すずが自己を客観的に見つめた上で、自分の弱さに苦しみながらも、月ストのセンターに気丈に立ち続けようとする覚悟を表しているのではないだろうか?
もしくは、その覚悟を持った私になりたい、という望みなのではないだろうか?
また、恋と花火には次のような歌詞もある
ここでいう輝きもまた力を表しているのだろう
例え一瞬でもいいから、長瀬琴乃に代わって、しっかりと自分の責務を果たせるような
長瀬琴乃に代わって月のテンペストを照らせるような
そんな輝きが欲しいと、成宮すずは渇望しているのである
さて、前章で
『成宮すずが憧憬を向ける対象は
長瀬麻奈/誰かの背中を押せる存在
早坂芽衣、一ノ瀬怜/自分よりパフォーマンスの卓越した格上の存在
の他にもいる可能性はあり、次章にて詳しく語る』
としていたが、ここまでお読み頂いたみなさんには、もうその答えはわかっているだろう
成宮すずは、自分たちのリーダーとして、未熟ながらも月のテンペストのセンターに立ち続けた
長瀬琴乃にも憧憬を抱いているのではないか?
これは成宮すずではなく白石沙季のパートだが
この曲が琴乃脱退後の月ストの曲とするならばセンターは成宮すずであり
すなわち、この曲全体を成宮すずの思いとして解釈できるということになる
成宮すずは長瀬琴乃に憧れて、自分は長瀬琴乃の代わりには役不足だけれど
それでも自分で決めたことだから
甘えてちゃダメだから、戦い続けるのではないだろうか?
苦しみながらも、力を渇望し、強い意志をもって立ち続ける
センターに立ったからこそ
成宮すずの『PRIDE』と『一念』は顕著に表れたといえよう
成宮すずは天才か?
記事のタイトルでありながら、今まで一度も触れてこなかった内容が、本記事最後の章のテーマである
筆者がなぜ、この問いを記事のメインに添えたのか
それは筆者にとっての成宮すずの第一印象が
「天才になりたい未熟者」だったからだ
裕福な家庭に生まれ、甘やかされて育った
自尊心の強く目立ちたがり屋な彼女は
単なる勘違いお嬢様なのだろう
そんな筆者の第一印象は、ストーリーが進むたびに覆されていった
彼女には才がある
絵画コンクールで金賞をとったり、テストで学年一位を取ったり
また彼女には初期からPRIDEがあった
それは傲慢というよりも責任という意味に近いPRIDEだ
彼女は、ただ威張ってわがままでいるだけのお嬢では決してない
成宮すずは、思った以上に未熟者ではなかったのだ
では彼女が天才か? というと、それもまた違うように思える
彼女は早坂芽衣よりも一ノ瀬怜よりも劣っている
長瀬麻奈のような、生まれながらの爆発力もない
到底、星降る奇跡と呼べるようなアイドルではないだろう
確かに成宮すずには才があるように感じる
しかしそれは天才と呼べるものではなく
あくまで成宮すずは秀才なのではないだろうか?
天才とは、例えば早坂芽衣のような存在を指すと、筆者は考える
彼女は人生を感覚で謳歌している
感覚で体を動かし、他者を圧倒するパフォーマンスを見せる
成宮すずはそうではない
努力して、それでも天才に力及ばず敗北をひどく悔しがる
成宮すずは、凡人なのだ
しかし
この世界には
努力型の天才、という言葉がある
自分に秀でた才能がなくとも
それでも努力を積み、真っすぐに前を向き
最年少でありながらも月のテンペストのためにと戦う
それほどの覚悟を、弱冠15歳で持つことができる
単純なるパフォーマンスや頭の回転などではない
ひた向きに本気でやりたいことに対して向かい続ける
能力よりも、その姿勢自体を評価するならば
その生まれ持った好きな物に対する”一念”を評価するならば
成宮すずは、天才と言って差し支えないのかもしれない
なのでこのようにまとめよう
成宮すずは
直接的に他者に影響できるような秀でた才能は持ちえない無い凡人だが
自己の中でくすぶり、凡人ながらに強くなろうとするその一念さを
その姿勢を持てることこそを才能とするならば
成宮すずは天才である
終わりに
ということで、ここまで超超長い嘘を吐いてきましたがいかがでしたでしょうか?
上記は全て噓でした
というか私にもどうなのかよくわかりません
最初にも言いましたが
もしかしたら言ってることの全てが公式設定と一致している
真なのかもしれません
その場合はこの記事は嘘という発言が嘘だったことになりますね
どっちにしろ私は嘘吐きということです
この記事では成宮すずを取り扱いました
筆者個人としては、彼女はおよそ15歳とは思えぬほど成熟したアイドルだと感じています
もちろんまだまだ未熟なところはありますが
これからの彼女がどのようにふるまっていくのか、どのように成長して行くのか、本当に楽しみで仕方ありません
残念ながら私と彼女とでは生きる次元が違うので、私が直接的に彼女にメッセージを伝えることができませんが
もし伝えることができたのだとしたら
「あなたが頑張る姿に背中を押された」と、伝えたいものです
長瀬麻奈は、その言葉をもって人々の背中を押しました
けれど成宮すずという少女のやり方は長瀬麻奈とは違って
故意に背中を押そうとするのではなく
憧れの存在に近づこうとやっきになっているうちに
本人すら自覚しないうちに、偶然に誰かの背中を押している、そういうものだと思います
まさに私がそうだったのですから
あなたはどうでしょうか
成宮すずのこと好きですか?
成宮すずに背中を押された経験はありますか?
もしあなたが成宮すずのオタクなら、共にこれからも彼女の成長を見守っていきましょう
そうではなく、あなたが成宮すずに詳しくないけれど、この長く難解な嘘を読んでくださったのなら
これからアイプラに触れる中で、ほんの少しでもいいので、成宮すずの成長と変化を気にかけて頂ければ幸いです
彼女はきっと、あなたの背中を押してくれる存在になります
なぜなら成宮すずは、あなたにとってそのような存在になりたいと
”一念”に望んでいるから
と、これも嘘かもしれないですけどね
それでは、長く長く続いたこの記事もおしまいになります
冒頭にも申し上げた通り、#1と名付けられたこの記事の#2が執筆されるのかはわかりません
これはどこまでも嘘にまみれた月スト学です
それでは、次の月スト学か、別の記事か
まあとにかく、またどこかでお会いしましょう
時に、どこまでも嘘つきな『月のテンペスト頭抱え部』部員
瑠璃(♂)
(本記事では文化の研究と発展に寄与することを目的とし、他社が著作権を有する著作物の一部を引用利用しています。
楽曲の歌詞は表記にある通りの楽曲より引用
見出し画像、記事内画像は全てゲーム IDOLY PRIDEより引用
権利は作詞者とProject IDOLY PRIDEに帰属します。
また、見出し画像は文化の研究と発展に直接関係はないため、著作権法上の引用利用の条件としては不十分ですが、株式会社QualiArts様の定める著作物利用ガイドラインに沿った正当な利用であると認識しております)