山手線沿線をぐるりと歩いた日
いつ頃だったかはもう忘れてしまったんだけれど、X(旧Twitter)のTLを眺めていて目に留まったのが歩いて山手線を一周するというチャレンジ?遊び?の存在だ。
普段から散歩をするのが好きなので、こういうスタンプラリーのような散歩も絶対に楽しい!と直感的に感じたと同時に、なんで今までこれを思いつかなかったのか悔しかった。
#山手線一周 で検索し直すと思いのほかこのチャレンジをやっている人が沢山いてやはり楽しそうだし、ゴールした後の達成感を感じてみたいと思いました。
チャレンジ結果
そして先日やっと、山手線一周 全30駅を歩いてきたのでまずは結果をご覧ください。
各データはスマートウォッチで測ったデータをStravaというアプリに連携して集計した結果です。
チャレンジする人によってルートがまちまちなので各々総距離に誤差がそれなりにあるんだけれども、どうやら1周概ね40km~50km程度で踏破できるようだ、ということも今回判った。
当日歩いたStravaのリザルトからGPXファイルをエクスポートし、GoogleMapのMyMaps機能を使ってインポートしたものがこちら。
出発前
それではさっそく当日の様子を時系列にしたので見ていきましょう。と、その前に自分で設定したルールや当日の持ち物をまとめました。
ルール
GoogleMapで前もってある程度のルートを頭に入れながら以下のマイルールを決めた。
ここで厳しすぎるルールを設定してしまうとそもそも散歩を楽しむという元々の趣旨からズレてしまうので、ルール設定の塩梅はとても重要。キツすぎても緩すぎても楽しくないのでほどほどに。
当日の装備
長距離のお散歩だからといって特別加えたものといえば、携行食とテーピングとサロンパスぐらいで、その他はいつも散歩するときの装備と全く一緒。今回バックパックの総重量は5kg前後だとおもいます。
チャレンジスタート
3月10日(日)の朝、起きたら天気も良いし前日のような強風も吹いてなさそうだったので一日中歩くにはもってこいのコンディションだと判断して、いそいそと身支度を始める。
天気:晴天 気温(最高/最低):13.6℃ / 0.5℃
数日前から右足の小指の爪が剥がれそうな雰囲気を醸し出していたので、歩いているうちに爪がパカパカしてこないようにテーピングでがちがちに固めてから玄関を出た。
いよいよ出発だ。
ちなみにチャレンジ当日2024年3月10日現在、山手線の駅数は最新の高輪ゲートウェイ駅を含め30駅。
スタート
1.秋葉原駅
出発地点の駅は前もってここしかない!という駅をチョイスしておいたので、最寄り駅から秋葉原駅までは電車で向かう。
秋葉原駅に降り立ち、午前8:28分
高らかにスタートを宣言していよいよ山手線全30駅を巡る散歩が幕を開けた。
神田駅に向かう途中、柳森神社で安全祈願をしました。
2.神田駅
秋葉原駅から神田駅までは道もわかりやすくあっという間に到着。日曜日の朝ということもあってか、まだ人通りもまばらで歩きやすい。幸先が良い。
3.東京駅
しばらく見ないうちに八重洲口の駅舎はもちろん、周囲の町並みもずいぶんと小ざっぱりしていた。
あと、まだ朝の9時過ぎにもかかわらず外国人観光客がめちゃくちゃ多かった。
4.有楽町駅
東京駅からの道は分かりやすいものの、線路を見失わないように右方向ばかり向いて歩いているので首が疲れる。
5.新橋駅
SL広場じゃない方のこの出口はゆりかもめに乗り換える時ぐらいしか使わない。
6.浜松町駅
浜松町駅は線路の内側に入らないと改札口が無かったのでマイルール適用。
改札の写真を撮ったあとはまた外周側に戻り、旧芝離宮恩賜庭園をぐるっと迂回して田町駅を目指す。
7.田町駅
この田町駅から先、改札口が地階じゃない駅が多くなる。写真を撮るための登り降りが少し面倒くさい。
8.高輪ゲートウェイ駅
初めて訪れた高輪ゲートウェイ駅。駅舎の中は綺麗だけれど、改札口を出ると建設途中の区画ばかりで何もない。
9.品川駅
後述するが、田町駅→高輪ゲートウェイ駅→品川駅の区間が初見殺しの難所だった。
10.大崎駅
大崎駅に着いたのが13時10分過ぎ。朝、秋葉原駅を出発したのが8時28分だったので、ここまで4時間半歩きっぱなし。まだまだ体力に余裕はあったけど、小指の爪の雲行きが怪しい。
11.五反田駅
ここまででようやく全工程の1/3を過ぎた。
12.目黒駅
この辺りまでくるともう渋谷が近づいてくる。
13.恵比寿駅
目黒駅→恵比寿駅間を歩いたのは今回が初めてだったかもしれない。
14.渋谷駅
恵比寿駅⇔渋谷駅間は普段もわりと良く歩く区間なので気が楽といえば楽だった。渋谷駅前の尋常じゃない込み具合を除けば。
人混みが苦手なので陸橋の上から素早く写真を撮って、さっさと渋谷から離脱。
15.原宿駅
渋谷駅からまた線路沿いに緩やかな坂を登っていく。左手にはNHK。そしてまもなく原宿の駅舎が目に入ってくる。原宿も相変わらず人でごった返していてそれだけでどっと疲れを感じる。
このまま線路沿いを歩いて代々木駅まで行きたいところだけれどそうも行かない。
外周を線路沿いに歩こうにも道が無いので、代々木公園の外周をぐるりと周って代々木駅に向かうことにした。
代々木公園の中を突っ切っても良かったんだけれど、今回は園内の道はナシということにして上図どおりの散歩コースをとった。
時間短縮したいなら迷わず代々木公園内を進んでショートカットした方が良い。山手線内周に進入しないというルールにも抵触しない。
16.代々木駅
代々木公園を迂回している途中お腹が空いてきたので、さっき渋谷駅のマークシティの下で配っていたZONEを飲むことにした。
ZONEを飲んで糖分を補給したら気持ち足取りも軽くなり、あっという間に代々木駅に到着。
17.新宿駅
代々木駅から新宿駅は本当に近い。さっさと写真に収めて駅前の雑踏から抜け出す。新宿も渋谷に負けず劣らず辟易するぐらいの人混みだった。
新宿駅前からそのまま真っすぐ歌舞伎町を突っ切って新大久保駅まで行きたい気持ちをぐっと我慢して山手線の外周を進む。
18.新大久保駅
学生の頃~20代ぐらいまでは結構新大久保や新宿で夜遊びしたり飲みに行ったりすることが多かった。
現在は職安通りから歌舞伎町方面のライブハウスに行くときに利用するぐらいの駅になってしまった。
19.高田馬場駅
高田馬場駅に着いた頃から日が落ち始めてきて、このペースだとゴールする頃は完全に日が暮れているなと覚悟を決めた。あと、日中はポカポカしていて上着を脱ぎたいぐらいだったのに、次第に風が冷たくなってきた。
20.目白駅
普段利用する機会がホントに無い駅で、車で山手通りへ抜ける時に目の前を通り過ぎるぐらい。
高田馬場や池袋の喧騒からは完全に切り離されていて、一本奥に入ると閑静な住宅街が広がっていてたぶんとても住みやすい街なんだろうなって思う。
21.池袋駅
夕方の西口は人でごった返しているし西口特有の多国籍感とともに異様な熱気すら感じる。
22.大塚駅
難所の池袋大橋区間を無事クリアして大塚に着いた頃には完全に日が暮れていた。
北口広場が綺麗に再整備されて久しいが、こんなにこざっぱりしちゃったんだね。
23.巣鴨駅
お昼すぎに代々木公園の脇を歩きながら飲んだZONE1缶と炭酸水しか口に入れていないのでお腹が空いてきた。
リュックに入れてあるカロリーメイトの廉価版みたいな携行食を歩きながらもそもそと立て続けに4本食べた。
散歩中は基本的にお店に入って食事をしたり、どこかに座って休憩を兼ねて食事をするということをほとんどしないので、こういうふうに大体歩きながら栄養補給をしていることが多い。
なぜなら歩みを止めてゆっくり食事をすることよりもペースを乱してしまうことの方が嫌だからだ。
24.駒込駅
巣鴨から線路沿いに一直線だったのであっという間に到着。
駒込駅から次の田端駅の区間が難所の1つで、疲れた脚に結構堪えた。
25.田端駅
ちょうど田端駅に差し掛かったところで今日のアクティビティ(歩数、距離、心拍数、GPS等)を記録しているスマートウォッチの充電が切れそうになっていることに気がついた。
仕方なくアトレの中で10分間だけ休憩がてらスマートウォッチを充電することにした。
26.西日暮里駅
田端駅のホームからこの西日暮里駅のホームが見えるぐらい区間距離が短いことは有名。歩きでももちろんあっという間に到着した。いよいよゴールが近づいてきていることを意識し始める。
27.日暮里駅
ゴールしたら何を食べようかずっと考えているんだけど、ビールと塩分強めのモノをなら何でもいいやという気持ちになっている。ラーメンとか。
28.鶯谷駅
鶯谷駅の改札口を写真に収めるのが30駅の中でなんか一番気を使う。
29.上野駅
この上野駅の駅舎の感じがレトロで好き。夜散歩していて上野駅の前を通りかかるといつもこのポイントで写真を撮っている気がする。
30.御徒町駅
遂に最後の駅 御徒町駅に到着した。南口駅前広場周囲が小綺麗になって、この改札口もいつの間にかオシャレな感じになっている。
御徒町駅から次の秋葉原駅までの区間を歩かないと完走じゃないのでは?というのは、途中から気付いていたので気持ちを切らさずにそのまま秋葉原駅まで歩くことにした。
ゴール
秋葉原駅にて、午後9:25分ゴール。
朝出発した秋葉原駅に無事帰ってくることができました。30駅のなかで一番好きな街で子供の頃から行き慣れた秋葉原をスタートとゴールに設定していて良かった。自宅最寄り駅に戻ってきた以上に秋葉原駅前に到着してホッとしました。
歩き終えて
今まで一日でこんなに歩いたことが無かったんだけれど、朝からずっとX(旧Twitter)の投稿を見てくれていた人たちがいてとても心強い中でのチャレンジでした。楽しかった!
そして道中、コンビニや休憩ポイントもいくらでもあるし、もし怪我で歩けなくなってもすぐに山手線に飛び乗ればリタイアできてしまうというのも安心してチャレンジができる重要な要素。
バックパックを背負っていたので長時間歩いていると肩が先に悲鳴をあげるんじゃないかっていう心配があったんだけど肩は案外平気でした。右足小指の剥がれそうになっていた爪もテーピングのお陰でちゃんとくっついたままだった。
楽しかったポイントは各駅それぞれの街の雰囲気が直に見て取れたのと、山手線外周の地形を歩きながら感じられたところ。
今回歩いていて特に印象に残っている街は、今まさに誕生しつつある高輪ゲートウェイ周囲の重層的でダイバーシティな雰囲気とは対象的に、芝浦運河周辺の昭和ノスタルジーが残る時間の止まったような町並みだ。
この対象的な2つの街が背中合わせに共存しているそのコントラストがたまらなく好きだ。東京にはこうした最先端とノスタルジーが背中合わせに混在し、共存しているところがエアポケットの様にまだ辛うじて点在している。
そうしたパッチワークの様な街を自分の脚で行ったり来たりしているうちに、まるで千と千尋の神隠しのようなパラレルワールドに迷い込まないかなって、いつも心の何処かでそう願いながら散歩をしているのかもしれない。
あと、日中歩くのも気持ちよくて良いんだけれど、やっぱり真夜中の静かな東京を黙々と歩く方が僕の生き様に似合っていて好きだ。
難所だった区間
田町駅→高輪ゲートウェイ駅区間
初見殺しの運河。
田町駅の南口を出て道なりに高輪ゲートウェイ駅方面へ歩みを進めると、左手に小さな運河が見えてくる。そこを更に進んでいくのだけれど、団地の先が行き止まりになっていて結局引き返す羽目になった。
歩いていると橋が掛かっていそうな雰囲気があるけれど掛かっていない。
これがその運河を藻塩橋の上(北側)から南側を移している写真。
この先が行き止まりって分かっていれば難なくクリアできる場所だし、例え引き換えしても大した距離っていうわけでもない。
高輪ゲートウェイ駅→品川区駅間
外周に改札口が存在しない高輪ゲートウェイ駅。
前述の芝浦運河をクリアしても難所が続く。
芝浦水再生センターに併設されている芝浦中央公園と線路に挟まれた道を進んで行くといつの間にか高輪ゲートウェイ駅を通り越して品川駅の港南口にたどり着いてしまった。
事前に確認していなかったのだが、どうやら高輪ゲートウェイ駅には外周側に改札口が存在しない。
結局品川駅のディストピア感満載のコンコースを通り抜けて第一京浜に出て高輪ゲートウェイ駅の改札を目指すことになった。
芝浦運河を抜けて行くコースを取るなら今回通ったルートが最適解な気がする・・・。
しかしながら、上図のとおり高輪ゲートウェイ駅周辺の完成予想図を見る限り駅に併設される4街区南棟の下から芝浦中央公園方面に歩行者専用道が整備されるようなので、将来的にはもう少しアクセスが良くなりそう。
品川駅→大崎駅区間
この区間は上述の2つとは少し違い難所ではないんだけれど、ルートをしっかり作れば大幅に時間短縮になりそうな区間。
今回は主に旧東海道を通って結構な大回りで大崎駅に向かっているのが分かる。
分かりやすい道だけを通るにしても、赤矢印のように第一京浜から山手通りへ抜けて横須賀線の線路沿いを進んで抜けていくルートが最適な気がする。
池袋駅→大塚駅間
ここも後で地図をちゃんと確認したら大幅にショートカット出来そうだった。
事前に下調べをしていてGoogleMapを見た限りだと、池袋駅北口を出発して池袋大橋を渡ってしまうと山手線の内周に侵入してしまうとばかり思い込んでいたので、ホテル街を北に抜けて川越街道に出て大回りするというルートで歩いた(上図の青色ルート)。
よくよく調べてみたらどうやら上図の赤色のルートで、池袋大橋の途中から下に降りて山手線の線路と健康プラザとしまのあいだを歩いて抜けれるらしいということが判った。
このルートを使えれば大幅に時間短縮が可能だ。
駒込駅→田端駅間
武蔵野台地の際(きわ)と広大な車両基地に行く手を阻まれる。最後の難所。
気持ちとしては赤矢印のようなルートを取りたいのだが、(山手線内周には入れないルールなので)どう調べても道が存在しない。
内周に進入してもいいなら田端駅前のアスカタワー脇に出る街道を真っ直ぐ進むだけでいいのに…ぐぬぬとなる。
仕方なく台地の際を京浜東北線の上中里駅方面まで北上して、尾久の車両基地と田端の車両基地に挟まれた道を通って迂回するルートを取らざるを得なかった。
結構な時間的ロスだし、全行程の終盤に差し掛かっていて疲れもあり気持ち的にも踏ん張りどころだった。この道はもうこれ以上ショートカット出来る道が無さそうなので諦めて覚悟を決めるしかない区間だ。
以上が難所ポイントの考察でした。
最後までお読み頂きありがとうございました。
普段はアイドルのライブレポートとかを記事にしているのですが、そのなかで『ライブの後に僕が歩く理由』という記事を書いたことがあります。
ライブを観た後に電車に乗らずに徒歩で家に帰ることが多く、何でそんなことしているの?ということについて自分なりに考察した記事です。
”歩く”という点では今回の記事と共通するものがあると思ったし、僕が”どうして歩きたくなるのか”という問いに一定の解を見出した記事でもあるのでもしよろしければ。
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