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個人的ゲームオブザイヤー2024

はじめまして。キクヤと申します。
ゲームとタコスが好きです。
一年中ほぼゲームしかしてないので、2024年にプレイしたゲームで特に気にいったゲームの感想を残しておこうと思います。
ゲームオブザイヤーと言ってはいますが、特に順位とかはつけてません。
また、核心に触れるようなネタバレはありませんが、プレイ予定のゲームがあり、なんの情報も入れたくない方は目次を載せておくのでご確認ください。


Void Stranger

神神神!!!
いわゆる倉庫番的パズルを解きながら、深淵へ潜っていくインディーゲームで昨年後半あたりでインディー好きな人達の中で話題になっていた。
気になってレビューをチラッと覗いてみたときに「おすすめ 総プレイ時間 70時間」みたいなレビューが並んでいて、「え?こんな感じのゲーム性で何十時間もやるの??」と怖くなった。steamのレビューはこんなんばっかりで本当にこわい。
パズルゲームなのは間違いないんだけれども、ただパズルを解いていてもいずれ限界が来る。
限界を迎えたときに、ゲーム内で意味深に配置されているあらゆるものに注目して「もしかしたら…」と恐る恐る実行してみると、それが正解で一気に視界が広がり気づきを得たときのだっときの興奮は何にも代えがたい体験だった。

ただ、本当に難しく、じっくりと向き合いテキストを読み解き考察し実践する必要があるので、挫折する可能性が大いにある。
(このゲームをプレイして初めてsteamにはメモ帳があることを知った)
何を目的にしているのか、難しすぎるこのパズルを解く意味は本当にあるのか、そもそもこのパズルを解いていればいつか解放されるのか?など漠然とした不安を抱えながらうんうんと頭を捻り、地獄の時間を過ごすこともまた、このゲームの魅力の一つではある。
とはいえ、本当に限界が来たらsteamコミュニティのガイドは見てもいいかもしれないし、実際に私は見た…。
攻略サイトなどでカンニングすることは全く推奨しないが、濃度100%の地獄をこれからやる人全員に体験しろとは言えないので、積んだらヒントくらいは見ても良いと思う。私が許すよ。
そしてこのゲームがただの良ゲーで終わらないのは、ストーリーがとても良くできて引き込まれるという点だ。
要所要所でストーリーが様々に展開されるので、グイグイと引き込まれていく。
こういったゲームはひたすらパズルを解くだけだと、進めば進むほど動機が薄くなって挫折しがちなので、モチベが最後まで続く要因になってうれしかった。
全体的に画面でやっていることはすこぶる地味だし、進んでも進んでも風景は基本変わらないが、全体的に地味なゲーム画面と暗いメインストーリーに対して、キャラクターや演出などがポップでかわいらしいのもこのゲームをより魅力的にしている要因だと思う。

このようなプレイ画面が延々続く

かなりハードでプレイヤーをふるいにかけてくるゲームだが、こういうとこで何とかプレイヤーを繋ぎ止めてくれようとしてくれる気遣いがうれしい。
TUNICをクリアした時も思ったことだが、プレイヤーを信じて最後クリアまで到達した時の制作者からの「私も君も頑張ったよな!ありがとう!!」みたいな謎の一体感を感じられるのが激ムズパズルゲーの好きな所かも。
ともあれ忍耐力を必要とするゲームで好き嫌いはぜったい別れるゲームなのだが、適応できたプレイヤーに対しては感動的な体験が待っていることだけは約束する。


ペルソナ3リロード

ありがとう、ペルソナチーム…
今のペルソナシリーズの方向性を決定づけた3のリメイク作品。
ペルソナ3自体はペルソナ3ポータブル(PSPで出たリメイク)をプレイしており、当時としては珍しかった作品の雰囲気やボーカル付きの戦闘曲、そして何よりアイギスというキャラクターにひどく”喰らった”のもあり、2度目のしかもフルリメイクすると発表されたときは不安半分期待半分といったところだった。
ふたを開けてみれば、見事に現代的にリロードされながら原作をブラッシュアップした素晴らしい作品になっていた。
原作の「ペルソナ3」は日常パートという当時にしては斬新でかなり新しいものを搭載していていたが、一方でRPG部分は決して良くできたものとは言えなかった。
精々ペルソナを召喚して戦うというのが特徴としてあるだけで、バトル形式はあの時代ですでに煮詰まっていたよくあるコマンドRPGだ。
そのようなバトル内容で、タルタロスという風景も大して変わらないし報酬も対してない、その割にただひたすらに長いダンジョンに潜ることを、ゲーム内カレンダーのひと月に一回強いられるというのが「ペルソナ3」だった。
しかし、「リロード」は続くペルソナ4・5とブラッシュアップされていったバトル形式を逆輸入で採用しており、特に弱点を突きダウンを取った後に取れる行動として新たに選択肢が増えたシフトの存在がかなりい大きい。
シフトは弱点を付き、そのご褒美として与えられる味方の行動権をそのまま別の味方に与えるというもので、これ自体は今でもよく見るものではあるのだが、相手の弱点を突き、味行動できるターンを増やすというペルソナシリーズ(およびアトラスRPG)においては相性が良く、今までの凡百のコマンドRPGに新しい風を吹かせていると感じた。

便利すぎて快適なシフト

新たな必殺技やパッシブなども戦略性に幅を持たせており、本編を1週クリアするくらいでは飽きも来なく最後までバトルを楽しめた。
そのバトルの楽しさにプラスして、ペルソナ3きっての問題児 タルタロスは従来よりは1フロアが短く駆け抜けるだけの階も増え、それでもぬぐえぬ若干のダルさを残しつつも従来よりは遊びやすくなった。
そして、ペルソナシリーズと言えば日常パートでこちらは文句なしにパワーアップしている。
良くできたモデリングで巌戸台の街や月光館学園を行き来するそれだけでも充分に魅力的であった。
個人的にこの街を歩くのがペルソナシリーズで一番好きな要素であり、今作で追加された最高の一曲「Color Your Night」をバックに夜のポロニアンモールをうろついている時間が、本作で一番ワクワクした時間だった。

特に「ペルソナ4ゴールデン」以降では当たり前になった夜時間のイベントが充実したのも大きく、仲間と触れ合う時間も増え、3の仲間はギスギスしていると言われがちな所にも多少メスが入ったように思う。
仲間とのコミュやイベントが増えたことや、モデリングが充実して細かいやり取りがわかりやすくなったことで、仲間たちの心情の移り変わりが理解しやすくなり、「死」という普遍的なテーマに向きあうこのゲームの結末もより良いものなっていたと思う。
総じて、ガキのころにプレイして大好きだったゲームがフルリメイクされて、かなり出来が良かった。ただ単にそれだけな事なのだが、それ故にとても幸せな時間だった。
(エピソードアイギスについてはまたいずれ…)


ghostpia シーズンワン

もう大好き。
もうすごく好きなゲーム。
大好きなのだが、このゲームに関してはうまく語れる自信がない。
死ぬこともない幽霊たちが住む町で過去に何かやらかしてぎくしゃくしてしまったらしい女3人組が、新たに街にやってきた不思議な女とどったんばったんしながら何とか前を向いていくノベルゲームのシーズン1。
このすべてが停滞しきった雰囲気がとても魅力的で、世界が停滞していれば、人間関係も停滞しきっているので序盤はとにかく気まずい。
その気まずさと、ポップなんだけど妙に心がザワザワする先行きの不穏さが、変な話だが妙に心地よい。
主人公の小夜子は、自分の理想とかけ離れた性質にウンザリしており、何とか直して今の停滞した現状を変えたいと思いつつも、結局自分ができることは自分の嫌いな性質を生かすことだけ。
こういう優しくありたいのに、性格や元来の性質でそれができないっていうキャラクターが個人的にはとても刺さった。
結構暗めのお話しなのだが、ギャグっぽい雰囲気もあり暗い気持ちになりすぎないバランスが素晴らしい。

パシフィカさん大好きです

かと言いつつ、幽霊だから死なないという設定をいいことにかなりバイオレンスなこともするし、なにかじっとりと嫌な汗がにじむよう破滅に向かっている雰囲気を孕んでいる。
また、章ごとに差し込まれるOP・EDも短いながらかなりリッチで独特の雰囲気を作り出すのに一役買っている。
こういう細かい気遣いがあるだけで、エンジンがかかるまでイマイチのりきれないことも多いノベルゲームが途端に遊びやすくなる。
クリアしてみれば親しみやすい絵柄と不穏な雰囲気で織りなす、停滞しきった世界は、案外やさしく我々に寄り添ってくれる不思議な読後感を与えてくれた。
とはいえ、今作はシーズンワンということで不穏さものこしつつ物語も続くそうなので、今のうちにプレイして浸りつつ次回作に備えよう。
Swith版も発表された
余談だが、今作にインスピレーションを受けた曲が収録されている「Homecomings」の「see you, frail angel. sea adore you.」がリリースされており、それはもうハチャメチャに良いアルバムなのでもチェックしてほしい。


Inverted Angel

お、面白れぇ~!!!!
NEEDY GIRL OVERDOSE以降、精神的に不安定でいわゆる地雷系なビジュアルをした女の子と色々なことをするゲームってなんとなーく流行ってる気がする。
今作もそんな感じかなと思って手を出すと、急に哲学的で意味不明なことを言い出す得体の知れない女の子との頭脳戦が、インターホン越しで急に始まる。
アドベンチャーゲームだが選択肢はなく、こちらが単語やフレーズを入力し相手がそれに反応するかしないかで分岐して、お話が進んでいくというもの。
膨大なテキストの中から気になる、カギとなっているワードを探し出すというゲームデザインはノベルゲームと大変相性が良い。
バックログを遡り目に付いたワードを打ちこんでみて、違ったらまたバックログを確認しに戻るという作業は、こう文字に起こしてみると味気ないかもしれないが、実際にやってみるとお話しへの理解度もあがるし案外面白い体験だった。

ひたすらに読み返すことになるバックログ画面

どうしてもわからなくてしらみ潰しに入力してみることもあるのだが…。
ストーリーは哲学的なテーマがふんだんに用いられており、良く分からない話になっていくこともしばしばあるが、それはそれで作中の主人公とリンクして没入感もあがるし良いかも…?(結構作中で出てくる実験とかをググってみたりした)
主なエンディング分岐は7つあり、最後にトゥルーエンドが待っているというオーソドックスなものなのだが、本作の面白いところはルートごとでインターホン越しの「彼女」の関係性や主人公の置かれている状況や性質などがガラッと変化するところにある。
そのため、選んだルートごとに全然違う味が広がり想像だにしなかった展開も多く、それぞれのルートに切り替わるときの「そういう方向に行くのか」という展開が叙述トリックの推理小説を読んでるみたいでかなり面白い。
お気に入りのエンディングは「Fool on the Sugar Board」 ルートで、このルートは展開が二転三転しながら「彼女」との頭脳戦がリアルタイムで繰り広げられ、最終的には頭脳戦デスゲーム漫画みたいなノリで結末まで向かうのがちょっと面白すぎました。
是非とも、可愛らしくて危険な香りのする足音のしない「彼女」との時間を過ごしてみてほしい。

10時間ちょっとでできるし、朝焼けもまだまだ来ないんだから。


以上です。
最後に今年のプレイ遍歴を残しておきますが、あんまりプレイ数は多くないですね。

GOTYのゲームが一本も入ってないってどうなってんだ!

一本ごとのプレイ時間が長いゲームばっかりだったから… という言い訳をしつつ、来年もたくさんゲームをしたいと思います。
ありがとうございました。

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