【第11回QCC勉強会】中小企業白書6年分の総ざらい~中小企業診断士の視点から~
皆さんこんにちは!
TAC中小企業診断士コミュニティ「QCC」です。
先日、「褒めちぎる診断士」として知られるサトシさんが、「中小企業白書」の6年間分をレビューする勉強会を開催しました!
サトシさんは自身が一級の「褒め達」の資格を持ち、一発合格道場、タキプロなどの受験生支援団体や、診断士関連冊子の執筆でも活動されています。
1.中小企業白書の重要性
今回の講義では、令和6年までの中小企業白書を6年分まとめて解説してくれました。みなさんは中小企業白書の内容を数年間分俯瞰して、のぞいたことはありますでしょうか?
戦略、人事、IT投資などのテーマごとに内容を横並びで見ていくことで、それぞれの年の中小企業の傾向や改善事例についての理解が深まり、実感が湧きやすくなります。中小企業白書の内容を知ることが診断士としての活動にどれだけ有利か、そしてクライアントの信頼を得るためにどれだけ重要か。
サトシさんは今回の講義を通して、具体的な事例を交えながら、中小企業の改善事例をたくさん知ることの大切さ、さらに、白書の内容と実際の事例がどう関係しているのかも詳しく説明してくれました。
講義後の意見交換の場では、「なるほど、これは本当に大事だな」という意見が多数出ていました。みなさんもぜひ中小企業白書に目を通して、実際の事例と照らし合わせてみてください。きっと診断士としての活動がさらに充実すること間違いなしです!
2.講義の内容
講義で取り上げられた中小企業診断士の科目ごとの内容について、シェアしたいと思います。
まず、企業戦略論についての説明がありました。経営理念やビジョン、そして戦略の重要性が強調されました。どんな企業でも、しっかりしたビジョンと戦略がないと前に進めないですもんね。
組織論の話題にも触れられ、ここでは、人事施策や組織文化、組織構造の重要性が強調されました。中小企業の現状や賃上げ、労働力不足などのトレンドに合わせて、毎年出題される内容が変わってくるんです。特に、診断士活動にとっては、組織論の復習と事例1の知識の復習が効果的だとのこと。これをしっかり押さえておけば、中小企業の改善に役立つこと間違いなしです。みなさんもぜひ、このポイントを押さえてみてくださいね。きっと自分の活動に役立つことでしょう。
経済学の復習の必要性についても触れられました。これにより、診断士は経済全体の動向を把握し、クライアントに対してより具体的で現実的なアドバイスを提供することが可能になります。特にGDP成長率や倒産件数などの指標をニュースで確認することが重要だとのことです!
生産性向上は、中小企業の持続可能な成長にとって重要な課題です。労働生産性の向上は、国全体の課題でもあり、これを達成するためには生産性の指標について理解し、具体的な改善策を講じることが求められます。売上高や有形固定資産などの指標を分解して理解し、労働分配率の向上を目指すことが重要です。
設備投資やIT投資も労働生産性向上のために重要です。設備投資やIT投資により、コスト削減や業務効率化が期待されます。特に、クラウドサービスの導入、デジタルマーケティングの活用、オンラインツールを用いたコミュニケーションの強化などが挙げられます。
企業のブランドや知財(知的財産)の重要性についても触れられ、これらを活用することで差別化を図り、企業の成長に繋げるべきだとしています。ブランドの構築や知財の保護が重要であり、それによって価格を上げ、売上高や利益を向上させることができると説明されています。
地域活性化と地域ブランドの向上についても強調されました。地域資源の魅力を活用し、地域の問題を解決し、雇用を確保することが目的です。名古屋の食文化や広島や横浜の野球チームが地域活性化に役立っている具体例が挙げられていました。
また、診断士としては、地域の商店街支援や事例の収集が重要であり、小規模企業が地域の雇用確保に貢献することが求められています。地方の衰退を防ぐために地域資源を活用することが国の本音であるとのことで、地域支援は診断士の重要な役割になりますね。
伴走支援は、企業が自己変革し潜在的な成長力を引き出すための支援。経営者が自ら課題を考え、実践するように導く提案型のコーチングを通じて行われ、従来の一方的なアドバイスや助言とは異なります。
診断士は対話を通じて経営者が気づくことを促し、フォローを行います。また、支援機関は相談員の確保や能力向上、支援機関同士の連携を図ることが求められます。診断士は自身の得意分野をアピールすることで、より多くの仕事を得ることができるとのことです。
国の主張として、労働力不足解消や賃上げ、女性、高齢者、外国人の就業促進が挙げられています。これに関連する補助金や税制が存在し、若い人材や後継者の確保、現場のスキル人材の育成も重要です。特に地域系の問題や求人のアピールが必要とされています。これらの内容は企業の成長支援にとって重要なポイントとなっています。
適切な資金調達と資金管理は、中小企業の持続的な成長にとって不可欠です。銀行融資、ベンチャーキャピタル、クラウドファンディングなど、多様な資金調達手段を活用することが求められます。また、キャッシュフローの把握と管理を徹底し、経営の健全性を維持することが重要です。
リスクマネジメントの重要性についても強調されていました。中小企業は、大企業と比べて経営資源が限られているため、リスクに対する対応力が弱い傾向にあります。
したがって、リスクを予測し、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、自然災害や経済変動に対する備え、情報セキュリティの強化、法令遵守の徹底などが挙げられます。これらのリスクマネジメントを実践することで、企業の安定性を高め、持続可能な成長を実現することができます。
3.まとめ
今回の勉強会を通じて、サトシさんは中小企業白書の内容を深く理解することの重要性を再確認させてくださいました。
白書から具体的な改善事例を知り、診断士としての知識を深め、実務に役立つ情報を更新し続けることは、クライアントに対してより具体的で効果的なアドバイスを提供するために不可欠です。
また、今回の講義では、経済データの理解や生産性向上、設備投資とIT投資の重要性、企業のブランド戦略、持続可能な経営、地域活性化と地域ブランドの向上、伴走支援の重要性、経営者のスキルアップ、ファイナンス戦略、リスクマネジメントなどの多岐にわたるテーマが取り上げられましたが、これらの知識を改めて身につけることで、中小企業診断士としての信頼性を高め、クライアントに安心感を与えることができると再確認させていただきました。
今回、白書のおさらいをしたことによって、診断士としての使命として中小企業の経営者と信頼関係を築き、彼らのビジョンや目標を共有し、共に成長することを再確認できたのではないでしょうか。
経営者が抱える課題を理解し、具体的な解決策を提示することで、企業の成長をサポートし、地域経済の活性化に貢献することが求められます。
第11回目となる勉強会も非常に盛り上がり、メンバーのみなさんも継続的な学習と実践を通じて、中小企業診断士としての役割を果たし、地域社会に貢献していきたいという思いが強くなったと実感しています。
今後も引き続きQCCの活動を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。