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【国家資格】社労士×中小企業診断士のダブルライセンスで広がる可能性/#中小企業診断士#社会保険労務士#ダブルライセンス#独立診断士#女性診断士#TAC

こんにちは。QCC広報班の横井です。
前回の自己紹介記事にも書いた通り、私はダブルライセンスを持ち、現在は個人事業主として活動しています。
今回は「社労士×中小企業診断士のダブルライセンス」について、2つの資格の相乗効果や活用方法についてお伝えします!

ダブルライセンスは単なる「資格の足し算」ではなく、実務において大きなメリットをもたらします。この記事では、主に次のような皆さんに向けて書いていきます。

  1. 片方(社労士or診断士)を持っていてもう一方を取るべきか迷っている方

  2. 両資格に興味があり、どちらを先に取るべきか悩んでいる方

この記事を通じて、資格の勉強や取得後の働き方のイメージが少しでも明確になれば嬉しいです。



社労士と診断士、それぞれの得意分野

まず、それぞれの資格の一般的な特徴を簡単に整理しましょう。

どちらの資格も企業支援に特化していますが、アプローチする領域が異なるため、ダブルライセンスを持つことで「労務」と「経営」の両面から企業を支援できるようになります。


ダブルライセンスのメリット

1. サービスの幅が広がる

ダブルライセンスを持つことで、例えば以下のような複合的なサービスが可能になります。

  • 労務管理と経営改善を一体で提案
    → 労務トラブルを未然に防ぐ仕組みを提案しつつ、業務効率化や生産性向上の経営戦略をサポート。

  • 補助金申請と助成金活用の組み合わせ
    → 診断士の知識で補助金申請をサポートし、社労士として助成金の活用を提案することで、クライアントの資金調達を多面的に支援。

2. クライアントとの信頼関係を深められる

経営者にとって、労務と経営は密接に関連しています。一人の専門家が両分野をカバーできることで、企業側からの信頼度が大きく向上します。また、「窓口が一つ」で済むというメリットをクライアントに提供できるので喜ばれることも多いです。

3. 柔軟なキャリア形成が可能

社労士業務と診断士業務は、それぞれ独立開業でも企業内キャリアでも活かせる資格です。ダブルライセンスを持つことで、どちらか一方の需要が少なくなった場合でも、もう一方の業務にシフトしやすいというメリットがあります。

4.士業仲間の人脈が広がる

社労士会や診断士協会といった組織を通じて、多くの専門家と出会い、頼もしい仲間や貴重な学びを得られます。また、両方の組織に属することで出会いの幅が広がり、自分が引き受けられない案件を他の専門性の高い先生に繋ぐことで、クライアントに最適な解決策を提供できる点も大きなメリットです。

5.資格自体が営業ツールになる

国家資格はただの肩書きに留まらず、信頼と差別化を生む営業ツールとして大いに活用できます。複数の資格を持つことで自分の「希少価値」が高まり、業界内での差別化が期待できます。

私自身の経験を申しますと、開業から5年間、公式HPやSNSアカウントを持っていないにもかかわらず、リアルでお会いした士業仲間の方から仕事のご紹介していただく機会があります。こうしたご縁はダブルライセンスの付加価値によるものだと感じています。

取得順序のポイントと学習法

1.勉強の難易度

社労士と診断士の難易度は同じくらいだと言われていますが、難しさの感じ方は人それぞれです。それぞれの試験には特徴があり、暗記系が苦手だと社労士試験は難しく感じるでしょうし、財務会計や情報といった分野になじみのない方は診断士試験に苦労するかもしれません

  • 社労士試験の出題範囲は、労基法や社会保険、労働保険関係の法律科目が計10科目、暗記中心で試験はマークシートのみです。
    合格科目の持越しはできないため、総合点不足や足切りで不合格になった場合、すべての科目を受験しなおす必要があります。

  • 診断士試験は、1次試験(マークシート)7科目、2次試験(記述)4科目で学習範囲は法律、経営、経済、財務会計、情報など多岐にわたります。
    社労士試験と違い、1次試験の科目合格制度があります。また、1次試験合格後、2次試験ではなく、養成課程に通って取得することも可能です。
    いろいろな合格パターンがあるので、試験制度をよく調べて戦略を立てるといいでしょう。

2.どちらから取得すべきか

試験勉強のモチベーションにつながりますので、興味のある資格、実務で役立つ資格から先に取るのがおすすめです。

  • 労務分野の経験が豊富なら社労士から
    社労士は、労働社会保険手続きや助成金の申請代行といった独占業務を持っており、他士業との差別化がしやすい資格です。実務経験が豊富であれば、資格取得後に登録・開業するハードルが比較的低く、収入につながりやすい資格といえます。

  • 経営やコンサルティングに興味があるなら診断士から
    企業内でのキャリアアップを目指している方、経営層の方、コンサル業界の方は診断士との相性がいいでしょう。また、診断士資格を持つことで補助金や経営支援業務が可能になり、収入の柱を増すことが期待できます。
    診断士試験は1次試験・2次試験の学習範囲が広く時間がかかるため、勉強は早めかつ計画的に取り組むのがおすすめです。

  • 余談ですが・・・
    私の周りの社労士×診断士の方は、先に社労士資格を取った人の方が圧倒的に多いです。
    これはあくまで私の感覚ではありますが、社労士試験に受かった人はマークシート試験に慣れていることや、他の受験生が苦手とする労基法などの労務管理の学習範囲の知識があるので、診断士の1次試験に合格しやすい傾向にあるのだと思います。

    一方、診断士合格後に社労士試験の勉強をする方からは、試験科目がすべて法律系で暗記が多いため、勉強のモチベーションが維持できずに断念したという話をよく聞きます。裏を返せば、診断士試験はいろんな分野を学べて面白い、ということなんだと思います。

3. ダブルライセンス取得のタイミング

資格取得のタイミングは、一方の資格を取得してから、実務経験を積みつつもう一方に挑戦するのが効率的だと思います。

私の場合は、管理栄養士として働きながら社労士の資格を1年で取得し、その後すぐに診断士の勉強を始めました。当初、診断士試験には1年で受かるだろうと思っていたので、社労士会への登録はしなかったのですが、結果的に合格まで3年かかってしまい、その間、社労士業務の実務経験を積んでスキルアップする機会がなく、せっかく受験勉強で身につけた知識がかなり抜けてしまい、とても後悔しました。
今思えば、「その他登録」でもいいので早めに登録して研修や交流会などに参加しておけばよかったと反省しています。


実際の働き方のイメージ

1.独立開業

独立開業は自分自身で自由に働き方を設定できることが魅力です。
クライアントのニーズや自分の適性に応じて、診断士をメインにコンサル業務を行ってもいいですし、社労士をメインに労務管理の顧問契約を結んで企業のサポートをすることもできます。
両方のシナジー効果を発揮して、クライアントの労務環境を整備しながら、経営課題についてもアドバイスを提供する「ワンストップサービス」を展開するのもいいでしょう。

2.企業内での活用

独立開業を目指すのではなく、社内の業務でダブルライセンスを活用する人も多くいます。
例えば、人事部や経営企画部に所属し、社内の労務管理の改善提案や、経営戦略の立案に貢献することができます。特に、成長企業やベンチャー企業では「労務もわかる経営コンサル」として重宝されるでしょう。

3.副業での活用

近年副業を認める会社が増えてきたこともあり、資格を通じて得た社外の人脈やスキルを活用し、副業をするケースが増えてきています。
こうした実務経験は、収入を増やすだけでなく、将来的に独立開業を目指す人にとって大きな学びを得られるでしょう。具体的には、以下のようなケースがあります。

  • 企業内で働く診断士が副業としてスポット案件の補助金申請書の作成補助の業務を受注する

  • 企業内社労士が社内の実務経験で培った労務管理スキルを活かして、手続き業務などの支援を行う
    ※但し、社労士業務(1号2号業務)を行う場合は、副業であっても開業登録を行う必要がありますので気を付けてください。


ダブルライセンスを目指す方へ

社労士と診断士のダブルライセンスは、学習の労力こそ必要ですが、その分大きな価値があります。これらの資格を組み合わせることで、単なる士業を超えた「企業のパートナー」としての役割が期待されます。

私自身、社労士としても診断士としても実務経験に乏しかったころは、提供できる価値が少なく、ダブルライセンスの相乗効果を感じられませんでした。それどころか、どちらも中途半端な気がして後ろめたい気持ちの方が勝っていました。

それでも、周りの人に助けてもらいながら少しずつ業務をこなし、出来ることが増えていくことで、自信がつき、独立して5年たった今ではこの資格に本当に助けられているな、取ってよかったなと実感しています。

資格取得に向けて迷っている方は、ぜひ長期的な視点でダブルライセンスについて検討してみてください。

あなたの選択が、これからのキャリアを豊かにする第一歩となりますように!

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