【第10回QCC勉強会】エフェクチュエーションの基礎と活用方法~実はみんなエフェクチュエーションの熟達者?~
皆さんこんにちは!
TAC中小企業診断士コミュニティ「QCC」です。
今月、第10回QCC勉強会を開催いたしました。
毎回様々な業界や分野について学び合う勉強会ですが、今回は初めて外部講師を招いての開催となりました!
今回講師をしてくださったのは梶村良一さんです。
梶村さんは中小企業診断士として、イベントや商店街の支援など地域活性化の支援を幅広く活動されています。
エフェクチュエーション普及の活動もされているということで、今回は
【エフェクチュエーションの基礎と活用方法~実はみんなエフェクチュエーションの熟達者?~】というテーマでお話ししてくださいました。
まずはじめに、皆さんは「エフェクチュエーション」という言葉をご存じでしょうか。
中小企業診断士1次試験の企業経営理論でも、過去にエフェクチュエーションに関する問題が出題されています。
「エフェクチュエーション」とは、
熟達した起業家に対する意思決定実験から発見された、高い不確実性に対して予測ではなくコントロールによって対処する思考様式
です。
・・・これだけを聞いてもあまりイメージが湧かない方が多いのではないでしょうか。
エフェクチュエーションはインド人の経営学者サラス・サラスバシー氏が提唱しました。
元々は学術的な志向が強くビジネスではあまり浸透していなかったようですが、起業家以外にも適用でき、そして学習可能な考え方であるということで近年、注目が高まっています。
講義では、まずエフェクチュエーションの5つの原則について学びました。
(1)「手中の鳥」の原則
(2)「許容可能な損失」の原則
(3)「クレイジーキルト」の原則
(4)「レモネード」の原則
(5)「飛行機の中のパイロット」の原則
梶村さんが各原則について具体例を挙げながら詳しく説明してくださり、私たちはそれぞれの原則を理解することができました。
また、エフェクチュエーションの対義語「コーゼーション」についても教えていただきました。コーゼーションは目的が決まっておりその目的を達成するためにプロセスを決定していく思考です。
中小企業診断士試験に向けて学ぶ、SWOT分析やポーターの競争優位の戦略、5フォース分析、アンゾフの成長マトリックスなどはコーゼーションの考え方に基づく分析手法となります。
私は今までそれらがコーゼーションの思考であることを意識しておりませんでしたが、考えてみると目的に向けての分析手法であることに気付かされました。
ワークの時間には自身の経験を振り返りながらエフェクチュエーションの事例について考え、周囲のメンバーと共有を行いました。
参加したQCCメンバーからは、
・今まで特に意識していなかったことが体系化されたような感覚ですっきりとした
・企業で働いていると目的を求められることが多いが、起業家目線での考え方も特に私たち診断士は知っておくべきであると感じた
・梶村さんの話し方や講義の進め方も勉強になった
といった感想がありました。
また、まどか先生は、
抽象的な概念を「中小企業診断士」という共通の肩書を持った人に対してわかりやすく話してくださった、実際にエフェクチュエーションの切り口で発想を整理し仕事に繋がっているケースも多い
とコメントされていました。
最後に、
●コーゼーションとエフェクチュエーションのどちらが正しいというわけではなく、うまく組み合わせて活用することが重要
●中小企業診断士は手中の鳥も多く、クレージーキルトが生まれやすい
●許容可能な損失を見極めてやって失敗はレモネードにする
と今後の生かし方について話をまとめていただきました。ご自身の経験を交えてお話ししてくださり、私たちの診断士活動においても適用できる考え方であるとわかりました。様々な活動をされている梶村さんからお話をお聞きすることで、自分たちはどのように診断士として活動していくか、改めて考える機会となりました。
今回の勉強会でエフェクチュエーションについて学んだことによって、今後プロジェクトを始めるまたは進める際に、「エフェクチュエーションの思考で検討できるのでは」と発想を広げられるようになったのではないでしょうか。
第10回目となるQCC勉強会も盛り上がり、充実した活動となりました!
今後も引き続きQCCの活動を発信していきますので、よろしくお願いいたします。