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延べ3,000人以上教えたTAC中小企業診断士講座 人気講師つだまどか先生の「合格する人」になるコツ10選~前編~

こんにちは、QCC広報班のもりしです。
この度、TAC中小企業診断士講座 人気講師つだまどか先生に、中小企業診断士試験の勉強について取材しました!教え子であるQCCメンバーがインタビューをするからこそ、聞ける貴重な話も登場するかも…?!
取材の雰囲気が少しでも伝わるように対話形式を取り入れつつ、「合格する人」になるコツ10選にまとめてお届けします。
前編となる今回は、コツ①~コツ⑤をご紹介します!


TAC中小企業診断士講座 人気講師まどか先生とは?

資格の学校TACで、中小企業診断士試験の受験指導に携わって15年目。特に2次対策が得意で、2024年現在11年目にして述べ3,000人以上の生徒を指導した実績がある。現在、TAC名古屋校で2次試験対策講座に加えて、1次試験対策では財務・会計と企業経営理論をご担当。講師業以外にも、美容業界専門の経営コンサルタントとして活動する傍ら、YouTubeチャンネル「コンサル女王の教室」も運営中。

コツ①学習スタート時期と自分のキャパシティ・情報量で作戦を決める

「1次試験は試験科目が7科目あり、1発合格を狙う場合には多くの勉強量が求められるが、どのような戦略で臨むべきですか?」

まどか先生:まず、TACの講座は、7科目まとめて合格を目指すことを前提としたカリキュラムになっています。実は、学習のスタート時期も非常に重要なポイントです。9~10月から学習をスタートできれば、7科目すべてを十分に勉強できる時間を確保できますが、スタートが遅れてしまった場合、確保できる勉強時間次第では、複数年に分けて合格を目指す等の対応も必要になってきます。

「ストレート合格を目指したい場合、2次試験対策との並行はどのように考えれば良いですか?」

まどか先生:ご自身のキャパシティと情報量によって、2次試験対策と並行した方がよい方、1次試験対策に専念した方がよい方など様々です。例えば、過去に他の資格受験経験があり、資格試験の勉強に慣れている方や、独学で短期合格する方は、まず初めに過去問を解いてみて、試験の傾向とご自身の実力を把握されている傾向が見られます。このような方は1次試験対策と2次試験対策を並行する余裕があります。一方、予備校に通われる方の多くは、いきなりご自身で過去問を解くのがハードルが高いと思われるため、予備校の講義で問題を解くのに必要な知識をインプットして、演習で実践していくステップが必要となります。このような場合、確保できる勉強時間次第では、1次試験対策に専念したほうが成果が上がる場合が多いです。

コツ②勉強量を確保することから、全てが始まる

「TACに通っている方々の全員が合格できる試験ではないと思いますが、成績が伸びる人と伸びない人の差は何だと思いますか?」

まどか先生:まずは「勉強量が確保できているか」という点です。もしかしたら、みなさんが期待されている答えとは異なるかもしれませんが、これにより明確な差が出ます。そのため、担当しているクラスの受験生から、成績が伸びないと相談されたときは、勉強時間が不足していないかどうか、具体的に確認するようにしています。実際に、もりしさんが通われている時も、週最低20時間は勉強が必要、と講義で伝えていましたよね。成績が伸びない人の大半は、勉強量を確保できていないことが要因です。勉強量を十分に確保しているにも関わらず成績が伸びない場合、勉強の仕方が悪いので、再度相談してください、と言っています。
効率的に勉強する方法もありますが、効果は個人差が大きいと思います。例えば、企業経営をされている方やコンサルティングの仕事をされている方は、既に試験に関連する知識を持っているので、他の人よりも新たに習得が必要な知識は少なくて済みます。一方で、学生は仕事の経験がないため、企業やビジネスのイメージがしづらく理解するまでに時間がかかってしまうことが多いと思います。
そのため、まずは「勉強量が確保できているか」がとても重要です。

TAC中小企業診断士 つだまどか先生

コツ③1次試験は「正しい勉強の仕方」で突破する

「1次試験は頻出論点を効率よく押さえて、中小企業診断士試験のクセに対応する力を養うことで突破できるため、得手不得手が生じにくい印象があります。それでも、得意な方と不得意な方に分かれますか?」

まどか先生:基本的な勉強の仕方を知っているか知らないかによって、明確に分かれます。実際、私自身も受験生時代、勉強の仕方を知らずに大苦戦しました。講義を受けた際、講師がテキストを全て網羅的に説明するわけではなく、頻出論点以外のページを飛ばしていくことがどうしても納得できず、すべて読んで理解しようとするものの、次回の講義までにやり切れずに積み残しがどんどん溜まっていってしまう状況に陥っていました。
当時、私を指導してくれていた先生が、ある時、懇親会を開催してくれたことで、受験生仲間との繋がりが出来て、勉強のやり方を教えてもらえるきっかけになりました。その後、答練(※)で良い点数を獲得している受講生に、自ら勉強の仕方を積極的に聞きに行くようにしたところ、徐々にメリハリをつけた受験勉強の仕方が分かってきました。成績の良い受講生たちは、誰にも負けないくらいの時間をかけているのに、勉強の仕方が悪いせいで一向に成績が伸びない私を哀れんで教えてくれたんだと思います。笑
※予備校が講義の進捗に合わせて実力確認等のために実施する模擬テスト

「1次試験になかなか合格できずに、受験が長期化してしまう方に共通する特徴はありますか?」

まどか先生:勉強量が圧倒的に足りていない方は長期化してしまう傾向にあります。また、勉強の仕方がインプットに偏り過ぎていて、アウトプットの練習が足りていない人も合格しづらい傾向にあります。ダラダラと長時間勉強しても身についていなければ意味がないため、集中して勉強することが大切です。試験と同じように、時間を計測して問題を解いてみるなどの工夫もとても大切です。
出題頻度の低い細かい論点までカバーしないと気が済まず、こだわって調べたりしている方も長期化する傾向にあるので、注意が必要です。講師になったばかりの頃は、出題頻度の低い論点に関する質問にも丁寧に回答していましたが、途中から「試験に出題される可能性が低いから、出題頻度の高い論点を習得することを優先したほうが良い」と答えるようになりました。中小企業診断士試験の合格に導くことが講師の仕事なので、「あなたは試験に合格したいんですよね?どうしても、気になるなら合格してから勉強してください。」と逆に問いかけるようにしています。
試験に合格するために勉強を始めたはずなのに、いつの間にか勉強すること自体が目的にすり替わってしまっている場合も、1次試験は長期化する傾向にあります。
TACを始め、既に中小企業診断士試験対策の予備校に通っている方は、講師が最も試験のことを良く分かっているので、講師に言われたことを、とにかく実直にやるのが良いと思います。ただ、講師がどんなに言ったとしても、その通りにやらない方は意外に多いです。

「言われたことを素直にやる方とやらない方の違いは、どんなところにありますか?」

まどか先生:不安を抱えている方は、つい、現実逃避をしてしまうのではないでしょうか。講師から言われた勉強の仕方が効果的であると頭では理解していても、いざ実行するのはとても大変でしんどいため、もっと別の楽な勉強の仕方を見つけようと情報を集め、良いとされる勉強方法を勧められるとすがってしまうのです。そのような傾向の方は、その方法すらも継続できないことが多く、色々なものに少しずつ手を出した結果、一つもやり切れていないということがよくあります。そのうちに、あれも合わない、これも合わない、と勉強の仕方の迷子になってしまい、中途半端であるがゆえに焦点もぶれてしまって、回り道をしてしまうのです。

コツ④1次・2次に共通して必要なのは「捨てる勇気」

「講義の中で試験対策に関する助言をされる際、意識して工夫されている伝え方はありますか?」

まどか先生:講義の中では、なるべく場合分けして伝えるようにしています。例えば、ちょうど最近、財務・会計の答練があったのですが、答練解説講義の際、「この問題は財務・会計が得意な人は得点できるといいですね、苦手な人は出来なくとも構いません、その判断は自分でしてください。」という話をしました。
解説講義の冒頭で「受験生全員が同じ対応が必要なわけではない」、ということを時間を取ってしっかり伝えています。受験生は不安を抱えているので、つい欲張って必要以上のことを覚えなければならないと思いがちですが、それは現実的ではありません。「月間で300時間勉強のために時間を確保出来るのですか?」と問いかけると、ようやく非現実的であることを理解し納得してくれるので、「何を捨てるべきかを考えましょうね。」と伝えています。

「捨てた部分が要因となって不合格になってしまうかもしれない、という不安から、なかなか捨てる勇気を持つのは難しいのではないでしょうか?」

まどか先生:人によって得手不得手が異なることから、そもそも目指すべき科目別の点数が違います。そのため、自分の実力に合わせてメリハリをつけて勉強すべきです。2次試験に合格する上で、優先順位付けとメリハリは必須のスキルなので、1次試験の対策時から練習して身に着けておく必要があります。
1次試験は出題形式が選択式で、かつ全ての問題を解ける時間的余裕もあるため、盲点かもしれませんが、優先順位付けと難易度評価はとても重要です。答練の解説講義において、「1つ1つの設問を解く際に、オーソドックスな問題なのか、ひねりが加えられているのか、初めて見るの問題なのかを自分自身で判断した上で対応していますか?」と問いかけ、優先順位付けと難易度評価の重要性を繰り返し伝えています。
本番の試験は未学習の問題が毎年いくつか出題されるので、TACの答練でも受講生が本番の試験で見極められる対応力をつけるべく出題されます。答練で未学習の問題を解けたか、解けなかったか、ということよりも、初めて見る問題であることを認識し、解けなくとも仕方がない、という見極めをしているかどうか、の方が重要なのです。

TAC中小企業診断士 つだまどか先生

コツ⑤自分のスタイル・実力を知り、自分に合う教材や講師を見つける

「受験生のみなさんが最も知りたいであろう、早期合格される方と長く挑戦される方の違いについて教えてください。」

まどか先生:2次試験の場合、試験マニアで幅広く様々な教材や勉強方法に手を出した結果、自己流になってしまう方は長期化する傾向にあると思います。あれもこれもと散漫になるのは効果的ではなく、情報源を絞り、やりきることが重要です。
現在では、YouTubeやSNSで情報発信をされている方がたくさんいるので、うまく活用すれば独学でも合格できると思いますが、早期合格を目指すのであれば、自分の実力を知ることと、自分に合う教材や講師を見つけることがとても大切です。
2次試験対策の演習講義で、たまに「なぜ、自分の解答では得点が入らないのか。」と質問される受講生の方がいらっしゃるのですが、「解答内容の妥当性を問い始めたら、2次試験の合格は遠い。」とお伝えしています。
経営に対する助言内容として妥当性がないから得点が入らないわけではなく、出題者の意図に沿っておらず事例の根拠に紐付いていないから得点が入らないわけで、その質問自体が2次試験の本質を捉えられていないことの証拠だと思います。

【番外編】まどか先生の講師スタイル

「まどか先生の講義スタイルを好み、関東や関西からTAC名古屋校に通う受講生(コアファン)もいらっしゃいますが、意識されていることはありますか?」

まどか先生:受験生時代の自分がターゲットだと思って講義に臨んでいます。そのため、分からない方を基準に様々なことを伝えています。意外かもしれませんが、出来る方々も不満にはなりません。
講義の中では、受験生時代に自分が知りたかった情報をしっかりと伝え、余計なことは言わないように注意しています。人間の集中力は長くは続かないので、時に厳しいこともいいますが、ネタのような小話をすることもあり、緩急をつけるよう意識しています。講義はエンターテインメントだと思っているので、受講生が楽しんでくれる講義になるように工夫しています。
2次試験は模範解答や採点基準が公表されず、合格と不合格の境界線が非常に曖昧なので、講師がどこまで得点できるべきなのか、線引きして示すことが重要だと考えています。そのため、TACの演習も毎回、講義前に自分の解答を作成して目標解答として受講生に公開した上で目標点数も示すようにしています。


番外編では、まどか先生が人気講師である理由が垣間見えましたね。まどか先生のコアファンであるがゆえに、「まどか先生の講義を受講出来なくなるから試験に合格したくない」という気持ちから受験が長期化する方もいらっしゃるという噂があったりなかったり…笑
私はまどか先生のプロセスを重んじる試験対策がとてもフィットしたので、それだけに絞って勉強していましたが、これから受験を志す方はご自身に合う教材・講師について考えてみると良いかもしれません。

気になる続きは、「合格する人」になるコツ10選~後編~でお届けします!
中小企業診断士試験に早期合格を目指す方はもちろん、勉強に苦戦されている方も何かヒントが見つかるかもしれません。
少しでも役に立ったと感じた方は、「スキ」をいただけると嬉しいです。よろしければ、後編もお付き合いください!

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