中小企業診断士口述試験体験記~私の準備・対策法~#2次口述試験 #試験対策 #事例Ⅱ #事例Ⅲ
みなさん、こんにちは。
QCCメンバーの水村聡です。
今回は、昨年私が受けた口述試験の体験記についてご紹介いたします。
具体的には、筆記試験に合格した瞬間から口述試験当日までの体験記となります。
それでは、今回もよろしくお願いします。
筆記試験の結果発表
私は2次試験(筆記試験)を5回受験しましたが、合格した5回目が最も手ごたえがありました。
筆記試験合格発表日、私は受かっても落ちてもメンタルが大きく動くので、この日は有給を取っていました。
そして運命の筆記試験合格発表。10時に合格発表のページを見て番号が、、
ある!ある!あるーー!!!
私は喜びを爆発させました。
そして、すぐに実家にいる家族と、TAC名古屋校の津田まどか先生(以下、まどか先生)に連絡をいたしました。
そしたら10分くらいしたらLINE通話が鳴りました。あれ?誰だろうと思ったらまどか先生からでした。
「サトシくん、おめでとーーー!!!」
ようやくの合格ですから、私もですがまどか先生も嬉しかったのだと思います。
そしてそのままLINE通話を30分くらいしてました(笑)
「先生、お電話いただいたところすみません、実は今からC社に行ってきます。」
「あ、ごめんごめん。って、C社に行ってくるんかい!?(笑)」
そう言って通話を切り、私はすぐさま口述試験の対策として、令和5年度事例ⅢのC社のモデル企業と言われていた徳島県の会社に向かいました。
(なぜそんなことをしたかは後ほど解説いたします)
徳島行きの高速バスを神戸から乗ったので、このような「金のひっぱりだこ飯」を書いました。金星なので。
(参考までに、ひっぱりだこ飯は、普段は赤茶色の容器です)
そうして徳島市にあるC社のモデル企業に行きました。と言っても、C社は製造業なので中には入れず企業を敷地の外から見ただけですが、配送の様子を見ることができました(配送のことは、与件文の最後のほうにチラッと書いてありましたよね)。また、連携していた地元のスーパーにも行くことができました。
そして、徳島からの帰りの高速バスの中でTACの口述模試の予約をしました。
筆記試験合格発表直後の週末
発表のあった週の土曜日には早速、TAC名古屋校でまどか先生が開いてくれた口述セミナーに参加してきました。ここで口述の模擬面接も行いました。
模擬面接なので当然ですが、時間は本番と同じ10分、聞かれることも本番に近いこと(TACで作成している想定問題)でした。1問あたり2分が目安で、ストップウォッチで回答時間を計測していました。
15時頃にTACのセミナーが終わり、私は名古屋駅から京都ではなく東京行きの新幹線に乗りました。
なぜかと言うと、翌日の日曜日にA社とB社も見に行くためです。
私は、C社については合格発表日当日、A社・B社についてはその直後の週末の日曜日に見に行っていました。
ちなみに、令和6年度の事例企業(B社)も見に行きましたよ(笑)
なぜモデル企業を見に行ったのか?
みなさんが興味のあるのは、「なぜ水村はそこまでして実際に見に行ったのか」ということですよね。
今から説明いたします。
結論を先に言うと、与件文の文言だけを見るのと、実際の現場を自分の目で見るのとでは、理解度に差が出てくると思ったからです。
例えば令和5年度のB社ですが、与件文には「品揃えと提案力に自信のある野球用品」と書かれています。もちろん、私が受けた令和5年度の口述試験では、この内容を理解しておく必要があります。
しかし、これをただ与件文に書かれている内容(文言)として見るのと、実際の現場を目で見るのとでは、理解度に差が出ます。やはり、後者のほうが理解しやすくなります。
品揃えについては、B社の店内には壁一面にグローブやバットがずらりと並んでいました。
提案力についても店員がお客さんに丁寧な説明をしているシーンを見ました。こうやって自分の目で見ると理解の質が高まります。
私にとっては、実際に見に行くことが大正解でした。
実際、口述試験で私は「B社の強みをお答えください」と問われました。そのときも、あの品揃えと提案のシーンが鮮明に頭に残っていたので、真っ先に品揃えと提案力を答えることができました。
もちろん、ここまでする必要はありません笑
あくまでこれは半分私の趣味みたいなものなので、実際に見に行くまでする必要はないと思います笑
ですが、事例企業や類似企業のホームページは見ておいても損はないかと思います。イメージしやすくなるかもしれません。
口述試験前日
口述試験の前日はTAC梅田校で口述模試を受けました。名古屋校でもよかったのですが、あえていつもと違うところで受けたかったので、梅田校で受けました。
すでにTAC名古屋校のセミナーで体験していたので、今回の梅田校での口述模試も緊張なく終えました。確か何も指摘されていなかったと思います。
そして梅田から試験会場の愛知大学がある名古屋に移動し、名古屋のホテルに宿泊しました。
(基本的に口述試験の会場は筆記試験の会場と同じですが、中には異なる会場もあります。名古屋は筆記試験と口述試験が同じ会場でした)
口述試験はこれまでの結果によると、遅刻・欠席しない限りほとんどの受験者が合格する試験です(コロナの年は熱が37.5℃以下という条件もありました)。しかし逆に言えば遅刻・欠席したら終わりです。そのため、万が一すべての交通機関がストップしても試験会場まで歩いていけるように、会場近くのホテルに宿泊しました。
ホテルでは、令和2年度のB社で出てきた「眠る前に飲むハーブティー」を飲みました。
せっかく診断士協会が公式で(?)紹介してくれた試験対策なわけですから、存分に活用させていただきました。
口述試験当日
口述試験は筆記試験と異なり、受験生によって集合時間が異なります。まるで電車の時刻みたいに1分単位で設定されています。
私は「12時36分に集合」となっていました。TAC名古屋校の他のメンバーも1人を除いて全員が午後に集合でした。
試験会場の愛知大学はTAC名古屋校から歩いていけるので、午前中にTAC名古屋校の休憩室に集まり、TAC名古屋校のメンバー(午前中だった方は除く)と最後の調整や練習をしていました。
そして、昼前に試験会場の愛知大学に歩いて移動し、愛知大学の近くで待っていました。このあたりで午前中に受けていた方から「こんな問題が出た」というのがグループLINEに届きました。
口述試験は問題を使い回しする傾向にあるため、TAC名古屋校のメンバーではグループLINEを作成し、口述試験で出た問題を共有することにしていたのです。この情報はとても貴重です!
いよいよ試験会場へ
さて、私の集合時刻は12時36分でしたが、絶対に遅刻はできないため、12時30分に試験会場の愛知大学に入り、受付を済ませました。この受付を済ませる時間が集合時間より前なら問題ありません。
受付を済ませると、係の人が「こちらの教室でお待ちください」と案内してくれました。
これは20人くらいの受験生が待っている待機部屋のようなもので、病院の待合室のようなイメージです。順番が来ると係の人が待機部屋に入ってきて「受験番号●●●番の方」という形で一人ずつ呼ばれます。
(なお、これは試験会場によって異なるそうです。例えば大阪では一人ずつではなく数人単位で呼ばれていました)
待機部屋に入ってから20分くらいして、私も呼ばれました。
呼ばれると受験番号と名前の確認をされます。これも病院と同じですね。
確認が終わると「では私に付いてきてください」と言われて口述試験本番の教室前まで案内されます。病院の待合室から診察室に案内されるのと同じですね。
ちなみに、待機部屋と本番の教室は同じ階でした。
実際の口述試験の流れと対応
本番の教室に着くと、「どうぞと言われたらノックして入ってください」と係の人に言われました。
その後、教室内から「どうぞ」と言われたので私はノックして教室に入りました。
「失礼します」
「こちらに荷物を置いてください」
「氏名と生年月日を和暦でどうぞ」
このように言われ、椅子への着席を指示されます。就活や転職活動の面接と同じですね。
「ではこれからいくつか質問をしますので、中小企業診断士としてお答えください。1問あたり2分を目安にお願いします」
このように言われ、口述試験のスタートです。私は以下のことを聞かれました。
《事例Ⅲ(食品製造業の事例)》
●今まで高級ホテルや旅館と取引ができていた理由
●X社との取引をすることのメリット(既存の取引先との比較)
《事例Ⅱ(野球用品店の事例)》
●SWOTの強みと機会
●リアル店舗にSNSで呼ぶ方法
●集めるべき具体的な女子野球メンバー
基本的には、筆記試験の問題の派生形でした。筆記試験の問題に全くかすっていない問題は出ませんでした。
また、圧迫面接のような質問はありませんでした。私が知る限り他の方もなかったようです。昔はあったようですが、今はコンプライアンスにうるさい世の中だからかもしれません。
それから、わからない問題が出たら「わかりません」と言えば面接官が助け船を出してくれる場合もあるようです。
これはTAC梅田校の講師が講義の際に笑い話として言っていたのですが、その方は「5S」が問われたときに中身が全く出なかったそうです。「わかりません」と言ったら面接官が「ほら、整理整頓清潔・・・」と、ほとんど答えを教えてくれて、おかげで残りの「清掃・しつけ」を回答できたそうです。
ちなみに私も回答に悩む問題が出ましたが、与件文に書いてあった設定を拾って答えました。具体的には、事例Ⅱで「(集めるべき女子野球メンバー」が問われました。回答に苦慮したため「公立小中学校の女子生徒」とか「社会人野球のファンの女性」というように、与件文に書いてあったフレーズを言いました。それに続けて、マーケティング資源やその効果を述べて、それらしい回答になりました。
口述試験は1問あたり2分が目安と言われています。しかし、私は1問あたり2分ペースで話すことはできず、1分30秒くらいのペースでした。そのため、2事例目の事例Ⅱだけ時間が余ってしまい、追加で1問増えました。「時間余ってるし、もう1問いいですか?」という具合で、特に問題があるような雰囲気ではありませんでした。別に「もうちょっと長く回答してください」と言われたり不満な顔になっていたりしてはいなかったので、1分30秒ずつで回答してもう1問追加質問をもらうという形でも問題はないのかなと思います。
ちなみに、回答時間が短いと「他にはないですか?」と聞かれるケースもあるようです。このときは一瞬動揺してしまうかもしれませんが、私の周囲にもこのように聞かれたうえで合格している方がいるので、冷静に対処すれば大丈夫です!
10分の口述試験が終わると、「ありがとうございました」と言って教室の外に出て、係の人が会場の出口まで連れて行ってくれました。これで口述試験は終わりです。
あとは私が聞かれた問題をグループLINEに投稿し、会場近くにいたTAC名古屋校のメンバーとオシャレなレストランに行き、私の口述試験は終わりました。
以上、私の口述試験体験記でした。
実感がわきましたでしょうか?
この記事が、今後口述試験を受けるみなさんのお役に立てれば幸いです。
それでは、今回もありがとうございました。