タッキー

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Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 ~輝ける套路~

 雷鳴。  大地を打つような、激しい豪雨が降りしきっていた。  轟音を響かせ、閃く雷電は闇の帳をほんの一瞬、青白く照らし出す。  鬱蒼と茂る森の中。非常に簡素に整備された村への道の中に、なにか蠢くものがあった。  あまりにも弱々しく、その影は緩慢な速度でずるずると道を進んでいた。  否。それは、地を這いつくばって進んでいた。  死に体の蟲の如き、あまりにも無残な姿である。しかしながら、泥をかぶりながらも必死に先へ行こうとする様は、なにかとてつもない執念を感じさせた。  血の轍