R2 問1 ダム水路式発電所
最初から聞きなれない言葉だらけで心折れそうになったけど、消去法で正解はできた。
気持ち悪いのできちんと整理しておく。
まず、水力発電所の種類について。
分類の仕方が二つある。
<落差の作り方による分類>
水路式発電所
河川から水路で落差を作れるところまで水を引っ張る方式
ダム式発電所
河川の途中にダムを作って、水位を増加させることで落差を作る方式
水路ダム式発電所
ダムを作り、そこから導水路で発電しやすい場所まで水を引いて発電する方式
<水の利用方法による分類>
流込み式発電所
河川の水をそのまま取り入れて発電する方式
調整池式・貯水式発電所
河川や水路の途中に池や湖を作り、取水量を調整しながら発電する方式
揚水式発電所
夜間の軽負荷時の余剰電力により揚水して貯水した水を利用して発電する方式。
次に水撃作用について。
これは問題(1)の通り。
負荷の急変動に応じて水車の水量が急変すると、流速の増減により水圧の急上昇または急降下が起こり、水撃作用がおこる。
給水設備でいうウォーターハンマーのことだろう。
水圧管の長さが長いということは、それだけ管内の水量が多いということで、それだけ衝撃は大きくなる。
入口弁の開閉時間が短いほど、水圧の変化が速くなるので、それだけ衝撃は大きくなる。
この辺は水の動きを想像すれば(2)も正しいことはわかる。
続いてサージタンクについて。
タンク内部の水位を昇降させることで、圧力変動を吸収するためのもの。なので、(3)の"密閉式"というのが誤り。
サージタンクの種類は(3)の通りいくつかある。
単動式
単純にタンク内の水位を昇降させて水圧を逃す方式
差動式
(5)の通り。タンク内に断面積の違う管を立ち上げて、水面昇降の時間の変化を利用して圧力変化を吸収する方式
小孔式
サージタンクの入り口を小さくして、抵抗損も利用して圧力上昇を抑える方式
水室式
サージタンクに水面の大きい水室を設けて、圧力を吸収しながらも、水面の上昇を抑える方式
ちなみに、(1)、(2)は給水設備でも似たような話が出てくるので正しいと判断し、(3)は密閉式が正しいとすると(4)、(5)の"水位の上昇"、"水面上昇"で衝撃を吸収するという部分のつじつまが合わなくなる。なので(3)が誤りだろうと判断した。
知らない知識が出て来ても、じっくり読めばぼんやり正解が見えてくることもある。なので初見の設問でも諦めないで取り組むことが大事!