電技 第56〜61条 感電、火災等の防止

第3章は電気使用場所の施設についてで、
第1節 感電、火災等の防止
第2節 他の配線、工作物等への危険の防止
第3節 異常時の保護対策
第4節 電気的、磁気的障害の防止
第5節 特殊場所における施設制限
第6節 特殊機器の施設
という構成となっている。

第1節は、
・配線の感電、火災等の防止
・配線に使用する電線
・低圧電路の絶縁性能
・電気機械器具の感電、火災等の防止
・非常用予備電源の施設
について。

移動電線とは、電気使用場所に施設する電線のうち造営物に固定しないものをいい、エレベーターのように上下移動を伴う電気機器や可搬式の小型発電機や溶接機など、工事中に使用する電気機器にも広く使われている。

接触電線とは、電線に接触してしゅう動する
集電装置を介して、移動して使用する電気機械器具に電気の供給を行うための電線で、天井門型クレーンに電気を供給するトロリー線や電車のき電線のこと。

具体的な内容は以下の法の原文の通り。

第三章 電気使用場所の施設

第一節 感電、火災等の防止 

(配線の感電又は火災の防止)
第五十六条 
 配線は、施設場所の状況及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。 

移動電線を電気機械器具と接続する場合は、接続不良による感電又は火災おそれがないように施設しなければならない。 

特別高圧の移動電線は、第一項及び前項の規定にかかわらず、施設してはならない。ただし、充電部分に人が触れた場合に人体に危害を及ぼすおそれがなく、移動電線と接続することが必要不可欠な電気機械器具に接続するものは、この限りでない。 

(配線の使用電線)
第五十七条 
 配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び電圧に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。

配線には、裸電線使用してはならない。ただし、施設場所の状況及び電圧に応じ、使用上十分な強度を有し、かつ、絶縁性がないことを考慮して、配線が感電又は火災おそれがないように施設する場合は、この限りでない

特別高圧の配線には、接触電線を使用してはならない。 

(低圧の電路の絶縁性能)
第五十八条 
 電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の上欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上でなければならない。

①300[V]以下
 (1)対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が150[V]以下の場合:0.1[MΩ]
 (2)その他の場合:0.2[MΩ]
②300[V]を超えるもの0.4[MΩ]
 
(電気使用場所に施設する電気機械器具の感電、火災等の防止)
第五十九条 
 電気使用場所に施設する電気機械器具は、充電部の露出がなく、かつ、人体に危害を及ぼし、又は火災が発生するおそれがある発熱ないように施設しなければならない。ただし、電気機械器具を使用するために充電部の露出又は発熱体の施設が必要不可欠である場合であって、感電その他人体に危害を及ぼし、又は火災が発生するおそれがないように施設する場合は、この限りでない

燃料電池発電設備一般用電気工作物である場合には、運転状態を表示する装置を施設しなければならない。 

(特別高圧の電気集じん応用装置等の施設の禁止)
第六十条 
 使用電圧が特別高圧電気集じん装置静電塗装装置電気脱水装置電気選別装置その他の電気集じん応用装置及びこれに特別高圧の電気を供給するための電気設備は、第五十六条及び前条の規定にかかわらず、屋側又は屋外には、施設してはならない。ただし、当該電気設備の充電部の危険性を考慮して、感電又は火災のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。

(非常用予備電源の施設) 
第六十一条 
 常用電源の停電時に使用する非常用予備電源(需要場所に施設するものに限る。)は、需要場所以外の場所に施設する電路であって、常用電源側のものと電気的に接続しないように施設しなければならない。

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