第二十七条の四〜二十七条の十二 送電事業

第27条の4〜12は送電事業について。

送電事業とは何だったかというと、自らが維持・運用する送電用電気工作物により、一般送配電事業者又は配電事業者に振替供給を行う事業である。

送電事業も送配電事業と同じで、事業を営むには経済産業大臣の許可が必要。

その他、許可の基準や義務などについては概ね送配電事業と同じなので、詳細は省略する。

以下、法の原文。

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第三節 送電事業

(事業の許可)
第二十七条の四 
送電事業を営もうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。 

(許可の申請)
第二十七条の五 
 前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 

一 商号及び住所 

二 取締役(指名委員会等設置会社にあつては、取締役及び執行役。第二十七条の七第二項第三号において同じ。)の氏名 

三 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地

四 振替供給の相手方である一般送配電事業者及び配電事業者 

五 送電事業の用に供する電気工作物に関する次に掲げる事項

イ 送電用のものにあつては、その設置の場所、電気方式、設置の方法、回線数、周波数及び電圧

ロ 変電用のものにあつては、その設置の場所、周波数及び出力 

2 前項の申請書には、事業計画書、事業収支見積書その他経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。

(許可の基準) 
第二十七条の六 
経済産業大臣は、第二十七条の四の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。

一 その送電事業の開始が一般送配電事業又は配電事業の需要に適合すること。 

二 その送電事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

三 その送電事業の計画が確実であること。 

四 その送電事業の用に供する電気工作物が一般送配電事業者の供給区域内にあるものにあつては、その事業の開始によつて当該一般送配電事業者の供給区域内の電気の使用者の利益が阻害されるおそれがないこと。 

五 前各号に掲げるもののほか、その送電事業の開始が電気事業の総合的かつ合理的な発達その他の公共の利益の増進のため必要かつ適切であること。 

(許可証)
第二十七条の七 
 経済産業大臣は、第二十七条の四の許可をしたときは、許可証を交付する。 

2 許可証には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 許可の年月日及び許可の番号

二 商号及び住所

三 取締役の氏名 

四 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地 

五 振替供給の相手方である一般送配電事業者及び配電事業者 

六 送電事業の用に供する電気工作物に関する次に掲げる事項

イ 送電用のものにあつては、その設置の場所、電気方式、設置の方法、回線数、周波数及び電圧

ロ 変電用のものにあつては、その設置の場所、周波数及び出力 

(事業の開始の義務)
第二十七条の七の二 
送電事業者は、事業の許可を受けた日から十年以内において経済産業大臣が指定する期間内に、その事業を開始しなければならない

2 経済産業大臣は、特に必要があると認めるときは、振替供給の相手方である一般送配電事業者及び配電事業者を区分して前項の規定に よる指定をすることができる。

3 経済産業大臣は、送電事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第一項の規定により指定した期間を延長することができる。

4 送電事業者は、その事業(第二項の規定により振替供給の相手方である一般送配電事業者及び配電事業者を区分して第一項の規定によ る指定があつたときは、その区分に係る事業)を開始したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

(振替供給の相手方の変更) 
第二十七条の七の三 
 送電事業者は、第二十七条の七第二項第五号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。 

2 第二十七条の六及び前条の規定は、前項の許可(同条の規定にあつては、振替供給の相手方である一般送配電事業者及び配電事業者の減少に係るものを除く。)に準用する。 

(事業の許可の取消し等)
第二十七条の八 
 経済産業大臣は、送電事業者が第二十七条の七の二第一項の規定により経済産業大臣が指定した期間(同条第三項の規定 による延長があつたときは、延長後の期間)内に事業を開始しないときは、第二十七条の四の許可を取り消すことができる。

2 経済産業大臣は、前項に規定する場合を除くほか、送電事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるときは、第二十七条の四の許可を取り消すことができる。

3 経済産業大臣は、前二項に規定する場合を除くほか、送電事業者の送電事業の用に供する送電用の電気工作物が第二条第一項第十号の 経済産業省令で定める要件に該当しなくなつた場合において、当該要件に該当するものとなることが見込まれないと認めるときは、第二 十七条の四の許可を取り消すことができる。

4 経済産業大臣は、前三項の規定による許可の取消しをしたときは、理由を記載した文書をその送電事業者に送付しなければならない。

第二十七条の九 
 経済産業大臣は、第二十七条の七の三第一項の許可を受けた送電事業者が同条第二項において準用する第二十七条の七の 二第一項の規定により経済産業大臣が指定した期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間)内にその増加する振
替供給の相手方である一般送配電事業者又は配電事業者に対して事業を開始しないときは、その許可を取り消すことができる。 

2 前条第四項の規定は、前項の場合に準用する。

(振替供給義務等
第二十七条の十 
送電事業者は、一般送配電事業者又は配電事業者に振替供給を行うことを約しているときは、正当な理由がなければ、振替供給を拒んではならない。 

送電事業者は、発電用の電気工作物を維持し、及び運用し、又は維持し、及び運用しようとする者から、当該発電用の電気工作物と当該送電事業者が維持し、及び運用する電線路とを電気的に接続することを求められたときは、当該発電用の電気工作物が当該電線路の機能に電気的又は磁気的な障害を与えるおそれがあるときその他正当な理由がなければ、当該接続を拒んではならない。 

(振替供給)
第二十七条の十一 
 送電事業者は、一般送配電事業者及び配電事業者に対する振替供給(これに係る契約が経済産業省令で定める要件に該当するものであるものに限る。次項及び第三項第一号において同じ。)に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 送電事業者は、前項の規定による届出をした料金その他の供給条件以外の供給条件により一般送配電事業者及び配電事業者に対する振替供給を行つてはならない。

3 経済産業大臣は、第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該送電 事業者に対し、相当の期限を定め、その料金その他の供給条件を変更すべきことを命ずることができる。 

一 第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件により電気の供給を受ける一般送配電事業者及び配電事業者が振替供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。

二 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。 三 送電事業者並びに第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件により電気の供給を受ける一般送配電事業者及び配電事業者の責任に関する事項並びに電気計器及び工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。 

四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。 

五 前各号に掲げるもののほか、公共の利益の増進に支障がないこと。

4 経済産業大臣は、送電事業者が正当な理由なく一般送配電事業者及び配電事業者に対する振替供給を拒んだときは、その送電事業者に対し、振替供給を行うべきことを命ずることができる。

(兼業の制限等
第二十七条の十一の二 
 送電事業者は、小売電気事業、発電事業(小売電気事業の用に供するための電気を発電するものに限る。次項において同じ。)又は特定卸供給事業(小売電気事業の用に供するための電気を供給するものに限る。同項において同じ。)を営んではならない。ただし、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の認可を受けたときは、この限りでない。 

2 経済産業大臣は、前項ただし書の認可の申請があつたときは、当該申請に係る送電事業者が維持し、及び運用する送電用の電気工作物 の総体としての規模、その設置の場所等を勘案して当該送電事業者が小売電気事業、発電事業又は特定卸供給事業を営むことが電気の使用者の利益を確保するため特に必要であると認める場合でなければ、これを認可してはならない。 

3 次の各号に掲げる者については、当該各号に定める規定は、適用しない。

一 第一項ただし書の認可を受けた送電事業者(以下この項において「認可送電事業者」という。) 次条第二項及び第二十七条の十一の 四第二項から第四項までの規定

二 認可送電事業者の取締役、執行役又は従業者 次条第一項の規定 

三 認可送電事業者の特定関係事業者(次条第一項に規定する特定関係事業者をいう。) 第二十七条の十一の五第一項及び第二十七条の
十一の六第一項の規定 

(送電事業者の取締役又は執行役の兼職の制限等)
第二十七条の十一の三 
 送電事業者の取締役又は執行役は、その特定関係事業者(送電事業者の子会社、親会社若しくは当該送電事業者以外の当該親会社の子会社等に該当する小売電気事業者、発電事業者若しくは特定卸供給事業者又は当該小売電気事業者、発電事業者若し くは特定卸供給事業者の経営を実質的に支配していると認められる者として経済産業省令で定める要件に該当する者をいう。以下この節 において同じ。)の取締役等又は従業者を、送電事業者の従業者は、その特定関係事業者の取締役等を、それぞれ兼ねてはならない。た だし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合は、この限りでない。

2 送電事業者は、次の各号に掲げるその特定関係事業者ごとに当該各号に定める当該特定関係事業者の従業者を、当該送電事業者が営む 送電事業の業務その他の変電及び送電に係る業務のうち、電気供給事業者間の適正な競争関係の確保のためその運営における中立性の確 保が特に必要な業務として経済産業省令で定めるもの(第二十七条の十一の五第一項において「特定送電等業務」という。)に従事させ てはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合は、この限り でない。 

一 小売電気事業者 小売電気事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの 

二 発電事業者 発電事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの

三 特定卸供給事業者 特定卸供給事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの 

四 前項本文の経済産業省令で定める要件に該当する者 その経営を実質的に支配していると認められる小売電気事業者、発電事業者又 は特定卸供給事業者の経営管理に係る業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの

3 経済産業大臣は、送電事業者の取締役、執行役又は従業者が第一項の規定に違反した場合には送電事業者又はその特定関係事業者に対 し、送電事業者が前項の規定に違反した場合には送電事業者に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることがで きる。

(送電事業者の禁止行為等) 
第二十七条の十一の四 
送電事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。

一 振替供給の業務に関して知り得た他の電気供給事業者及び電気の使用者に関する情報を当該業務の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供すること。

二 その振替供給の業務その他の変電及び送電に係る業務について、特定の電気供給事業者に対し、不当に優先的な取扱いをし、若しく は利益を与え、又は不当に不利な取扱いをし、若しくは不利益を与えること。

三 前二号に掲げるもののほか、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するものとして経済産業省令で定める行為をすること。 

2 送電事業者は、通常の取引の条件と異なる条件であつて電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれのある条件で、その特定関係事業者その他送電事業者と経済産業省令で定める特殊の関係のある者(第百六条第五項において「送電事業者の特定関係事業者等」 という。)と取引を行つてはならない。ただし、当該取引を行うことにつきやむを得ない事情がある場合において、あらかじめ経済産業 大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

3 送電事業者は、その振替供給の業務その他の変電及び送電に係る業務をその特定関係事業者又は当該特定関係事業者の子会社等(特定 関係事業者に該当するものを除く。)に委託してはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合 として経済産業省令で定める場合は、この限りでない。

4 送電事業者は、その特定関係事業者である小売電気事業者、発電事業者又は特定卸供給事業者からその営む小売電気事業、発電事業又 は特定卸供給事業の業務を受託してはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産 業省令で定める場合は、この限りでない。

5 経済産業大臣は、前各項の規定に違反する行為があると認めるときは、送電事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることがで きる。

(送電事業者の特定関係事業者が送電事業者の従業者をその従業者として従事させることの制限等) 
第二十七条の十一の五 
次の各号に掲げる送電事業者の特定関係事業者は、当該送電事業者が営む特定送電等業務に従事する者を、当該各号に定める従業者として従事させてはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産 業省令で定める場合は、この限りでない。 

一 小売電気事業者 小売電気事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの 

二 発電事業者 発電事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの 三 特定卸供給事業者 特定卸供給事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの 

四 第二十七条の十一の三第一項本文の経済産業省令で定める要件に該当する者 その経営を実質的に支配していると認められる小売電気事業者、発電事業者又は特定卸供給事業者の経営管理に係る業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの 

2 経済産業大臣は、送電事業者の特定関係事業者が前項の規定に違反した場合には、送電事業者の特定関係事業者に対し当該違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。 

(送電事業者の特定関係事業者の禁止行為等)
第二十七条の十一の六 
 送電事業者の特定関係事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。 

一 当該送電事業者に対し、第二十七条の十一の四第一項各号に掲げる行為又は同条第二項本文、第三項本文若しくは第四項本文の行為をするように要求し、又は依頼すること。 

二 前号に掲げるもののほか、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するものとして経済産業省令で定める行為をすること。
2 経済産業大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、送電事業者の特定関係事業者に対し、当該行為の停止又は変更を 命ずることができる。

(準用) 
第二十七条の十二 
 第六条の二、第九条から第十一条まで、第十三条、第十四条、第二十二条、第二十三条の四、第二十六条の二、第二十六条の三、第二十七条第一項、第二十七条の二及び第二十七条の三の規定は、送電事業者に準用する。この場合において、第九条第一項 中「第六条第二項第六号」とあるのは「第二十七条の七第二項第六号」と、同条第二項中「第六条第二項第二号から第四号まで」とある のは「第二十七条の七第二項第二号から第四号まで」と、第十条第三項中「第五条」とあるのは「第二十七条の六」と、第二十二条第一 項中「、送電及び配電」とあるのは「及び送電」と、第二十三条の四第一項中「託送供給及び電力量調整供給」とあるのは「振替供給」 と、第二十六条の三第二項中「供給区域」とあるのは「振替供給の相手方である一般送配電事業者及び配電事業者」と読み替えるものとする。

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