すだちのダイキリ〜旬の季節を使ったカクテル〜
この時期、秋刀魚(さんま)と共にスーパーに多く陳列されるすだち。
普段は、ライムで作るダイキリを、このすだちに代えて作ってみる。
一般的にスーパーなどで売られている柑橘類の中で、すだちの酸味はライムに次ぐもので、レモンより強い。
今回、選んだのはマイヤーズのホワイトラム。バランスの取れたクセの少ないバカルディラムに比べて、香り、味ともに印象的なクセがある。
キューバ産のバカルディ、対してマイヤーズはジャマイカ産だ。ジャマイカ産のラムは、総じてヘビーな風合いを持つことが多い。
出来上がったカクテルを飲んでみる。
ライムともレモンとも違う香りが、すっと鼻に抜ける。やはり、和だ。和のテイストが加わったダイキリ。最後にみかんに似た甘さが残る。その変化球とマイヤーズのクセが見事に調和している。もし、バカルディを選択していたら、きっとすだちが立ちすぎてしまったと思う。ラムの選択は、正解だった。
もちろん、ダイキリだけでなくギムレットやジントニック、モスコーミュールにも使えそうだ。
特に、すだちのマルガリータなどは、より一層憂いを帯びた涙の味に寄せることができるのではないか。
カクテルは、旬を楽しむオトナの嗜みでもある。