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風が吹くだけで痛い? これが噂の…。②
人生初めての痛風?
先週、初めて痛風となった。
その時の様子はこちら。
正確には、痛風になったと思われた。あくまで、自己診断。
金曜に発症した痛みは、深夜にピークを迎えた。しかしロキソニン効果で、翌朝にはほぼ鎮痛。日常生活も何の支障がない程度におさまった。結局、病院にも行かなかった。きっと、症状が軽かったのだろうと安心すると共に、少しだけ残念に思う気持ちがあった。なーんだ、痛風って、こんなもんかと。まさかその一週間後、更なる痛みに悶えることになるとは、この時は全く思いもせず。
平日、特に食べるものも飲むものも気にせずに過ごした。ビールもカクテルも飲んだし、揚げ物や肉類も普段と変わらず美味しく食べた。足の痛みは全くなかった。もしかしたら、あの痛風騒ぎ、ただの気のせいだったのかも、くらいに思い始めていた。一週間が過ぎ、再び金曜の朝を迎えるまでは。
魔の金曜日、再び…
朝起きると、足が痛い。左足の外側の甲、先週と全く同じ場所だ。しかし、歩けないほどではない。家にあった最後の一錠、ロキソニンを服用して出社した。いつも通り、自転車で。
しつこいな、と同時に、金曜日でよかったと思った。今日さえ乗り切れば、週末だ。
日中は、ロキソニンが効いていたのか、または仕事のONモードで気が張りつめているせいか、あまり足の痛みは気にならずに過ごすことができた。
しかし、夕方になる頃には、徐々に痛みが増し、明らかに左足を引きずる様になった。同じ職場の女性から、生理痛用のイブプロフェンをもらって飲んだが、効果が見られず、靴下を脱ぐと足は明らかに朝よりも腫れていた。
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右足は、指の筋がはっきり見える
定時では上がれず、2時間程度残業したが、後半は痛みでほとんど仕事にならなかった。歩行も、何かに捕まらないと難しい。特に帰宅する際の自転車が、バランスを取るのが難しかった。「左足は添えるだけ」で右足だけでペダルを漕ぐ。まさに桜木花道状態。
先週、痛風の痛みのことをnoteで書いた際、同じさとゆみゼミで学んだ仲間の「しゅうしゅうさん」から、ビールを飲んで寝たなど言語道断、とお叱りを受けた。彼は痛風に対してはかなりの有段者らしく、初心者の僕にいろいろとアドバイスをしてくれた。
そのこともあり、帰宅後、ビールは控えた。しかし金曜だし足は痛いし、ロキソニンは切らしているし、飲まなきゃ耐えられん。ビールの代わりに、1杯目から蒸留酒にすればいいじゃん、と安易に考え、自作のマティーニを作って飲んだ。ちゃんとベルモットの比率をいつもより少なめにして(ベルモットはビールと同じ醸造酒)。そこじゃねーよ、と有識者から突っ込まれそうだが。
入浴も、左足だけは湯船に入れずにやり過ごした。腫れた足は既にかなりの熱を持っていたし、こういった炎症は冷やすのが鉄則。左足だけ水シャワーを掛け続けると、少しだけ痛みが引いた(様な気がした)。
同時多発テロ発生! 地獄の始まり
早々にベッドに入っても、全く眠れない。風なんか吹かなくても、痛い。その痛みには波がない。抑揚がない。ずっと痛い。鋭い針で刺され続けている様だ。
トイレに行くにも、もはや右足ケンケンで移動するしかない。着地の振動だけで痛みが走る。
しかも、注意深く足を観察すると、さらに絶望的なことに気づいてしまった。
今回、痛みは左足外側の甲、小指の下辺りにあり、そこを中心に腫れていた。しかし、新たな痛みの箇所が現れたのだ。同じ左足の、親指の付け根。痛風のメッカとも言える、いわば聖地。
痛風は、大抵の場合、1回の発作は1箇所だけにとどまるとされる。しかし、発作を常習的に繰り返す様になると、数箇所の同時多発テロを引き起こすこともあるのだという。
想像してみてほしい。1箇所だけでも歩けなくなるほどの痛みが、同時に体の複数箇所で起こる惨劇を。
先週の痛みは、神が我に与えた警告だったのだ。その警告を完全に無視した結果が、初心者には無理ゲーなバスターコールレベルの発作を引き起こしたのだ。ベッドの上で息を潜めながら身悶える事しかできない。このままでは、一睡もできそうもない。
朦朧とする意識の中、ふと、先ほどの水シャワーの効果を思い出した。今はそれにすがるしかない。
深夜、たった1人の応急処置
冷凍庫まで這って行き、保冷剤を持ち出した。それをタオルで包み、左足に巻く。
「はうっ」
触れるだけで痛い。深夜の我が家に素っ頓狂な悲鳴が響く。犬が眠そうな目でこちらを見つめている。
そのまま、右足ケンケンでベッドに戻り、クッションを足元に置いた。その上に足を乗せ横になる。
僕は、ぎっくり腰のプロだ。20代から何度も発症し、メスを入れる以外のありとあらゆる治療や予防法を経験して来た。しかしそれでも残念ながらぎっくり腰を発症し、微動だにできなくなってしまった時、唯一少しだけ楽な姿勢が、足を高くして寝る、だったことを思い出したのだ。
結果は、気休めには、なる。
実はこれ、とても大切なことで、気休めさえ発見できれば、そこをヒントにさらなる最適処置を実験的に探し出す突破口になる。
中でも、やはり冷やす行為はとても効果的だと感じた。先週発症した際に、モーラステープを貼って何も効かなかった知見から、スプレータイプの鎮痛剤を患部に吹き付けた。その上に保冷剤を巻く。
だいぶ痛みが遠のく感覚があり、僕はしばし、まどろむことができた。
翌朝
やはり足の痛みで目を覚ました。カーテン越しに外はうっすらと明るくなっている。今日やることはわかっている。病院に行くのだ。
何があっても、鎮痛剤を入手しなければならない。
8時30分に開く近くの小児内科へ駆け込んだ。歳を召した医者は、僕に「尿酸値を調べたことはあるか」と質問した。
会社の検診で、毎年2回計っている、安定して、8前後だと答えると、患部を見ることもなく、「鎮痛剤を出しておく。炎症がなくなったら来週また来なさい」とだけ告げた。
え? もっと何かこう、スペシャルな薬とかないの?
「痛みが出ている時には、尿酸値を下げる薬を飲むと、炎症をさらに悪化させてしまう恐れがある。痛みが治ったら、尿酸値の血液検査して、高ければそれを下げる薬を処方します」
激痛に耐え、僕が手にしたのは10粒のロキソニン。これが、この週末、僕の生命線となる。
甘くみてたよ、痛風さん。
やってくれるね。
さて、帰ってロキソニン飲んで、もう少し寝よう。
やっぱマティーニもだめだったかな。