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Vol.11: SWINGとは何か?なぜ、そのアドリブが退屈なのか?

割引あり

昨日、”日本人は、スイングしない”というような質問に応えている日本人のプロのジャズピアニストが動画を見ていました。

こんな問題に、応えられるピアニストは、どんな演奏するのだろう?と動画を見たら、ああ、また、こんなんかあ、と。

ついこの間(2024年5月15日)、私が、毎月主宰して来たマンスリージャズ・セッション(Vol.96!)に、40代風が客がすでに来ていて、店主と会話中。どうも大学時代、ジャズ研?

不幸にも、今回は、サックスの生徒が残業で来ず、生徒のエレキベースと、元生徒、元プロの52歳ドラマー。
あとは、ピアノの私だけ。飛び入り参加なし。

「サックスが、仕事の残業で来ない見たいだなあ、」と私。

「じゃあ、ピアノトリオで、、、」と元プロのドラマー。

それしかないので、ピアノ・トリオでスタート。

そこで、メインは、元プロドラマー。

私は、専門のギターではなく、教室主宰のジャズセッションでは、ピアノ。

ギターでは、ジャズコードでは、コードの区別が聴覚的にあまり付けられないので、参加するアマチュアの伴奏のサポートになりません。

プロピアニストの参加も有りですが、上級のプロの伴奏は、アマチュアには、なかなかわかり辛いものです。

そこで、私が、ピアノを弾いて、わかりやすい伴奏をするようにしています。(アドリブ奏者が上手いな、とわかると、よりリアルにわかり辛い伴奏をしたりはします。)


今回は、生徒のエレキベーシストに、「ドラマーに引っぱられないように!」とアドバイス。

ドラマーには、今まで、教えた事を、演奏中、自分からしかけて!と。

何を仕掛けるのか?

それは、それは、4ビート(4拍子)の曲が、突然、ワルツの3拍子になったり、ワルツなら、突然、4ビート。

3拍子のワルツになるんだったら、そのまま、2拍子のシャッフルのリズムに。

2拍子のシャッフルなら、すぐに4ビートジャズに。

スローバラードなら、これを6拍子、12拍子に変えて、そのまま、めちゃ速い、Very Fastの4ビートジャズへ。そこから、再び、スローへ、と。

こうなると、曲が、速いも遅いも関係ないし、4拍子も3拍子も関係ない。

お客は、店主との会話に夢中でしたが、50分くらいして、突然、拍手が来ました。

しかし、まだ、1ステージ60分なので、次の曲を弾きだすと、お客さんが、立ち上がり、帰って行きました。

終わってから、店主に、「誰?」と聞くと、私の本を読んでいる人で、私に会って見たいからと来た、と。

それを聴いてびっくり。

店に入った時に、すでに店主との会話中でしたが、私を見ても、何の挨拶もなし。

たぶん、知らないんだろう、と私もスルー。

そして、さらに、びっくりした事に、その客は、ピアニストだ、と。

ピアニストと言っても、大学時代、ジャズ研にいた程度ですが、他のセッションには参加したりしている、との事。

大学のジャズ研、ジャズ研と言っても、まだ、ジャズ始めの18歳~22歳

「大学では、凄い先輩たちに鍛えられました~」という50代の生徒がいたので、「鍛えられて、これか?」と思ったりはしました。

しかし、ああ、18歳と20歳くらいの関係か、と。

もちろん、そこから、プロになった先輩ばかり、という大学もあります。

しかし、疑問に思う事は、18歳のジャズを知らない少年は、何を思って、20歳の先輩が、上手いと思ったのか。

それと、その伝説の?先輩は、なぜ、プロにならなかったのか。

どんな演奏をしたら、18歳の少年たちが、凄い!というのか。

今回は、ピアニストを中心に、一体、どんな練習をしたら、あんな風な退屈な演奏をするのか?という謎の解明です。

ピアニストからすると、指の動かない私のプレイは、どう映るのか?

以前、このセッションに、私が、何回か聞いた事がある、本土から20年前くらいに住みだした、年配ピアニストが来ていましたが、セッション中は、居眠り。

彼は、速弾きが自慢のピアニストでしたが、当初から私の”診断”では、”全くスイングしない!ロボットのようなピアニスト。

指が動かない私のピアノを聴いて、呆れて眠ってしまったのでしょうけど、私は、ギター弾きですが、スイングに関しては、ギターもピアノも同じです。

”スイング”は、技術ではなく、”脳”からの指令に従っているだけですから、例え、プロのピアニストであっても、簡単に超えられる事はないと自負してはいます。指一本でもスイングはスイングです。

そもそも、スイングするピアニストは、海外で活躍しているピアニストでしか、あまり聴いた事がありません。
スイングしないジャズ演奏は、たとえ、どんなに速く弾こうが、そのアドリブ時間分、イライラしてしまいます。無味乾燥のロボット演奏と同じですから。

管楽器で言えば、私は、トランペットでは音すら出ませんが、ピアノなら、私の技術の範囲内で、実演できます。

目玉焼きなら、世界一流シェフとも戦える主婦がいるはずです。

実際、チャーハン対決で、ある有名俳優が、中華の鉄人に勝利しています。

だから、私の弾くスイング・ピアノは、ピアニストでも簡単には真似できない、と思います。

指が動かないからと、指一本で弾いたりはしても、スイングは、スイングです。

セロニアス・モンク(Thelonious Monk 1917年10 月10日 -1982年 2月 17日)もよく、右手指一本で弾いたりしています。

全くスイングできない速弾きのプロ・ピアニストからすると、私がピアノ演奏中だと、露骨に寝っ転がり、居眠りするのでしょうか?
アマチュアだと、露骨に、突然、帰るのでしょうか?

演奏中、こういう態度が平気で取れる人間は、結局、”スイング”がわからないから、自分自身はロボットのような演奏をしても平然としているのではないか、と疑っています。

そこで、あれ?じゃあ、一体、こうしたピアニストたちは、どんな練習を毎日、しているのだろうか?

はたまた、どんな視点で、音楽的価値をジャッジしているのか?という事に大変、興味を持ちました。

今回は、こうした、”誰が聴いても、お金を払ってまで聞きたくない、プロの人たち”を取り上げます。

ピアニスト、ギタリスト、管楽器奏者、打楽器奏者などなど。

こうした人たちを反面教師として、こうならないための練習法は、どんなものか?という事を探って行きます。

みんな似たように、ロボットの弾き方をしていて、完全に無個性なスタイルは、その練習からして、おかしいはずです。
たぶん、似たような練習をしていると思います。

毎日、何時間も練習し、そして何十年もやって来て、こんな無個性な、ロボットスタイルになるのか、これにお金を払ってまで聴く人はいないはずですが、そこは、人の良さで、大量の知人友人を作る、という生き方は確かにあります。

また、私自身、伴奏は、ロボットでかまいません。

実際、IRealPro(アイ・リアル・プロ)という、機械の打ち込みだけの伴奏アプリが、無料であり、現在、プロもみんな利用しています。
ベーシストは、ベース音を消去し、ピアノとドラムスだけの音にし、ピアニストは、ピアノ音を消去し、ベース音とドラムス音だけにすればいいわけです。

iRealPro - quick and easy BACKING TRACKS !! - YouTube

こうしたロボット伴奏で、演奏は、十分可能ですから、日本人は、ロボット伴奏ができれば、世界一流との共演は可能です。

しかし、日本人=ロボット演奏ですから、アドリブは、ロボットのように”無表情”なので、共演は、できても、世界的アーティストのレギュラーバンドには、招聘されないでしょう。

もし、レギュラー活動経験をしたとしたら、それは、その人が、”アドリブ”でも、ファンを魅了している、という事ですから、リーダーは手放すわけがありません。

よく、海外で活躍するためには、膨大なジャズ・スタンダードソングを暗譜していなくてはいけない、と言う米国帰りがいますが、それは、その人が、ロボットの役割で雇われているバンドマンだからです。

1曲でも、その人のアドリブで、観客を熱狂、感動させる事ができるなら、確実にお客さんを満足させるプレーヤーですから、曲なんか覚えていなくてもかまわないはずです。

私なら、もしも、ジェフ・ベック(Jeff Beck 1944年 6月 24日- 2023年 1 月10日)が、セッションに現れて、「枯れ葉:Autumn Leaves」という曲は、知らないな、となったら、私自身が、人間譜面台になってでも、ジェフに「枯れ葉」を弾いて貰いたいです。

覚えている、覚えていないの問題ではありません。

ただ、アマチュアの場合は、覚えていない(メモっていない)という事は、それだけ、下手なのに、さらに、この曲は、練習もしていない、という事を意味するので、ジャズ・セッションなのでは、メモっている曲での参加を条件とするセッションが多いのです。

1曲の演奏で、客を魅了する演奏家に適応するルールではありません。

どんなラーメンでも作ってしまうが、どれを食べても、大した味ではないラーメン屋の店主と、醤油ラーメンしかできないが、あまりにも絶品の味の醤油ラーメンの店主との違いです。

もしも、味噌ラーメンが好きな人がいたら、おそらく、その人に、どうぞお願いですから、「味噌ラーメン」も作って下さい、と懇願するようなものです。

ジャズの世界では、テーマを弾いている最中、30秒聴いても、つまらなかったら、その人が、その後、アドリブを弾いてもつまらないものです。

しかし、1流は、ほんの5秒の1音だけで、すぐに観客を魅了するものです。

こうした人たちは、一体、どんな練習をし、どんな心構えで練習しているのでしょうか。

探ってみたいと思います。


1:日本人のジャズの学び方の新旧の違い

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私にもし時間があれば、これまでのように音楽作品を創造したり執筆する時間が作れます。時間はお金です。両方なければ、ただただ毎日をサトウキビ畑でbluesを口ずさみながら働くしかありません。そうして来たのですが、自分の年齢を忘れてました!😱 サポートお願いします🙇‍♂️