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《ITコラム》「COBOLのjava変換に生成AIを活用」というニュースがなぜ重要なのか

COBOLのJava変換に生成AIを活用するというニュースは、IT業界、特に長年COBOLで構築されたシステムを抱える企業にとって、非常に重要な意味を持つものです。その重要性をいくつかの観点から説明します。

1.老朽化システムのモダナイゼーション促進

COBOLは1950年代に開発された古いプログラミング言語で、現在も金融機関や政府機関など多くの基幹システムで利用されています。しかし、COBOLを使いこなせる技術者は年々減少しており、システムの維持・改修が困難になっています。

生成AIを活用することで、COBOLプログラムをJavaのような現代的な言語に自動変換することが可能になります。これは、以下のメリットをもたらします。

システムの保守性向上: JavaはCOBOLに比べて、開発者も多く、理解しやすい言語です。そのため、システムの保守や改修が容易になります。
セキュリティリスクの軽減: 古いCOBOLシステムは、セキュリティリスクが高い場合があります。Javaへの変換によって、最新のセキュリティ技術を適用することが可能になります。
新技術との連携: Javaは、クラウドやモバイルなど、最新の技術との連携が容易です。COBOLシステムをJavaに変換することで、これらの技術を活用した新しいサービスを展開することが可能になります。

2.DX推進の加速

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためには、既存のシステムをモダナイズし、新しい技術に対応させる必要があります。COBOLシステムをJavaに変換することは、DX推進を加速させるための重要な一歩となります。

わたしは20年以上、IT導入事例の取材を重ねてきましたが、多くの企業が、昔から、COBOLシステムをいかにモダナイズするかという課題に取り組んできたのかを知っています。

もし生成AIで、自動的にJavaに変換できれば、COBOLシステムで培った自社独自の優れた機能を、新しい時代にも手早く残すことができます。このことで組織はDXにより一層前向きに取り組むことができるはずです。

3.人材不足の解消

COBOL技術者の不足は深刻化しており、企業はシステムの維持・開発に苦労しています。生成AIによるCOBOLのJava変換は、この人材不足を解消する有効な手段となります。

4.コスト削減

COBOLシステムの維持・改修には、多大なコストがかかります。Javaへの自動変換によって、これらのコストを削減することが期待できます。

5.ビジネスの継続性確保

COBOLシステムをJavaに変換することで、システムの寿命を延ばし、ビジネスの継続性を確保することができます。

IBM watsonx Code Assistant for Z

IBMは、生成AIを用いてCOBOLをJavaに変換するツール「watsonx Code Assistant for Z」を発表しました。これは、上記のメリットを実現するための具体的なソリューションであり、COBOLシステムを抱える企業にとって大きな希望となるでしょう。

まとめ

COBOLのJava変換に生成AIを活用することは、老朽化システムのモダナイゼーション、DX推進、人材不足の解消、コスト削減、ビジネスの継続性確保など、多くのメリットをもたらします。この技術は、COBOLシステムを抱える企業にとって、大きな変革をもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。

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