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通しあげ そば鶴 一乗寺~番外編~ 

蕎麦屋で呑むなんて。
いつだったか京都の日、バヒュッテにお邪魔していると黄色い大きな花を持った女の人が自転車で颯爽と現れた。ドラマかと思うほどのシーンだが、とても自然で素敵なクレイジー臭ぷんぷんの彼女は近くでお蕎麦屋さんをやってるという。バヒュッテの店主が“いいよ“と言うところにはホイホイと行く私たちは、次回の京都で必ずや、と思ってようやくその日。

出町柳駅から叡山電鉄に乗り換え一乗寺駅で下車。叡山電鉄に初めて乗ったけど、小さくてレトロでとてもかわいい。電車も前の方しかドアは開かず、バスのように降りる。駅員さんの「ありがとうございましたぁ!」が一人一人に気持ちよく、天気もいいし、最高の気分。

そば鶴へ向かって歩いていると、恵文社発見。来たことある本屋さんがまさかここだったとは。前は車で来てここだけ寄って帰ったので、この町がこんなに素敵な町だとは気づかなかった。歩いてみるもんだなと思う。恵文社もあってバヒュッテも近くて、行ってみたいお店がたくさんある。そら、面白い人がたくさん住んでるわぁと納得する。

あとで寄ろうと通り過ぎ、そば鶴到着。老舗な店構え。赤提灯がいい。カラカラと引き戸を開けると、「テーブル席どうぞ~。」と通してもらい窓際の席に座る。本当はカウンターに行きたいけど、まだまだ。まだ早い。

なんせお品書きが最高。こんなお品書きは見たことない。そして値段が書いてない。(笑)
ま、そんなことは気にせずに食べたいものをどしどし注文。まずは生ビール。グラスの薄さがちょうどいい。上品でシンプルで薄ハリすぎない。
料理は鱧の造り、銀杏と秋刀魚の塩焼きにらっきょう、トマトのおひたしと水茄子の浅漬け、お通しの卯の花も最高。昼からこんなに食べるなんて、よっぽど美味しいのだ。

カウンターで1人、お酒を呑みながらつまむお父さんがいた。とても羨ましい。いつかやってみたい。少し遅めに入ったので、もう常連さんの時間みたいだった。それでもポツポツと一人客も来たり、のんびりしたいい雰囲気。
自家製のレモンビール、へべすサワー、しそサワー、あとなんか白いお酒をたっぷり呑み、なんとも贅沢に過ごす。〆にかけ蕎麦と、私はざる蕎麦を頼んだ。蕎麦も大好物なので、夢のような時間だった。
人生1が出たかもしれない、、と本気で思う。

バヒュッテで会ったお姉さんと、お兄さん2人。ご兄弟で営まれているらしい。お姉さんは私たちのこと覚えてるのかどうかわからなかったけど、いい感じにドライで優しくて居心地が良かった。

昼とは思えないお会計だったことも、最高の思い出。(笑)
京都に来たら絶対に来る。今度は夜に。
いや、昼も夜もでもいいくらい。

ぼちぼち歩いて恵文社で本を買い、バヒュッテへゆく。「そば鶴に行ってきました!最高でした!」というと、また違う店を教えてもらうのだった。京都は手放してくれないなぁ。


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