電子書籍『心の底から「やりがい」を感じられる仕事の見つけ方』の内容紹介【第1話】
はじめまして。マズロー研究家&物書きをしております、北岡たちきと申します。
このマガジンでは、先日リリースしたばかりの、Amazonのkindle電子書籍 『心の底から「やりがい」を感じられる仕事の見つけ方』の内容の一部をチョコっとだけご紹介させていただいています。
※※※ご注意!※※※
上記書籍は現在、タイトルと表紙を下記にリニューアルし出版しています。
※※※内容は二冊とも同じなので、これ以降の記事はそのままお読みください※※※
この書籍は、「自己実現」という言葉でも有名な心理学者であるアブラハム・マズローが語る「仕事論」をまとめたものです。
「やりがいある仕事とは何なのか?どうやったら見つけられるのか?」
「自分も周囲の人も幸せになれる、理想的な働き方・コミュニケーションとは?」
「成果を上げ、なおかつ心も健康でいられる組織のつくり方とは?」
この本は、こういった事柄にご興味のある方はお楽しみいただけると思います。
なお、このマガジンは書籍の内容をテイストを変えて紹介しているものなので、書籍をすでにお読みいただいた方には内容の復習としてもお役立ていただくことができます。
さて、それでは早速、今回の記事の本題に入っていきましょう。
まず、最初の下準備として、そもそも論としてなぜ心理学者であるマズローが「仕事・ビジネス」や、「従業員のモチベーション」、「会社経営」などといった事柄に興味をもったのかについて、簡単に触れておきたいと思います。
「自己実現」や「欲求階層」という概念とともに、生涯にわたり心理学者として常に第一線で活躍し続けたマズローですが、彼は1908年にアメリカで生まれます。
マズローはまず大学で心理学を勉強し、卒業後は心理学者として人の心の健康に関する様々な研究に励むようになるのですが、当時のアメリカにおいて世間一般にマズローの名前が有名になったのは、実は心理学者としてではありませんでした。
意外と知られていないのですが、マズローの理論は、従業員のモチベーションに関する理論として経営学という分野を通して注目されたのがはじまりです。
その契機となる出来事は、マズローが54歳のときに、カリフォルニアにあるノンリニア・システムズ社という電子機器を製造する会社に客員研究員のような形で招かれた事がきっかけでした。
同社の社長であるアンドリュー・ケイは、マズローが執筆した『人間性の心理学』という書籍を読んで多大なる感銘を受け、マズローに心理学者としてその会社の工場で働く従業員の調査・研究を依頼します。
そして、そこでの経験を通して、マズローは自身の経営論を打ち立てていくのです。
なお、マズローは心理学に関しては当然かなりの知識量がありましたが、経営学やビジネスに関しては特に精通していたわけではありませんでした。
そんなマズローが、自身の経営論を打ち立てるために参考にしたのが、かの有名なピーター・ドラッカーが提唱する経営論であり、したがってマズローの述べる経営論はドラッカーの主張をベースにしているということも、世間一般には意外と知られていないポイントだったりします。
ちなみに、マズローはドラッカーの書籍を読み進めるにしたがいそこに書かれている内容が心理学に秘められた可能性と結びついていることに気づくのですが、そのことに非常に大きな感動をおぼえたと自身の手記に残しています。
また、 ドラッカーが下した結論が自身の心理学の結論と非常に類似しているともマズローは述べています。
そしてマズローは、「現代経営学の父」とも呼ばれ、世界的大ベストセラーである『マネジメント』の著者であるドラッカーの理論と自身の編み出した心理学を融合することにチャレンジしたのです。
また、マズローはドラッカー以外の経営学に関する書物も大量に読み込んだのですが、その中でも特に参考にしたのがアメリカの経営学者であり「X理論・Y理論」という概念を生み出したダグラス・マレイ・マクレガーの理論でした。
つまり、マズローは、マクレガーの理論とドラッカーの理論とノンリニア・システムズ社での自身の経験を土台に自身の心理学を突き詰めていったのです。
なお、マズローがノンリニア・システムズ社からの招待を受け入れことは、心理学者としてのマズローのとある葛藤に由来しています。
マズローは、心理学の研究を通して「より良い人間とは何か?」をずっと探究し続けていたのですが、その答えを明確にするには「より良い社会とは何か?」という問題と向き合う必要性がありました。
そして、人々を心理的学に健康にするためには、その人々が生きる社会を良いものにする必要があるという結論にいたります。
このような考えのもと、マズローは人々の心をより健康にするために、社会において非常に重要な位置付けを担っている「会社」という組織における心理的な研究に注力したいと考えるようになったのです。
ここで、このようなマズローの気持ちを象徴するようなとある本の表紙デザインについて、最後に触れておきたいと思います。
マズローが出版したその共著の表紙には、 二枚の写真が対比される形でデザインされており、一枚は病院の新生児室に並ぶ幸せそうな赤ん坊たちの写真で、その下にあるもう一枚の写真は、ニューヨークの地下鉄を撮影したものでした。
二枚目の写真には、満員電車の中で吊り革を握る人々の疲れ切った血の気のない顔が映し出されています。
そして、この二枚の写真の下には次のようなメッセージが書かれていたのです。
「なぜ、こうなってしまったのだろう?」
これこそが、マズローが生涯をかけて解明しようとした問いかけなのです。
このようなストーリー的な背景もあり、ノンリニア・システムズ社での調査が実現したわけですが、実際の成果はいかがなものだったのでしょうか。
ここでは結論だけ言うと、同社での実地調査とそれに伴う数々の発見や考察は、マズローにとってはその後の自身の心理学者としての方向性を定めたとも言える程の重要な経験になったのです。
実際にマズローは、ノンリニア・システムズ社での調査を振り返り、企業というのは知識の源泉であると同時に実験室に代わる場であり、さらに言えば実験室よりはるかに有用であることが多いと述べています。
それでは、そのような過程で得られた知見とはどのようなものであり、そしてそこから導き出されたマズロー流の経営論、すなわち、人々をより心理的に健康にし、それが企業の利益や健康につながり、ひいては社会全体をより良いものにする経営論とは、いったいどのようなものだったのでしょうか?
このことについて、次回からその内容を「仕事全般」「組織」「経営」という三つ分けて徐々に紐解いていきたいと思います。
第2話は下記リンクからどうぞ。
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