irony:cherryblossoms blooming
バイト先のそばのサクラが満開だった。時刻は夜1時前。短い時間で誰でもいいから誘って夜桜の下で1缶ずつ持って他愛のない話でもしてえ気分だった。帰り道曲がり角で自転車にまたがってつい話し込んじゃう感じで。
先週から一昨日まで実家に帰っている間に一気にコロナが広がった。外出自粛が叫ばれる昨今、夜居酒屋に飲みに来る客は限られる。無理もない。自分も客として外出しようとは思わない。いつも以上に消毒を徹底しドアは常に開けて換気という中働いてきたが、客がいないかいてもかなり少ない店内の重苦しい雰囲気に押し潰されそうだった。法改正で4月から子供も利用できる飲食店は禁煙になったこともあり、大将はタバコのせいで客が減ったんじゃないかと冗談言って笑う場面もあったが、どこか心苦しそうな笑顔に見えた。こんな日は時間の過ぎるのがとにかく遅い。普段は大抵忙しくなる時間があり、優先順位を考えて動くうちにもうこんな時間みたいな感覚で、終わったあとであの場面では少しはうまくやれたかなとか思い返しながらコンビニで好きなお酒を1缶だけ選ぶのが楽しみみたいな流れができつつあるのだが…。今日はお酒は買わずに帰った。
自分にとっては働かなければ遊びに使えるお金が減るだけだが、大将たちは生活がかかっている。これを境に街のお店がますます大手チェーン店だらけになってしまったら外食の楽しみが減ってしまう。憎きコロナ、早く収まってくれることを願う。