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Citizen Sleeperの用語メモ

うろ覚えなので全然誤情報書いてると思うネタバレありメモ。 随時更新 宇宙船アーリンズ・アイ(瞳) 物語の舞台。 企業の工場が入ってたり繁華街があったり、わりと栄えている。 住民は基本的に他の星からの移民や、労働力として連れてこられて定住した人が多い。違法含む貿易船の仲介ルートとして活用されている。 ウィンターライト号 ドラゴスが買い付けしたボロボロの宇宙船。 スリーパーが乗ってきた船と同様、何者かによって故障し、瞳にたどり着いた。乗っていたスリーパーたちは亡くなっている…

    • すみっコぐらし2021感想

       ※ネタバレを含みまくります。 「映画すみっコぐらし青い月夜のまほうのコ」を見てきました。  1作目のソウルを受け継ぎつつ、やさしい世界成分がつよめになっていたような気がします。前作と同じくすみっコたちのこまかい動きに気がくばられていて、ほんとに丁寧で真摯な作品だな〜と思います。 あらすじ(公式サイトより引用)  ​とある秋の日、キャンプに出かけて行ったすみっコたち。空を見上げると、いつもより大きく青く輝く月が。 「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法使いたちが町に

      • すみっコぐらし2019感想

         Amazonプライムで配信中の「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を観ました。ネタバレ有。  友達から「良いぞ」と聞いていたので、軽い気持ちで見始めたところ、とんでもなく現代的な作品で驚きました。  映画冒頭、丸っこいキャラクターにバグっぽいノイズが走りつつ、月を見ながら涙を流している⋯。もうこの時点で「!?」状態。ゲーマーなら周知の「ノイズ=存在自体が不安定」の方程式が脳内で炸裂し、冒頭から心拍数が上がりました。  そのままキャラ紹介に入っていくんですが

        • UndertaleGルート感想

          ※ネタバレを含みまくります ほんとにすげーーーーーーゲームだった。ゲームの中のゲーム。 以下、しめっぽい感想。 ◆自分の手で世界をぶっ壊しました はぁ。なにやってんだろ。  キャラクター達を殺して、サンズに止められて、殺して、最終的には世界をぶっ壊してしまった。キャラクターが可哀想とか通り越して、ひたすらに虚無感。本当に何にもなかった。  未知を求めることが事が必ずしも善い事とは限らないっていうのが、いざ目にみえる結果になると、途端にそんなつもりじゃなかったって言い

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        • 感想
          4本

        記事

          UndertalePルート感想

          ※ネタバレを含みまくります  Pルートをクリアしました。ほんとにすげーゲームだよ…。  一週目わりと多めにモンスターの命を奪ってたので、世界の見え方の違いに本当にすいませんってなりながら進めました。  同じセリフでも自分が後ろめたい所があるかないかでここまで感じ方が違うんだな~。アルフィーの「アンダインのバトル見忘れた!あとで見よ~^^」とか。一週目だと嫌な汗しか出てこん。  とりあえず印象的だったところをヴァーーーっと書きます ■しんのラボでむき身の現実を見せられ、

          UndertalePルート感想

          保湿クリームを作るマヌ

           (クラゲ⋯)  改めて身体に、不恰好に千切られたクラゲの片を塗りつけてみる。 「ヌルヌル⋯モット」  確かにヌルヌルとしているが、粘度が弱く、十分に身がきざまれていないせいでボタボタと地面に落ちた。現時点で一番クリームに似ている、というだけで人間のつくったそれには遠く及ばなかった。マヌは座ったまま、力なく上半身を倒した。飛沫があがり、その身は海水に包まれた。 (モジ、ヨムタラ、ツウルデイル ?) (モジ、ヨムタラ、ゼンブツウルデイル ? カミモ ?)  文字が読めるようにな

          保湿クリームを作るマヌ

          マヌ、はじめての火起こし体験

          巨茴香と魚 ——— 「ヒ、ヒ、ヒ」  ブツブツと呟きながら、小枝で木片を叩いているのは、人の形をした何者かであった。鱗に覆われた身体、節々にある半透明の膜に陽光が反射し、息をするたびに首元にある鰓のような器官が暗い朱色を覗かせた。訝しげにそれを観察する4人の男たちが息を潜め話し合う。年齢はまばらだが、全員が痩躯で、疲労が隈や白んだ髪に表れている。 「本当に大丈夫ですかね?不意をついてけしかければ、もしかしたら⋯」 比較的若い男が、真ん中に立つ男へ声をかける。ごつごつと骨の

          マヌ、はじめての火起こし体験

          許可証ロッテリア

          暗い。 扉を開いた瞬間そう思った。夜なのだから当たり前だが、昨日よりも確実に暗い。 これは新月だな。と空を見上げると、まるまると太った月が輝いており、明るかった。自分の目がいい加減なのか、感覚自体がおかしいのかわからないが、この澄んだ濃い影の中を歩いていくとなんだか心が洗われるようだった。 さらに心を洗うため、繁華街の広場に向かう。半端なイルミネーションが半端に街を彩っていて、そこにはナンパをする男、登山家のような装備の老人、老人のツレらしき歌う若い女、歌う女を茶化す男、ひ

          許可証ロッテリア

          憧れと隷従

          学生のころ、心が参ったときはよく自己啓発サイトを見て奮起していた。 その瞬間は雲間に光が刺したかのような希望をもたらすけど、日常に揉まれれば1日もたたずしてその熱気は消え失せる。何回か繰り返しその事に気づき、更に何十回繰り返しもうこれは辞めようと決意する。 「駄目な自分を愛しましょう」とか、どこの誰だかもわからないやつに言われたくねーよ、と逆にそういう自己啓発を避けるようになった。もともと天邪鬼だしな。 それから何年も経って、自分の受け入れられる自己啓発を発見する。 好きな

          憧れと隷従

          透明の端くれとしての透析

          透明というのには不思議な魅力がある。 突出した利便性や、冷たいや暖かいなどのわかりやすい要素を持っていないにも関わらず、老若男女多くの人を惹きつけてやまない。透明とつくものの多くには好ましい印象があり、その音を聞くだけでも、爽やかで心地の良い気分になる。だが、自分の知る限り一つだけ、“よくない透明“というものがある。 私はこどもの頃から腎臓があまりよくない。腎臓という器官は重症化がわかりづらく、たとえ何らかの障害があっても、若いころは痛みを伴わないことが多い。痛くなければ恐る

          透明の端くれとしての透析

          映画「告白」

          ‪映画版告白みて心が埋葬された‬ ‪やっぱアジア圏の精神にくる映画のダメージが半端ねぇよ⋯⋯逆に言えば欧米圏の映画を超ファンタジーとして見てるってこと⋯⋯それ含めて2倍つらい‬ ‪クソつらいのでファンタジーとして見ると、先生とAの母親の対比が好きだ。 両方とも母親で、憔悴しきっているが、先生はそれが冷静さに出て、母親は錯乱に出る。‬‪いや、先生の精神フィジカルが強すぎるってのもあるけど、先生には終わり(AとBをコテンパンにすること)がハッキリ見えてて、能動的に行動できたから

          映画「告白」

          井の怪

          井戸の中になにかがいる。 人とも獣ともつかないうめき声を発する井戸を、覗き込む人影が2つあった。 「ちょうど、賊徒から頂戴した脇差があります。」 人影のうち1つが、そう言って懐から小刀を取り出した。一尺2寸、栗鼠皮のツカで、鞘は鈍色。ツカ頭は銅で、菊谷と堀入れがあり、表に陽、裏に清の二文字がある。 進み出て、脇差をツっと井戸の上へ突き出した。 「しかし、もし...」 「人であれば、声もだしましょう。」 刀は、闇の中へ落とされた。 カキッと何度か音がして、次第に止まった。

          人間式潜水

          僕らは親の顔というものをしりません。心づいたときには海を回遊し、真珠がとても美味しいものだと知っていました。周りにいるのは全て友達でした。僕らの世代はむかし、言葉を持たなかったので...思考の醸造がされにくく、共有という概念が希薄でした。 人間の知識や、歴史の力を借りて考えるに、僕らにも親がいるのだと思うのです。仮説を立てたならば、あとは検証する。いわば人間式の潜水です。この仮説の支柱は親という個体を探すこと。もとい、出産している人(魚人)を探すことで、証明されます。僕の浅薄

          人間式潜水

          6/13

          「にてますね。」 私ははぁと腑抜けた声を出す事しかできなかった。彼らからすれば私は十日前に上がった死体と同じ顔であるらしかった。 彼らの死生に対する反応は希薄である。 数年前までは言葉も持たなかったというから、魚のような鱗をもって、心持ちも魚のようだったのかもしれない。 「あなたもいつか会った魚人と似ていますよ。」 亡骸と同じ面の私は、にべもなく言った。加えて言えば、私には彼らは全て同じ顔に見える。彼は大きな目をさらに大きくした。 「本当ですか?僕も会ってみたいです。どこで会

          散文・宝石の国を読む

          9巻までのネタバレを含みます フォス。 感想を一言でと言われたらもうフォス。としかいえない。 ひときわ脆く、狙われやすく、不器用なフォスが恩人であり同じ低硬度のシンシャの望みを叶えようと奮闘し成長していく。的な、漫画だった。途中まで。 アンタークが連れていかれたあたりから、フォスが望めば望むほど、それが遠ざかっていく。アンタークまではまだ望みと代償の均衡が取れてた気がする。シンシャとの約束を叶えるために失った腕や足は、シンシャのためという比較的前向きなパワーがあったと思う。

          散文・宝石の国を読む

          海の家_2(終)

          「葬式ですか。」 殊勝な息子だ。先立った母を弔おうとしていたのか。だがそうなれば、ひとつ暗いざわつきを感じる。 「...遺体はまだここに?」 「いえ。海に ...沈めました。母は、自分が死んだときは海に投げ入れてくれと。」 「あぁ」 彼の母という、ぼんやりとした形をしたものが、ひとたびに見慣れたものに変わった。 「私もそう思う時がありました。忘れられないのです、己が故郷を。あの大地、あの家を。郷愁というには、文字通り大きすぎますが...。」 言い終わったあとに、彼の目に哀感

          海の家_2(終)