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【はるかぜ 第5話】3分で読める恋愛小説|青春物語|毎日21時更新

5. クリスマスの約束

クリスマスが近づくと、街はイルミネーションで彩られ、俊の心も少しずつ浮き立っていた。

俊はちなつと親しくなってきたことを感じつつも、次のステップに踏み出す勇気が出ないでいた。

「先輩、あの…もしよかったら、クリスマスに一緒に出かけませんか?」

放課後、意を決して俊はちなつに声をかけた。

「え?クリスマスに?」

ちなつは少し驚いた顔を見せたが、すぐに微笑み、

「いいよ。楽しそうだね。」

と答えた。

「本当ですか!?ありがとうございます!」

俊は思わず声を大きくしてしまい、ちなつはクスリと笑った。

クリスマス当日、俊とちなつはイルミネーションが美しい街を一緒に歩いていた。

色とりどりの光が輝く中、俊はちなつといることが信じられないほど幸せだった。

「先輩、イルミネーション、すごくきれいですね。」

俊は少し緊張しながら話しかけた。

「うん、本当にきれいだね。でも…」

ちなつはふと立ち止まり、俊を見つめた。

「今日、一緒にいてくれてありがとう。こういうの、私、一人だと来ないから。」

「そんな。僕こそ、先輩と一緒に過ごせるなんて、夢みたいで…」

俊は言葉が続かず、心臓が高鳴るのを感じた。

「俊くん、なんかいつもより緊張してない?」ちなつは軽く笑いながら彼を見つめた。

「そ、そんなことないですよ!ただ…その、実は…先輩にずっと言いたいことがあって。」

俊は拳を握りしめ、勇気を振り絞った。

「何?どうしたの?」

ちなつは優しく彼に問いかけた。

「僕、先輩のこと…ずっと好きでした。」

俊はついに言葉を口にした。

沈黙が流れ、俊は緊張で顔が真っ赤になっていた。

ちなつは少し驚いた表情を浮かべ、しばらく俊を見つめていたが、やがて静かに笑顔を見せた。

「ありがとう、俊くん。でも…少しだけ、考えさせてほしいの。」

「…はい。分かりました。」

俊は肩を落としながらも、彼女の返事を待つことを決意した。

その夜、俊は告白が成功しなかったにもかかわらず、ちなつと過ごしたクリスマスデートを思い出し、なかなか寝むることができなかった。

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3分小説家|橘藍 たちばなあい
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