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【はるかぜ 第4話】3分で読める恋愛小説|青春物語|毎日21時更新

4. 体育祭の絆

体育祭の当日、俊はクラス対抗リレーの選手に選ばれていた。

俊自身は足が速い方ではなかったが、仲間と一緒に頑張ることを決意していた。

しかし、リレーの最後の走者となったとき、すでにクラスは他のチームに大きく差をつけられていた。

「どうしよう、これじゃ負けるかも…」

バトンを手にした俊は焦りとプレッシャーで足がすくむ。

「頑張れー!高木くん、いけるよ!」

突然、応援席から聞こえた大きな声。

振り返ると、ちなつが手を振って応援していた。

「先輩…?」

俊は驚いたが、その声に励まされ、全力で走り出した。

俊の目にはちなつの応援する姿がはっきりと映り、彼女の声が力を与えてくれたようだった。

俊はゴールに向かって全力で駆け抜けたが、結果は4位。

それでも、彼の中には達成感が残った。

「お疲れさま!」

レースが終わった後、俊のもとに駆け寄ってきたのは、もちろんちなつだった。

「先輩…ありがとう。応援してくれたおかげで、頑張れました。」

俊は息を切らしながら感謝の言葉を伝えた。

「ほんとに?私の声でそんなに頑張れたなら嬉しいな。

でも、君自身が頑張ったんだよ。」

ちなつは笑顔で俊の肩を軽く叩いた。

「いや、あの時、先輩が応援してくれなかったら、あんなに走れなかったです。本当にありがとうございます。」

俊は真剣に答えた。

「そんなに感謝されると、ちょっと照れるな。でも、高木くんの真剣な姿、すごくかっこよかったよ。」

ちなつは少し恥ずかしそうに言いながらも、真剣なまなざしで俊を見つめた。

俊はその言葉に顔を赤らめ、どう答えていいのか分からなかった。

ただ、彼女の言葉が心に響き、体育祭の一日が特別な思い出に加わっていた。

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3分小説家|橘藍 たちばなあい
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