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【はるかぜ 最終話】3分で読める恋愛小説|青春物語|毎日21時更新

エピローグ: 桜の下で

再会してから数ヶ月が経ち、俊とちなつは何度か会っていた。

桜の季節が終わり、初夏の爽やかな風が吹くある日、二人は久しぶりに一緒に過ごすために出かけることになった。

「俊くん、今日はどこに行こうか?」

ちなつは明るい声で問いかけた。

「そうですね…少し歩いてみませんか?あの桜並木のところに行ってみたいんです。」

俊は提案した。

二人が再会したあの桜の道にもう一度訪れることが、彼にとって意味深いと感じていた。

「いいね、桜はもう散っちゃったけど、また一緒に歩くの楽しそう。」

ちなつは微笑んで歩き始めた。

桜並木を歩きながら、二人は昔のことを思い出していた。

俊は、高校時代の思い出や、ちなつとの特別な時間が、今でも彼の中で大切な宝物だと感じていた。

「先輩、実はあの日のこと、ずっと考えてました。」

俊は急に真剣な表情で話し始めた。

「何のこと?」ちなつは少し驚いた表情を見せた。

「クリスマスに、僕が先輩に告白した時のことです。あの時は…返事を待つって言われたまま、その後どうしていいか分からなくて。」

俊は少し緊張しながら、でも勇気を持って言葉を続けた。

「でも、再会してから、僕の気持ちは変わっていないって、改めて気づいたんです。」

ちなつはしばらく黙っていたが、やがて小さく笑った。

「そうだね、あの時はびっくりしちゃって、どう答えたらいいのか分からなかったんだ。でも、私も…あの時からずっと俊くんのことを考えてた。」

「先輩…それって…?」

俊は少し戸惑いながらも、彼女の言葉を待った。

「私も、俊くんのことが好きだよ。高校の頃は素直になれなかったけど、今ならちゃんと伝えられる。」

ちなつは穏やかな微笑みを浮かべながら、静かに言葉を紡いだ。

俊の胸は大きく高鳴った。

ずっと待ち望んでいた言葉が、ようやく彼の心に届いた。

「先輩…。僕、これからも先輩のそばでずっと支えたいです。」

俊は喜びと感動で胸がいっぱいになり、言葉に詰まりながらも彼女に想いを伝えた。

「うん、ありがとう。これからはもっと自然に、ね。」

ちなつはそう言いながら、彼の手をそっと握った。

桜の季節は過ぎ去ったが、二人の間には新しい春が訪れていた。

風が穏やかに吹き、これから続く長い未来を予感させるように二人を包んでいた。

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3分小説家|橘藍 たちばなあい
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