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『短編小説 はるかぜ』3分で読める恋愛小説|青春物語

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高校2年生の高木俊は、いつも優しく見守ってくれる先輩、平子ちなつに密かな憧れを抱いていた。おっとりとしたちなつの笑顔に励まされる日々だったが、そんな彼女ももうすぐ卒業の時期が迫っ…
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#物語

【はるかぜ 第3話】3分で読める恋愛小説|青春物語|毎日21時更新

3. 文化祭の奇跡文化祭の準備が佳境に入り、俊のクラスでは模擬店の準備に追われていた。 一方で、ちなつは3年生の劇の練習で忙しそうだった。 「先輩、劇の準備、順調ですか?」 俊は廊下で彼女に会った時、勇気を出して声をかけた。 「うん、なんとかね。でも結構大変。台詞覚えるのが苦手でさ…」 ちなつは苦笑いを浮かべた。 「え、先輩でも台詞覚えるの大変なんですね。いつも完璧に見えるから、そういうこと想像できなかったです。」 俊は驚いて言った。 「そんなに完璧に見えるか