じごくグルマ
暑い夏を迎えると、やはり青春時代をおもいだしますねぇ。
カネがなくて、彼女いなくて、時間だけあって。
その頃住んでたアパートは学生アパートで
隣近所が仲良く、貧乏学生が
ヒマをもてあましていたものでした。
確か7月中旬の大変暑い日で、お中元配達のバイトも
時期的に終わってしまい、やることもなかったので
隣の部屋のコーハイの「内山君」とそのさらにとなりの「ハナサキ君」に
「海にドライブ行かない?」
と声をかけました。
夏といえば「海」!!
若者といえば「海」!!
女の子といえば「海」!!
と暑さにあたってしまい、ヘンな思考になっていたのも
あったかもしれませんが、
3人で海へ向けてドライブすることになりました。
でも3人とも当然クルマ持っていないので
レンタカーを借りることにしたのですが
貧乏なので一番安いやつに飛びついてしまい
エアコンなし、のクルマにしたのです。
その頃はそんなクルマもあったのです!!
エアコンなし、に最初不安はありましたが
走るわけだし、窓を開けておけば爽快な風が吹き、
さわやかな若者(自分たちのこと)にお似合いさ、
との結論に達して出発しました。
国分寺から湘南を目指して!!
走って10分もしたら、その失敗に気付きました。
とにかく暑い。吹く風も暑い!!
窓を開けようがクルマの中は暑い!!
エアコンなしのクルマを甘くみてました。
こーんなに暑いとは。
その失敗に気付いた3人は徐々に無口になり
途中、ファミレスを見つけては寄り、その涼しさを享受し
湘南に着いたときはすでに夕方。
暑さにやられた3人はボーッと海をながめ
泳ぐ用意をしてこなかったことを後悔し
イカの姿焼きを食べて、再び暑いクルマで
運転を交代しつつ帰途につきました。
じごくグルマ
そんな言葉がぴったりな夏の日の思い出でした。