AI、いい波乗ってるの?
生成AI関連のプロダクトも株価もうなぎ登りな今日この頃ですがみなさんは、このいい波に乗っていますでしょうか?
今日のテーマは「今のプロダクト進める中で、どのようにAIと向き合っていくの?」です。
みなさんはどのように向き合っていますでしょうか。
シリコンバレーでは、AIを使えないプロダクトマネージャーは土俵に乗らないという事も聞きます。
焦りますね……。
今日は事業というよりもプロダクトマネージャーのスキルや経験の話になります。
この基礎力は今必要とみなさん感じているのではないでしょうか。一方で、既存のプロダクトを運営しながらこの経験を得ることの難しさを覚えております。
私は日々焦りながらも、お客様の課題に向き合うソリューションを、早く安定的に提供することに追われて、使い慣れた技術を提供している今日この頃です。
みなさんも試行錯誤されていると思いますので、少しでも言語化の役に立ったら嬉しいです。
プロダクトを運営しながらAIを導入することの難しさ
私自身もそれなりのポジションを頂いているのですが、AIソリューションを実験的にも導入していくことの難しさも感じています。
ROIが既存のソリューションを超えない
組織に”遊び”がないとできない
Howの話になりがちなので、Why警察に捕まりやすい
1. ROIが既存のソリューションを超えない
まずこれは領域によると思いますが、公開されたLLMなどを利用するにせよ、自前でLLMを構築するにせよ、それなりの費用がかかります。
一方で効果をそろばんすると、なかなか超えてこないという実態も経験しています。
効果を試算するケースとして、社内であれば代替のシステム費用や効率化による外注費や人件費の削減など、ユーザであれば満足度などがあると思います。
いずれにしても利用者に目を向けると、生成AIに対して存在そのものは受け入れられている実感はありますが、実際に利用する人はまだ限定的な感覚もあります。
当然チューニングフェーズでは効果が実感しづらい状態もあります。
利用者の規模も効果も、短期では効果が見えにくい、というのは心しておく必要がありそうです。
様々なSaaSが生成AIを使った機能が、オプションでそれなりの単価設定で提供されているのはそういった部分もあるのでしょう。
また、既存のソリューションを落とすわけにもいかないですから、二重のシステムが必要になるという状態もあります。
いずれは生成AIに置き換わるだろう世界観を否定できる人は少ないかもしれませんが、今年度の予算達成を阻害する事を否定することも簡単です。
生成AIは既存のプロダクトの片手間で導入するには、ROIの視点ではやや見通しが立ちづらい領域のように感じます。新規事業のような取り扱いが必要そうです。
2. 組織に遊びがないとできない
これは新しいものづくりなんでもそうだと思いますが、前提としての遊びやゆとりがないと実験的なことができませんね。
新規領域の王道な進め方として、小さく作り、MVPを作り、グロースさせていていくと思いますが、もちろん時間がかかります。その間のコスト(投資)を継続できるかが問題になってきます。
社内内製開発でのPoCはある意味頑張れば残業代くらいなもので費用が目だたず溶けてしまいがちですが、生成AIともなるとそうもいかず、追加のキャッシュアウトをしていきます。
R&Dとしての投資を、会社として行なっているかが大きいのではと感じます。
ただ、その中でも我々のようにプロダクトが好きな人々は、ワクワクを推進力に変えて、これらを動かそうとしている事でしょう。
そう、勝手にやっちゃうのです。リソースとかは後でなんとかするんです。説明が難しくわからない人にはわからない。形にするのが一番です。
それでも阻害するものが社内にはたくさんあります。
3. Howの話になりがちなのでWhy警察に捕まりやすい
それでも阻害するものが社内にはたくさんあります。
生成AIは、誤解を恐れずに言えばHowな話です。
「生成AIを使って何かしよう」は、課題起点ではないので、ある意味アンチパターンとも言えそうです。
社内で実験をしている人がいると、
「Howからスタートしたんですね」
「目的はなんですか」
と、100000000000回きいたコメントをするために、どこかしらからか警察が出動します。
健全な議論をするための良い組織ですね。
ただ生成AIについては、How起点問題はあれども、それを超える可能性が十分あると私も感じています。
私なりに感じる点は2つで、
このHowが、「対話」「インターフェース」であったり「生成」であったり、ソフトウェアのソリューションの中で重要になりがちの部分を提供しています
これまでの発想を飛躍するような圧倒的な変化があるHowである
Howを固定することで、これまでの発想を飛躍できる可能性もあるでしょう。
ただもちろん課題無くして進めるは何も得るものがありません。
つまりそこを結びつけられるかは、プロダクトマネージャーの腕の見せ所です。筋のいいソリューションに仕立てることが重要です。
しかし、いかんせん、世の中に事例もこれから、自分も知らないので、筋の良さがわからないのもまた事実です。
ここでも壁にあたります。
既存のプロダクトでAIを進める動きづらさをまとめると
生成AIはROIが短期的にはかりづらいもの(かもしれない)
R&Dの文化がないと、個人で進めることになるが、個人で進めるには、お金とHow起点で課題と交わらせる仕立ての腕が必要
その腕を磨く場を作るために、のニワトリタマゴになる
結局行き着くのは….
「新しいサービスを自分で作るのが一番良いのでは」です。
わかりやすいですね。
メリットを3つ挙げます。
既存プロダクトの制約が何もない。二重運用にもならないし、やりなおしもしやすい
言葉にしづらい体感を誰かへの説明の必要がない
自分の学びと考えると、プロダクトとしてのROIを無視できる
デメリットもあります
お金がかかる
ここだけは解決しなさそうに感じます。そこで私はメリットの3点目を自分の中の大義にしておきます。
いくらまで耐えられるかは人それぞれと思いますが、私は生成AI関連については、何かあれば秒で課金しています。
このダイナミックで独断な意思決定は、事業やチームを運営しているとなかなかできないものです。(ぽく言ってみましたが数千円・数万円の話で、みなさんやってることですよね)
終わりに
今のプロダクト進める中で、どのようにAIと向き合っていますでしょうか?
私はなかなかうまく進められない難しさを感じています。
そのために、まずは自分自身が生成AIにどっぷり体感する必要があると思っています。それでこそ語れる事、仕立てる事ができるようになるはずです。
なかなか仕立てたAI株が上がってこないですが、それもまた学びです。
これからの波をつくるためにもいい波に乗っていきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました!