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東欧旅行記 day7 世界の車窓から(ルーマニア編)
ソフィアのバスターミナルは駅の横にあるわけだが、実は更に横にもう一つの別のバスターミナルがある。なので自分のバスがどちらのターミナルから出るかを予め確認しておかなければならない、と危うくターミナル間違えて乗り損ねかけた自省を込めて言う。
1030に出発したバスは5時間半もかけてルセに向かう。ルセはドナウ川の南岸にへばり付くようにしてあるブルガリアで5番目の規模を誇る街で、ルーマニアはドナウ川を挟んだ北側のすぐ目の前に広がっている。
そんな結構大事な、日本で言うと博多レベルの街なはずなのに、ソフィアとの間には特に高速道路のようなものはなく、片側一車線の田舎道をひたすらノロノロと走るのみ。まさかのブルガリア、首都近郊以外の交通インフラはポンコツ説がでてきた。
16時にルセのバスターミナルに到着し、そのままルーマニア側へ向かう便を探す。残り日程も少ないので明日の午前中にはブカレストに辿り着いておきたいところ。
今日のは、、、もうない。終バス早くね?
そして明日のは、、、おっ、唯一午前中ブカレストに間に合いそうな便があったわ。
25時30分発(この次は9時台。間隔あきすぎでは)
背に腹は代えられないが、これしかない。
ただブルガリアのバスターミナルには荷物預かりといった便利なシステムはなく、また9時間待機なんて流石にキツいのでターミナル前にあるビジホ的な宿をとりあえず抑える。
25時過ぎにチェックアウトするわと言うと、にこやかな顔でオッケー!と言われる。
まぁホテル側からすれば正規料金を払ってすぐ出ていく客とかただのボーナスみたいなものだろう。悔しい…
部屋に荷物を放り込んでルセ市街へ繰り出す。名所が集中する旧市街はターミナルや駅、そしてホテルのある地区から徒歩20分強となかなかに遠い。
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スヴォボタ広場を中心に東西に1キロメートル程に渡って伸びる帯状のエリアが最も人通りが多いこの街の見所。古くからドナウ川を通じてルーマニアは勿論、遠くブタペストやウィーンとも交易があったためブルガリアの他の都市と違ってどこかのんびりと優雅な雰囲気である。ドナウ川沿いの河川敷を犬とランニングするオシャレジモティーもいっぱい。まぁ新市街側に出ればゴリゴリの社会主義建築がバンバン出てくるけど。
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オシャレシティということでSUSHI-BARもちゃんとあるが、なぜか日本語で「死は羽より軽い」と書かれてあった。どゆこと???
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3時間程仮眠を取ってビジホをチェックアウト。25時半のルセ発のミニバスはドナウ川に架かる友好記念橋を渡り、ルーマニア領に入る。ブルガリア側ボーダーがルセ市街からすぐの位置なのに対して、ルーマニア側は川を渡っても暫く森林地帯が広がっており、イミグレは内陸に5分程入ったところにある。
押された入国スタンプはこれまでのもので最も雑で、国名は勿論、日付や管理番号すら判別できない。もはやただの枠である。
これで果たして出国できるのか非常に怪しいがとりあえず59ヶ国目のルーマニアに入国。
なおブルガリア出国スタンプは押されなかった。
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ミニバスは更に1時間強北上を続けブカレスト中心部の統一広場へは27時半頃に到着。たった2時間の国境越えは疲労も掛からず本来なら感謝するところだが、あまり良い噂を聞かない深夜のブカレストに問答無用で降ろされるので今回ばかりは嬉しくない。ミニバスは追い縋るような僕をガン無視してそのままブカレスト国際空港に向かっていった。
どうやらルセ市民は飛行機使うときは自国の首都ではなく、お隣のブカレストまで出るのが定番らしい。まぁわざわざソフィアに出るより所要時間三分の一で済むからね。
統一広場からこの後利用予定のブカレストノルド駅まではバスや地下鉄等を使えば10分とかのはずだが、生憎地下鉄はやってないし、そもそも僕はルーマニアの通貨を保持していない。当然両替所もこの時間でやってるわけがない。
つまり深夜のブカレストを歩かなければならない。しかもブカレストで一番治安が悪いと言われるノルド駅に向かって。これこそ飛んで火に入るなんとやら。
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1時間ほどかけてノルド駅に到着。わざと住宅街を縫うように進んでいったのが功を成したのか道中ガチのヤバい連中にエンカウントすることはなかったが、旧市街の横を通るときはこんな時間なのに若者達がクラブでどんちゃん騒ぎをしていた。
かえってノルド駅には誰もいないかと思いきや、まだ4時台というのに構内では結構な数の人間が電車を待っている。時刻表を見るとこんな未明の時間でも結構な本数の電車がでており、ここがかなりの鉄道大国であることを匂わせる。
ちょうど5時から構内のマクドが開店し、腹を空かせた待機客が殺到していたのでそれに混じりベーコンエッグマフィンを食す。なんか本邦のより小さくね??
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0609のクルジュナポカ行きの快速電車に乗り込む。コンパートメントの指定席スタイルのようだが、座席はチケット購入時に自動で配分される模様。ルーマニア国鉄のチケット購入は基本的にオンラインか自動券売機の二択だが、少なくとも券売機についてはこれまでの海外の交通機関の中で一番使い勝手が良かった。カードも使えるし。
ただ指定席と銘打ってはいるが、特に誰も守ってないし、そして検札にくる車掌もそれを完全スルーである。
それでは世界の車窓から〜ルーマニア編〜の時間です。
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いやぁ全く美しい。雪を被ったカルパチア山脈を横目に平野部は菜の花や桜が緑の草原の中に咲き誇る素晴らしいロケーション。途中の田舎の停車駅もどこか可愛らしい。
車内も綺麗…とは言えないがまぁ許せるレベル。モンテネグロからセルビアのバール鉄道に乗った時もそうだが、バルカン半島はやはり景色が素晴らしい。
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0847まさかの定刻通り(!?)にルーマニア中部はブラショフに到着。地下鉄とかじゃないのに到着が定刻通りってめちゃくちゃ凄い。やっぱり東欧圏はこのあたりしっかりしている気がする。おいインド、君は見習うべきや。
そんなブラショフ駅前は特に何もなく普通の街並みが広がっている。もう歩くのは懲り懲りなので、そのままバスに乗って旧市街に向かう。徒歩だと駅から40分程になるっぽいが文明の利器使えばあっという間や。
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そんな旧市街では、もう9時を回ろうというのに誰も歩いておらず、ここの住民の行動時間の遅さを知る。彼等が日本企業で労働をすると、その始業時間の早さに即日退職待ったナシである。とりあえず散策は後回しにして、荷物置くためにも入った宿であらビックリ。
オーナーさんがまさかの日本人(数ヶ月前に変わったとのこと)であるばかりか、うちの会社の元関係者だった。聞けばタイでルーマニア人の美人嫁をゲットしたのでそのまま嫁の実家があるこの国に脱サラして移住してきたらしい。
あまりの世界の狭さに驚くと同時に、オーナーさんに全く非はないのだが、こんなド辺境の地で大嫌いな会社を思い出させられたことに憤りを覚えてしまう。
しかも彼がこの宿を始めてから、僕がこの街で見た最初の日本人らしい。
みんな、ルーマニアにおいでよ