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東欧旅行記 day10 弾丸ワルシャワ街歩き

ブカレスト市内は雨、雨ゆえに渋滞、刻々と迫る離陸時刻、リミットは遂に二桁分にまで減少。

タクシー車内の僕はというと動じることはない。何せ中継地のワルシャワでの待機時間は7時間、つまり仮に乗り遅れたとしても、次の便に乗ればいいだけのこと。どうせLCC大国の欧州、追加1万もあれば余裕や。

と思って調べてみたらブカレスト-ワルシャワ間の運賃は13万だった。

動じた。

日本筆頭のアジア諸国の国際空港では、国内線と国際線で手荷物検査がバラバラになっているが、ブカレストのアンリ・コアンダ国際空港は一旦全ての手荷物検査を終わらせてトランジットエリアに入ったあとに国内線と国際線に分かれるという面白いシステムをしている。イミグレの後にトランジットエリア、ではなくトランジットエリアの後にイミグレ、という体だ。

※この後訪れたワルシャワもそうだったので欧州の国際空港は案外これが普通?

アンリ・コアンダ国際空港

たしかに手荷物検査分ける意味はないよな?おおっ、頭ええやん!!!と思うもイミグレの先の搭乗エリアはこれまで見てきた空港の中でもダントツに幅が狭く、山手線の高架下くらいの幅しかない。なので向かい合ってるゲートで同じタイミングで便がある場合、列が絡みまくって大変。僕の並ぶ列も、その5分前に出るパリ行きのと混ざり合って意味不明な状態に。残念、頭良くはなかった。

なおスペースがないので当然休憩用のベンチなんてものもほぼない。金持ちはカフェに吸い込まれるが、貧乏人は全員立ちっぱ確定である。

1435定刻の便は準備に30分程もたついてブカレストを発ち、2時間ほどでポーランド首都、ワルシャワのフレデリック・ショパン国際空港に到着する。使用したのは国営LOTポーランド航空。機内BGMがショパンのあたり流石だ。

夏至が近いこともあり太陽はまだまだ輝いているワルシャワであるがぶっちゃけ寒い。誰だサンダル+エアリズムで来たやつは。

グーグルマップを見たところ、何気にこれまで訪れた中で最北の都市だった。忘れられがちだが北海道なんか言うに及ばず、ウランバートルよりも北なんだなぁ。
とりあえずトランジットが7時間もあるのでワルシャワ市街地観光をするために相変わらずデザイン性の欠片もないユーロ圏のダサダサスタンプを押されて空港を離れる。

てなわけで60ヶ国目、ポーランド入国

60ヶ国目ポーランド

空港から路線バスに乗りこの国最大の鉄道駅であるワルシャワ中央駅で降りる。とはいえ鉄道旅を始める時間は流石にないので、まずは駅から異様に目立つでっかい建造物へ。

文化科学宮殿なる名称のこの建物は1955年完成という歴史あるもので、あの国民の館に勝るとも劣らない共産主義あるあるのデカデカっぷり。高さも237mと東京都庁と同じレベル。70年近く前にこれを造れるとはポーランドすげえ、、、とは言えないのが悲しいところ。
こちら、あのスターリン様から親愛なるポーランド人民へのプレゼントでございます(ガチ)

ということでポーランド人からすればありがた迷惑以外の何物でもなく、基本的にソビエト支配の象徴でもあるこの建物を嫌っている。

文化科学宮殿
展望テラスからの眺め。池袋感がある

このビルのちょうど真ん中あたりに展望テラスがあるので上がってみる。ワルシャワというかポーランドは基本平地なのでさぞ素晴らしいシティビューが眺めるかと思えば、そもそものテラスを覆うような柱が太すぎてあまり外が見えない。牛久大仏並みの残念展望台。
ここでポーランドのクソガキにやたらアジア人煽りをされる。お前ら俺が誰か分かっとるんか??モンゴロイドやぞ??800年ぶりのワールシュタットでボコボコにしたろか??ナチ、呼んだろか?

ゼルダ!

東欧各国に比べて明らかに洗練された近代的な街並みを歩いて旧市街へ。
ワルシャワ旧市街は第二次大戦でドイツ軍に完全に廃墟に、戦後も共産圏の支配下に置かれたので、他のエリアと同じく無機質な街並みへの復興計画に晒されてしまうが、ポーランド人は「意図と目的をもって破壊された街並みは意図と目的をもって復興させなければならない」という信念と「失われたものの復興は未来への責任である」というかっこいい理念の下でヒビの1本に至るまで正確に再現することに成功。
結果としてワルシャワは他の世界中の旧市街とは決定的に異なる「破壊からの復元および維持への人々の営み」が評価され世界遺産となった。アウシュビッツという負の遺産と、ワルシャワ旧市街という未来への遺産、この2つが並列するのがポーランドらしいところ。

旧市街
王宮広場。ワルシャワ旧市街のメインエリア
市場広場。冬はスケートリンクになるらしい
聖ヨハネ大聖堂。アーチが大浦天主堂に似てる

とりあえず観光のメインとなる王宮広場から旧市街の市場広場の間のエリアを歩く。たしかに綺麗で復元したという事実を感じさせない街並みだけど、散歩がメインとなってそれといってピンポイントな観光名所があるわけでもない。ショパンのコンサートもやっていたが、30分のタイムラグで入り損ねる不手際。
おしゃれ(だけど高そう)なカフェや商店を尻目に適当に歩いてるとバルバカンなるエリアに辿り着く。これは16世紀に旧市街を取り囲むように築かれた城壁で、こちらも一部が復元されている。馬蹄型の要塞は欧州でも3つしか残ってないレアなものだが、これまで地中海世界のファマグスタやロードスやコンスタンティノープル等のガチンコ要塞ばかり見てきた身からすると、城壁は低く、堀は浅く、二重三重になってるわけでもなくいかにも弱っちそうで、国体レベルの棒高跳び選手ならたぶん余裕で越えられる。
まぁ当時やたらブイブイ言わせてるオスマン帝国は東欧組が身体を張って止めてくれてるからね。いらないのかもね?

バルバカン城壁。明らかに弱い

最後の旅行飯はポーランドの郷土料理であるピエロギ。焼く前の餃子みたいな見た目で、中には肉やキャベツ等好きな物を入れる。なにやらイチゴ(!?)を入れる場合もあるとのこと。

味は……サワーソースは偉大である。ないと飽きるね。

あと店員さんが何故か全員激ミニスカート。あああいけません。純情な男の子を翻弄してはいけません。ミニスカート代のせいか知らないが値段は結構張ってしまった。

ピエロギ。サワーソースがないと飽きる
ルノワールあたりがモデルにしそう

旧市街からは175番のバスで直接で空港に向かえるので限界まで居座り、2130頃にワルシャワのショパン空港に到着し、そのまま2250ワルシャワ発のLOTの成田直行便に乗り込む。ショパン空港でも手荷物検査の後にイミグレだが、土産物屋はイミグレ越えると無くなるので注意しよう。あとこの空港は首都空港にはあるまじきことに24時間稼働ではないらしい。

深夜帯は働かないのがポーランド流
ワルシャワ、フレデリック・ショパン空港
LOT航空の機内食

ワルシャワー成田の飛行時間は12時間超と、成田-メキシコシティ便以来の超絶ロングフライト。そんな疲労必至のロングタイムでの唯一癒やしとなるはずの重要な機内食はあまり美味しくはなかった。僕は豆が嫌いやねん。ちなみに座席はド真ん中なので景色も何も見えない。

翌5月10日、1830に成田空港に到着。去年のGWでは無限に続いていたコロナ対策は正月時にはオンラインフォーム記入レベルにまで簡素化されていたものの、遂に完全に撤廃されてコロナ以前の状況に戻ってきている。

最後は駆け足になったけどこれにて

コソボ、マケドニア、ブルガリア、ルーマニア、ポーランドの中東欧5カ国制覇。

この素晴らしき世界に祝福を!

東欧編、完!!(投げやり)

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