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就活が茶番化するのはお金の話をしないからでは?

こんにちは。はなたあさかです。

うちの店舗にはよく学生がやってきます。実習生受け入れ数が多いのもあって、就活の店舗見学でも会社に利用されがちなんですね。

先日もインターンの学生がやってきました。

インターンとは名ばかりで、会社見学に過ぎないのですけどね。
そもそも薬学部では実務実習で薬局には2か月半もいるので、中途半端に話を聞くより業界のことはある程度身を以て知っていますし。

かねてよりインターンで学生が来てくれた際に、もう少し面白い話ができないかなと思っていたんです。

会社側もありがちな薬局の話しかしないし、学生側も「薬局と病院で迷ってます」とか「在宅医療に興味があって」とかありがちなことしか言わない。
茶番ですよほんと。

で、なんとなく思いついたのが今回のお話です。

企業の売り物とお金は表裏一体

企業がどんな風に稼いでいるのか、その具体的な部分を何も知らず見た目かっこいい企業理念なんかをテーマに就活は進んでいく気がします。

ここに就活が茶番化する理由があるのではないかと私は感じます。

だって、お金でそのビジネスは成り立っているんだから。

どんな風にお金がかかっているのか不透明なまま理念の話をしても、中身が空洞のハリボテ感が出てしまうのは致し方ないと思うんですよ。

例えば、仮に”手軽にプロ級の味を楽しめる料理を広めたい”みたいな思いを持った食品企業があるとしますよね。
「プロの料理を毎日の食卓へ」が企業理念でありコンセプトだとする。

で、この企業が冷凍食品開発のノウハウがあって、「冷凍食品なのでレンチンすれば5分ですぐ食べられる。」がお手軽さのカタチだとします。

お客さんからしたら嬉しいですよね。食品企業に興味があって、この理念に共感したから志望します、という学生も沢山いそうです。

でもプロ級のおいしさを表現するためにはプロの監修も必要だろうし、それをレンチンで表現する技術も必要です。開発には結構なコストがかかるでしょう。

冷凍食品にも小売り価格の相場観があるはずです。高級とはいえ、あまりに高ければお客さんの手に渡ることはないでしょう。

値段感が定まってしまうと、開発にかかった費用+売るのにかかり続ける製造・販売の費用の回収のためにどの程度買ってもらう必要があるのかが定まってきます。

ほらね、皆さんが食べてるこれはいくらくらいで売ってるけど、それを売るためにこのくらいお金がかかってるんだよ。

その為に人件費にかけられるのはこのくらい。関わっている職業はこのくらい(料理人なのか冷凍技術の技術者なのか、はたまた製造ルートの人なのか、広告の人なのか。)でそれぞれの給料はこのくらい。

という話があって、初めて理念や給与に納得感が出てくるんだと思うんですよ。

日本の就活ではお金の話はタブー視される

就活をする時に給与は大体記載されていますが、どのくらい昇給していくのか、もしくは福利厚生がどうなのか・休みが取れるのか、と言った点については聞かないことが望ましいとされます。

そういうわかりやすい話が全面に来ているからでしょうか、お金の話自体就活ではなんとなくうやむやというかはっきりさせないカタチになっている感じがします。

だけど、本来これらの話と利益構造の話は本来全く別物です。

昇給や福利厚生、休暇についてタブー視されるのは、これ自分のことしか考えてないからですよね。そりゃやる気ないとみなされてもしゃーない。

片や、利益構造の話はちゃんと知っておいた方がむしろいい。

質問してもいい内容だとは思うけど、していい話としてはいけない話の区別がつかない学生からすれば「お金の話」は出さない方がいいと感じてもしょうがない。

なんなら興味もあまりないでしょう。こういう質問はしにくい、話題にしにくいというのが実際のところでしょうね。

インターンで伝えるべきこと

という考えを踏まえた上でインターンについて考えたんですが

インターンは業界のことを知るための機会、会社説明会は会社のことを知るための機会。それぞれ目的が異なるはずです。

その目的を達成するように話を切り分けるべきだろうというのが私のベースの考えです。

薬局では同じく業界のことを知るための機会として実務実習があるけど、それは(病院・薬局それぞれの)薬剤師の機能を知ったり、実践を通して薬剤師としての基礎能力を培うことが目的です。

他方、働くということはその業界での利益構造の一部に入り込むということ。業界を絞るためにそれを知ることがインターンの目的でしょう。

そんなわけで、やっぱりインターンでは特に業界の利益構造を教えないと意味ないんじゃないか、と思うわけです。

学生から話題にしにくい状態である以上、会社側からむしろそうした情報提供をしていくことが大事なんじゃないかなとも思うところです。

今後のやり方について思うこと

とはいえ、1日で何店舗か見学するスケジュール。

うちの薬局にいる時間は限られているうえ、薬局業務を捌きながら話す必要があってまとまった時間も取れないという状況。

やはり現場に来てもらってこういった話をするのはなかなか難しいものがあります。

こうしたお金の話を交えた話は重要ですから、是非とも本部でやってもらいたい。

しかしその上で、現場では体験ベースで何かを考えてもらうことを別途考えるのが充実感のあるインターンを作る上で重要なのかなあと思いました。












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