山形の姥神をめぐる冒険 #43
【仏生山】 河北町沢畑地区 2024年4月
うつむいた虚ろな目線に、写真で見た時は寂しそうな姥神だと思った。影になった顔と背中には寂寥感が漂っているような気もする。しかし、実際に面と向かってみると、余裕を感じる鷹揚なポーズなのではないかと感じた。傾げた首からこちらを見やる姿勢やふっくらとしたお腹も、年季の入った姥神だと感じた。
この山は、天保15年(1844年)に河北町谷地の人が四国巡礼をし、そこから持ち帰った土と御影を埋めて四国八十八ヶ所の霊場を開いたとある。最上川舟運で紅花商人が栄えたこの町である。海の安全を祈る金毘羅様のご本尊、四国にはご縁がある。
ここはカタクリの群生地としても知られており、ちょうど花の時季に出会うことができた。
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