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山形の姥神をめぐる冒険 #47

【小鳥海山神社】 山辺町  2024年4月

 今までに何度か来たことのある場所だったが、参道に座る姥神に気づいたのかどうだったか。それよりも石塔の立派な文字に畏れをなした記憶しかなかった。腰をかがめてやっとくぐれるくらいの鳥居の向こうに山を登っていく石段が続いている。登った先にある社殿からは山形市が一望できる。
 ここに来る途中で丸々と太ったピンクの豚が載せられたトラックを見た。豚たちは屠殺場へ向かい、こちらは三途の川にいるというお婆さんに会いに山を登る。何だろう、このシュールなシチュエーションは。

 『ピンクのぶたを知らないか?』という絵本があったような気がする。いやそれは、『ピンクのぞうをしらないか?』という佐々木マキの絵本で、この作家のブタ絵本といえば『ぶたのたね』という作品があったと思い出す。その豚の絵が先ほど目撃した豚にそっくりだったと思う。絵本の中ではたわわに実った豚が木にたくさんぶら下がっていたっけ。
 あれからどうも、ピンクの豚の姿が目の前をチラチラする。
 ねえ姥神さま、ピンクの豚を、知りませんか?


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