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山形の姥神をめぐる冒険 #46
【滑川】 山形市 2024年4月
いや〜、あんたよく見つけたねえ。愉快、愉快。
青葉の下でご満悦の姥神を見つけたのは、滑川地区姥神探しトライアル4度目の時だった。過去に見つけた方の記述を読み込み、地形図を凝視して果敢に挑んだのだが、沢一本の地理を読み間違えて敗退した。
信仰の対象となったのは開けた林道ではなく、もっと密やかな道なのだとある人に指摘されて、最初にあたりをつけた沢筋が卓上の地図で判断しただけの思い込みだったと気づいた。
昔の人が足で行き来した微かな痕跡を丁寧に追うことにする。
沢水を汲んだ名残りの場所やかすかな踏み跡を認めると勇気づく。だけど、そうして進んだ道が低木の茂みに遮られると一気に萎える。
こんな淋しい地味な所なんだろうか?
期待は疑念に変わっていく。しかし、ほんのちょっとした気づきが次の行動を促す原動力になる。何だかまるで一端の冒険家みたいなことを言っているけれども、五感六感をフル稼働しないとできないようなのだ、この姥神探しというのは。
そして、二又に分かれた沢の一方に微かな道筋が見えたので辿っていくと…。
5段階で言えば星5つの難易度&危険度だった。崖の下から不自然に白く丸い人の頭を見つけた時は、思わず叫び声が出た。半分埋もれた自由の女神を見つけた時と同じくらいのショック度なんじゃないだろうか。
「ここは、…霊場だったのか!」
と。
何も知らない人が、いきなりこれ見つけたらギョッとするよねえ。
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だって、こーんな所にいるんだもんねえ。
発見祝いの記念撮影もして、ニコニコの姥神様をどうぞご覧あれ。
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