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死と詩と。〜92車線走り書き

しとしと雨がふる。

ふと、一年の終わりではなく、一生の終わり、を考えてみたくなってちょっとダークなテーマで話してみた。

死を想うとき、最近手に取った短歌の本がある。

えーえんとくちから 笹井宏之さん

鋭く優しい短歌がずらり並んでいるのだが、実はこの笹井さん、
身体表現性障害という重い病にかかり、療養生活を続けるも2009年に26歳の若さで生涯を閉じているのである。
死は、恐ろしくもすぐにやってくる。

えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい

本のタイトルにもなっているこの短歌を詠むだけで、
「えーえん」、と泣き喚く赤子の誕生から、死を目前にしたときの「永遠」への呪縛、そして否応なく笹井さんの死を想い、なんとももどかしい、息苦しい気持ちになる。

でも、あくまで自分の解釈だが、永遠を解く、というのは、死がある、ということで、死があるということは生がある、ということで、結局のところ永遠に続かないから今、生き続けられるんだ、という意味にもとれる。余白がある分、自分の解釈ひとつで自分にとっての意味がころっと変えられる。
詩は、恐ろしくもすぐに仲良くなれる。

死と、詩と。

どちらも、あり得ないほど遠く感じて、実はとてつもなく近くにいる。

しとしと、しとしと。

雨の音か。死へのカウントダウンか。

とりあえずのところは、それをBGMに、詩でも読もうか。



92車線SAの立ち寄り土産

小説やエッセイすら読めない日も、短歌なら寄り道できる。


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