我々は、ドライブの役割を過大評価しています。│タレブの『反脆弱性』を卓球にフル活用しよう!⑭
第6部 否定の道
第20章 時と脆さ
心理的バイアスをいくつか
人は、「変化」というものについ目が行ってしまいます。
なので、スマホの最新機能には敏感に反応する一方で、水という存在は不変なのでその大切さはすっかり忘れてしまっています。
災害や事件が身近に起こると恐怖を抱く一方で、普段の安全は当たり前なのでそのありがたさはすっかり忘れてしまっています。
このように人は、変化の大きいものを注目し、過大評価してしまいます。
卓球で言えば、ドライブは変化の大きい技術と言えます。
入ることもあれば、入らないこともあります。
すごく入る日もあれば、全然入らない日もあります。
入れば即得点することが多く、入らなければ即失点します。
一方で、ツッツキは変化の小さい技術と言えます。
ドライブとは違い、基本的には入るのが普通です。
そして、入ってもそれが直接得点に結びつくことはあまり多くありません。
こうして人は、ドライブを過大評価し、ツッツキを過小評価します。
ツッツキを差し置いて、ドライブをどんどん打ちに行き、ミスばかりしてしまうのです。
これはきっと、プロの姿も影響していると思います。
彼らは、練習でドライブばかり打っています。
しかし、彼らにとってドライブは、入って当然の不変の技術です。
フォア打ちは入るのが当たり前であるように、ドライブも入るのが当たり前なのです。
プロは、当たり前に入る不変の技術を大切にしているだけなのです。
なのでみなさんもまずは、フォア打ち、バックハンド、ツッツキ、サーブ、レシーブを当たり前とすることを、まずは大切にしてください。
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