強打がなかなか決まらないときの対処法を、大坂冬の陣の和議から考えてみた【卓球のための日本史】
卓球の試合では皆、「絶対に勝ちたい」と思って挑みます。
戦もまた、「絶対に勝ちたい」と思って挑みます。
そこには、普遍的な人間の心理があるはずです。
ならば、戦から人の心理を学び、それを卓球に生かすことができるはずです。
ということで、「卓球のための日本史」をやっていきます。
今回取り上げるのは「大阪の役」です。
大阪の役
1614年の大坂冬の陣。
徳川幕府と豊臣家が大阪城で戦いました。
徳川方は激しい攻撃を見せますが、真田幸村の活躍などもあり、なかなか崩せません。
そこで、家康は「話し合い」に持ち込みます。
大阪城の堀を埋めることを条件に、停戦合意をしたのです。
そして堀を埋めたところで再び開戦。
防御力の下がった豊臣軍を討ち滅ぼしたのです。
この出来事から、
「攻撃が決まらないときの戦い方」
を考えていきます。
状況:大坂城の守りが固い
【歴史】
徳川20万の軍勢が大阪城を包囲しました。
籠城した豊臣軍を滅ぼしにかかります。
しかし、大阪城の守りは固い。
唯一の弱点と見られていた南方は、あの「真田丸」が完璧にブロック。
戦力で勝る幕府軍が、完全に攻めあぐねてしまいました。
そこで家康が始めたのが、和平交渉です。
「いやいや父さん!
あいつら大したことないんだからさぁ、さっさとやっつけちゃおうよ!」
と、秀忠は総攻撃を主張しますが、
「敵をナメるな。
戦わないで勝つ事を考えなさい。」
と家康は一蹴しています。
闇雲に攻めたってしょうがないということを、家康は熟知していたのです。
大坂の役は、停戦に向かっていきます。
【卓球】
サーブでチャンスを作れている。
相手のツッツキが甘く、打つチャンスがいくらでもある。
しかし、いざドライブを打つとミスを連発してしまう。
やたらとブロックをされてしまう。
このように、攻撃が上手くいかないことはよくあります。
このときに、秀忠の言う通りに攻撃を続けても、おそらくミスをし続け、そのまま負けてしまいます。
攻撃が上手くいかないなら、いっそ攻撃を止めてしまいましょう。
実行:守りの体勢を崩す
【歴史】
幕府と豊臣家は、和議を結ぶことになります。
この和議ですが、徳川はただ休憩がしたかったわけではありません。
その狙いは、停戦の条件にあります。
「本丸を残して二の丸、三の丸を破壊し、惣構の南堀、西堀、東堀を埋めること」
つまり
「戦いを止めるんですから、城の防御力は落としましょうよ!」
これを豊臣側に飲ませたのです。
豊臣軍は順調に戦っていたので、和議を結ぶ必要は無かったはずです。
しかし、徳川の砲撃に淀殿がビビってしまい、とりあえずの安全を優先してしまいました。
こうして戦いはストップ。
二の丸と三の丸は取り壊され、堀は埋められました。
さあ、豊臣家を滅ぼす準備が整いました。
【卓球】
まずは、相手の防御力をなんとかして下げないといけません。
相手が守りの姿勢でいるから、ブロックをされるし、こちらも力んでミスをしてしまっているわけです。
この守りの姿勢を崩しましょう。
その方法はシンプル。
攻めなければいい。
「停戦」をするのです。
こちらがドライブを打つから相手はブロックをするわけで、ドライブを止めてしまえば、ブロックの出番は無くなります。
ひたすら繋いでラリーをしましょう。
相手からすると、これまで簡単に点が取れていたのに、急にミスをしてくれなくなったので、
「あれ、なんか点が取れなくなってきたなぁ。」
と思うようになります。
そして、早く点が欲しくなってきます。
攻撃で手っ取り早く点を取りに来はじめるわけです。
これでミスをしてくれたら最高です。
このまま戦えば良いですから。
ただ、攻撃を決められても、それはそれで構いません。
なぜなら、こちらの目的は「相手の守りの姿勢を崩すこと」だから。
その目的は果たされています。
さあ、再び攻める準備が整いました。
再び攻撃へ
【歴史】
和議が結ばれましたが、停戦状態は長くは続きません。
両軍とも軍備の増強を進めることで、開戦の機運が高まります。
大坂夏の陣の始まりです。
豊臣側は、裸同然となった大阪城に籠城する作戦は使えません。
野戦でのガチンコ勝負となります。
しかしガチンコ勝負となれば、2倍以上の軍勢を誇る徳川が圧倒的有利。
豊臣軍は壊滅し、秀頼と淀殿は自害。
徳川の勝利で幕を閉じました。
豊臣軍にとって、大阪城の防御力は欠かせないものでした。
和議を結んだ時点で、徳川の勝利は確定していたのかもしれません。
【卓球】
相手が攻めの姿勢を見せてきたところで、こちらも攻撃を再開します。
さっきよりも、攻撃が決まりやすいはずです。
一度ラリー戦をやっているので、ドライブミスが減るはずです。
相手の守りの意識が薄れているので、ドライブが決まりやすいはずです。
こちらが攻撃で得点を重ねれば、相手は
「打たれたくない」
と思います。
こうなると、厳しいところを狙いすぎてミスをするし、自分から攻めようともしてきます。
しかし、攻めに関してはこちらが上。
相手の卓球は壊滅状態になり、勝利はこちらの手に入ります。
さぁ、堀を埋めるのだ!
この作戦は、相手の堀を埋められるかどうかにかかっています。
相手を焦らせ、守りの姿勢を崩したときに、初めて逆転の可能性が出てきます。
相手が全く動じない可能性だって、もちろんあります。
でも、やるしかありません。
そのままドライブを打ち続けても、ミスをし続けるだけ。
作戦を変えるしかないのです。
さぁ、ラリー戦に切り替えましょう。
攻撃を再開しましょう。
そして相手をよく観察してください。
堀が埋まっていく様子が、はっきりと見えるはずです。
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