卓球日本女子が東京五輪で中国に勝つ確率は何%なのか計算してみた。【卓球のための数学】
卓球の東京五輪日本代表が決定しました。
伊藤美誠選手
石川佳純選手
平野美宇選手
の3人で女子団体を戦います。
目標はやはり金メダルでしょう。
そのためには、あの中国を倒さないといけません。
最近は、特に伊藤美誠選手の中国への食い込みっぷりが素晴らしいです。
「今回は本当に有り得るぞ!」
「中国に勝つ可能性は高くなってる!」
「絶対に中国に勝てる!」
と思っている人も多いでしょう。
しかし、中国の強さはやはり圧倒的。
「さすがに中国はキツいなぁ。」
「中国ナメんな!」
「絶対に中国には勝てない!」
と思っている人もいるでしょう。
果たして、実際はどうなんでしょう。
期待して良いんでしょうか?
絶望した方がいいんでしょうか?
実際に中国に勝つ確率はどれくらいなのでしょう?
チャキチャキの数学っ子である僕が、計算します!
中国は誰が出るのか
中国代表はまだ決定していません。
ここでは2019年の対戦成績を元に確率の計算をするので、以下の対戦成績の表を元に、とりあえず代表を選びます。
中国としては、とにかく伊藤選手をなんとかすることを考えるでしょう。
ということで、得点率上位2人の孫穎莎選手と陳夢選手を、伊藤選手にぶつけます。
そして3人目は、石川選手と平野選手を最も圧倒している、劉詩雯選手を選出します。
チームワールドカップ2019を振り返る
さて、とりあえず中国代表3人を選出しました。
実はこれ、チームワールドカップ2019でまさにこのオーダーを組んでいるんです。
このオーダーは中国の本気だったんですね。
オリンピックでも全く同じオーダーになるかもしれません。
ということで、今回もこのオーダーをそっくりそのまま採用します。
まずはシミュレーション
先ほどの得点率を元に、excelのランダム関数を駆使して、シミュレーションをします。
得点率が0.5だと、勝率も50%になります。
得点率が0.45だと、以前の記事(9-11,9-11,9-11のストレート負けがいかに惜しくないか、計算してみた。)で勝率は約18%と分かっています。
では、早速やってみます。
1試合目
ダブルスはあっさり負けてしまいました。
しかし団体戦で勝つためには、やはりダブルスは取りたいところです。
チームワールドカップでは大接戦だったこの対戦。
ここでも接戦を孫穎莎選手が制しました。
日本が勝つためには、伊藤選手は絶対に負けられません。
ここは劉詩雯選手が得点率で圧倒しています。
平野選手は覚醒しない限り、なかなか厳しそうです。
ということで、1試合目はストレート負けでした。
さぁ、更新ボタン(F9)を押して次の試合にいきます!
2試合目
伊藤選手がひとつ勝ちました。
石川選手と平野選手でどうやってひとつ取るかが、正直難しいところです。
石川選手がなんとかしてくれると良いんですが。
10試合目
10試合目で初めて5番までもつれました。
石川選手がこうやって勝てると良いですね。
5番の伊藤選手は、ちょっと金メダルを意識して固くなりましたかね。
そしてF9を押し続け…
64試合目
64試合目で遂に初勝利!
1,2番で勢いをつけてくれました。
実際に勝つなら、やっぱりこの流れかなと思います。
さぁ、この時点で勝率は約1.6%です。
64試合での初勝利は早かったのか。
もっとかかるはずなのか。
まだ続けてみます。
そして…
1000試合終了
日本は13勝で、勝率は1.3%です。
いやぁ、中国強いっすね。
いや、待ってください!
シミュレーションの結果がたまたまこうなっただけで、本当は勝率80%ぐらいかもしれません。
きっとそうに違いありません!
理論上の勝率はいかほどか、計算してみましょう!
計算開始
では、確率の計算をしていきます。
やり方はまぁ、こんな感じでーす。
大体分かりますよ…ね。
以前の記事(9-11,9-11,9-11のストレート負けがいかに惜しくないか、計算してみた。)と同じ方法です。
まぁとにかく、計算の結果、各試合の勝率は以下の通りになりました。
あの伊藤選手でも、勝率は20%台前半なんですね。
まぁでも、中国のエースに対してこれだけ勝てるというのはすごいことです。
さて、この勝率から、団体戦の勝率を求めます。
計算結果
卓球日本女子の勝率は1.175%です。
85試合すれば1勝できます。
結論
いやぁ、厳しいっすね。
こんなあからさまな数値を見せられると、絶望してしまいます。
でも。
オリンピックという大舞台は、奇跡が起きる場です。
2002年ソルトレーク五輪のブラッドバリーがそれを証明しています。
しかも、今回の舞台は日本のホームです。
さらに、孫穎莎選手と陳夢選手は、オリンピックも世界卓球の団体戦も経験がありません。
誰か1人が勝てば、中国にプレッシャーがかかります。
誰か1人が勝てば、確率は上がるはずです。
さっきの団体戦の勝率の表を見てください。
中国が3-0で勝つ確率は約70%です。
つまり、30%は日本の誰か1人が勝つのです。
普通に有り得ますよ!
かなり厳しい戦いではありますが、可能性は確かにあるんです。
僕は、その1.175%の可能性を信じて、応援しようと思います。
そしてもうひとつ。
日本の勝率は爆発的に上がっているということを、知っておいてください。
8年前の日本の勝率も調べました。
8年前、日本の勝率は0.002927%でした。
約34000試合すれば1勝できます。
それが今、85試合で1勝できるようになりました。
たった8年で、勝率が400倍に跳ね上がっています。
これは仮想通貨の話ではないので、これからも勝率は跳ね上がり続けるでしょう。
あと50倍で良いですから、あと8年もかからないかもしれません。
そんな明るい未来に、日本の女子卓球界は着実に向かっています。
今、その歩みはどこまで進んでいるのか。
それが、東京五輪で明らかになります。
卓球日本女子の現在地を、みんなで見届けましょう。
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