「苦手だから」という言葉で逃げていると、強くなれませんよ。│タレブの『反脆弱性』を卓球にフル活用しよう!⑮(終)
第7部 脆さと反脆さの倫理
第23章 身銭を切る 他人の犠牲と引き換えに得る反脆さとオプション性
身銭を切る英雄とエージェンシー問題
卓球は、常にリスクがつきまといます。
そのリスクと向き合うことが大切です。
まず、努力をすること自体にリスクがあります。
時間と労力をかけても、上手くならないかもしれません。
新しい技術に挑戦しても、身に付かないかもしれません。
これが努力をするリスクです。
しかし、だからといって努力をしなければ、上手くなれません。
「ブロックなんてできないからやめておこう。」
「横回転サーブを出すと、回転が残って帰ってきて嫌だから、下回転サーブにしておこう。」
こんなことでは、いつまで経っても現状に甘んじてしまいます。
上手くなるためには、リスクを取っていろいろなことに取り組むことが必要です。
「ブロックもできるように頑張ろう。」
「横回転サーブを出して、回転が残って来たボールを打てるようになろう。」
こうしてリスクに立ち向かうことで、実力がついてくるのです。
また、試合のときも、リスクと向き合うことが大切です。
リスクから逃げてはいけません。
例えば、ドライブ強打にも、リスクに向き合っているものと、リスクから逃げているものがあります。
「ミスしてもいいから決めたい!」
と思って打つ強打は、リスクを取っているように見えて、実はリスクから逃げています。
この強打は、相手に攻められることを怖れて、その前に攻めようとしているだけです。
「繋いだら相手に打たれる」
というリスクから逃げているだけなのです。
なので、慌てて無理に強打をするので、ミスが増えてしまいます。
一方、
「きっとこのコースに来るから、ここで待ち伏せしよう」
と思って打つ強打は、しっかりリスクを取っています。
そのコースに来ないというリスクわ追う代わりに、そのコースに来ればしっかり仕留めることができます。
なので、リスクから逃げた強打はすべきではないし、リスクから逃げているのにリスクを取っていると勘違いしてもいけないのです。
また、逆に言えば、打たれるリスクを負って繋ぐことができる人は強いです。
そして、リスクを負えず、コースを絞ることができない人は弱いのです。
ということで、リスクから逃げず、向き合うことは、上達する上で重要です。
正しいリスクは、どんどん取って行ってください。
そして、リスクに向き合い続けていると、リスクの取り方がだんだん分かってきます。
プロの選手は、リスクを常に取っている割に、ほとんど逆を突かれません。
常に逆を突かれるリスクを負って、狙いを絞っていますが、その予測の精度がめちゃめちゃ高いのです。
これは単純に、リスクを取り続けた成果です。
リスクを取り続けたことで、最終的にはリスクが小さくなるのです。
ということで、強くなるためには、リスクを取り続けることが必要になります。
そのためには、普段からリスクを取り続けて、リスクを取ることに慣れる必要があります。
リスクを取る練習を、たくさんやってください。
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