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「入らない技術を使わない」「苦手な技術を使う」両方できますか?│世阿弥の『風姿花伝』を卓球にフル活用しよう!⑤

花伝第六 花修
結尾

能の何たるかを知っている役者は、自分の力量の至らぬ点をも知っているために、大切な催しに際して、不得手な演目は差し控え、得意な作品ばかりを選んで演じるから、出来がよいということになるので、観客の賞賛は必定であろう。そうしておいて、不得手な演目を、小規模な催しや地方での演能で試演するがよい。このように鍛錬すれば、不得手な演目でも、修練を積んで、次第次第にうまく出来るようになる時が来よう。

卓球の試合は、入らない技術は使わないことで勝率が上がります。

また卓球の試合は、苦手な技術もときには使うことが必要になります。



このふたつ、なんとなく矛盾しているような気がします。

「苦手な技術は入らないんだから、使わない方が良いじゃないか!」

と思えます。



しかし、実はこのふたつは全く矛盾しません。

そして、矛盾していないことを理解できると、勝てる戦い方ができるようになります。



まず理解しておかないといけないのは、

「得意な技術は入るし、苦手な技術は入らない」

とは限らないということです。



そりゃ得意な技術の方が入ることは多いと思いますが、常にそうなるわけではありません。

そのときの調子や、相手との相性によっては、得意な技術が入らないことだってありますし、逆に、苦手な技術が意外と入ることだってあります。

そんなときに、

「いや、得意な技術なんだからもっと入るはずだ!」

と、自分の得意な技術にこだわってしまうと、それは入らない技術で戦っていることになるので、勝つことは難しくなります。

自分にとっては苦手な技術が意外と通用していることに気付き、そっちで戦うことが必要なのです。



これが、最初のふたつの矛盾しない形です。



なので、自分の苦手な技術を、

「なるべく使わないように」

と考えていてはいけません。

苦手な技術を苦手なりに使う練習を、ちゃんとやっておく必要があります。



練習しておけば、苦手な技術も、小刀のようなサブの武器になります。

そして、練習を続けていれば、当然上手くなっていくので、次第に苦手でもなくなってきます。

こうして人は、強くなっていくのです。



苦手なことから逃げていると、それは苦手であり続けるので、選手として成長できません。

苦手なことに向き合い、それを小さな武器にできるように、磨いていってください。


④ただの練習不足を、「苦手だから」と言って正当化していませんか?
⑥相手の予想を裏切るボールを打ってください。

世阿弥の『風姿花伝』を卓球にフル活用しよう!

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