2ヶ月のブランクで落ちた実力は何ヶ月で取り戻せるのか計算してみた。【卓球のための数学】
約2ヶ月に及んだ緊急事態宣言の間、卓球が全くできなかった方も多いと思います。
そしてようやく、6月からは卓球を再開することでしょう。
みなさん、不安だと思います。
「どれくらい実力が落ちてるんだろう…」
「どれくらい練習したら元に戻るんだろう…」
いつになったら実力が戻るか分からない、先行きが見通せない中での練習は、モチベーションが下がりやすいですよね。
ということは。
どれくらいの期間練習したら実力が元に戻るのか、そのゴールが分かっていれば、モチベーションを保ちやすいと思います。
ということで、数学人間のホシナが、「ブランク取り戻し係数」を計算します!
数字遊び、始め!
一日休むとどれくらい実力が落ちるか
まずは、卓球を一日休むとどれくらい実力が削られるのかを定義します。
削り方は「引き算」と「掛け算」の2通りです。
まぁでも、引き算は違うでしょう。
例えば、一日休んだら「実力-1」になるとしたら、実力100の人は、100日休んだら実力が0になり、更に休むと実力がマイナスになります。
しかし、卓球経験者はいくら休んでもド素人に逆戻りはしません。
まして「実力がマイナスの人」なんて意味が分かりません。
「全部後ろに打っちゃう」とかですかね?
それとも「ラバーを顔に貼っちゃう」とかですかね?
ちょっと怖い世界観です。
まぁ、そういうことで、掛け算を採用します。
一日休んだら、パーセンテージで実力を削ります。
これなら、いくら休んでも実力が0にはなりません。
では、一日休んだら実力は何%落ちるのでしょうか。
以下の式を見てください。
「0.999の730乗=約0.482」
実力0.1%の下落を730回繰り返すと、実力は約48.2%になります。
つまり、2年のブランクがあると実力が半分くらいになる、ということになります。
僕はこれがしっくり来ました。
なので、一日休んだら「実力-0.1%」とします。
一日練習するとどれくらい実力が上がるか
続いて、練習したときの伸びは「足し算」と「掛け算」のどちらでしょうか。
掛け算だと、実力の高い人ほど伸びが大きいことになります。
ただ、僕の体感だと、それは違うかなと思います。
むしろ、強い人ほど実力の維持は大変な気がします。
足し算であれば、実力の伸びは一律で、休んだときは強い人ほど下落が大きいので、「強い人ほど実力の維持が大変」という僕の体感に合います。
ということで、足し算を採用します。
いくつ足すのかは、実は重要ではありません。
次節の「あなたの実力を数値化してください」で、いくらでも調整できるので。
なので、練習したら「実力+1」とします。
あなたの実力を数値化してください
では、みなさんの実力を数値化していきましょう。
目安を紹介するので、それを元に自分の実力を想像してください。
まず、週1日の練習で実力をキープできる人は「実力167」です。
週1日の練習で上手くなる人はこれより下、週1日の練習で下手になる人はこれより上です。
「実力167」はどれくらいなのか難しいですけど、まあ、中学で県大会に出るくらいですかねぇ。
週1回の練習って、意外とキープできると思うんですよね。
さて続いて、週2日の練習で実力をキープできる人は「実力400」です。
これはまぁ、高校の県大会には行けるでしょう。
県の上位はどうでしょうかねぇ。
都道府県によってはインターハイも、いや、さすがに厳しいですかねぇ。
まぁその辺りかなと思います。
ちなみに、同じ週2日練習でも、練習する曜日によってわずかに実力に差が付きます。
一気に休んで、一気に練習する方が、実力は高くなります。
さて続いて、2日に一回の練習で実力をキープできる人は「実力1000」です。
これは相当な実力だと思います。
プロの選手は、強くなるために毎日練習していますが、実力キープを目指すのなら2日に一回の練習で足りる気がしますけどねぇ。
どちらにしろ「実力1000」は相当なものでしょう。
まぁこれはあくまで僕のイメージですが、これを目安にあなたの実力を数値化してください。
2ヶ月練習をしないとどれくらい実力が落ちるか
ではいよいよ、「ブランク取り戻し係数」の計算を始めていきます。
まずは、60日のブランクで実力がどれくらい落ちるのかを計算します。
0.999の60乗=約0.9417
0.1%の下落を60回繰り返すと、約94%になります。
つまり、卓球を60日休むと、実力は約6%落ちます。
これはなかなかですよ。
身長170cmの人が、2ヶ月後に6%減の身長160cmになっていたら、
「あれ!?なんかすっごい縮んでる!?」
ってなりますよね。
これと全く同じことです。
実力の6%下落は相当なものです。
さぁ、6%を取り戻すにはどれほどの練習が必要か、計算していきましょう。
【例1】週4で練習する卓球部
まずは、実力150の、僕のイメージでは県大会には届かないくらいの中学生で考えます。
週4日の部活で、いつ実力を取り戻せるでしょうか。
3週目の火曜日に実力が戻っています。
2週間ちょっとで実力を取り戻せるということですね。
これくらいで戻ればいいですよね。
しかし、今の状況を考えると、こんなにガッツリ部活はできないんでしょうね。
ということで、週2日の部活だとどうなるのかも、見てみましょう。
7週目の金曜日でようやく実力を取り戻しています。
2ヶ月近くかかるとなると、なかなかキツいですね。
でもしばらくはこの程度にしか部活はできないでしょうから、これは覚悟するしかないと思います。
【例2】週1で練習する社会人
続いて、趣味で週1日練習している、実力100の社会人で考えます。
なんと、実力を取り戻すのに3ヶ月以上かかります。
いやぁ、趣味とはいえ、これは心が折れますねぇ。
ちょっとここは気合を入れて、練習を週2日にしましょう。
週2日練習すれば、1ヶ月で取り戻せます。
練習を2倍にすれば、取り戻すペースは3倍以上になるわけですね。
「練習量を増やすこと」がこんなにも効率が良いなら、増やせるだけ練習量を増やしたいところです。
実力取り戻し一覧
では最後に、ブランク取り戻し係数の一覧です。
空白部分は、実力を取り戻すのに100週(約2年)以上かかるか、練習が足りなくて実力が落ちています。
実力150の人は、週1日の練習だと、実力を取り戻すのに69週かかります。
1年4ヶ月かかるなんて、やってられませんね。
無理にでも時間を作って、週2日練習すれば、7週で実力を取り戻せます。
「私は69週ぐらいなら余裕で耐えられます!」
という鋼メンタル人間は、週1日の練習でいいでしょう。
「69週なんて耐えられない!」
というわがままボーイは、週2日練習してください。
こんな感じで、自分の実力、スケジュール、根気強さを考えて、必要なだけ練習をしましょう。
まとめ
水谷選手の記事があります。
(記事:水谷隼「感覚は1週間で戻せる」1か月半ぶり練習再開も不安なし)
1ヶ月半卓球をやっていなかったそうです。
トレーニングはやっていたらしいので「半ブランク」みないな感じですね。
実質3週間のブランクでしょう。
これを完全に取り戻すのに4週間かかると言っています。
ということは、3倍してブランクが実質2ヶ月だった場合、取り戻すのに12週かかるということになります。
これを先程の一覧に当てはめると、水谷選手は「実力1400」と分かります。
まぁ数値はさておき、水谷選手のように、どれくらいの期間で実力が取り戻せるのか、その目安が分かっていると、練習に取り組みやすいと思います。
「俺は実力80だから、週2日練習を3週間がんばるぞ!」
「私は実力1800だから、週5日練習を70週間がんばるぞ!」
と、明確なビジョンを持ってください。
さぁ、みんなで実力を取り戻しましょう!
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