上手く行かなかった経験を集めましょう。│タレブの『反脆弱性』を卓球にフル活用しよう!⑪
第4部 オプション性、技術、そして反脆さの知性
第15章 敗者が綴る歴史 試行錯誤の汚名をすすぐ
逆七面鳥問題
卓球は、いろいろなタイプの人たちを倒せないと、トーナメントを勝ち上がることはできません。
なので、あらゆる状況に対応する力が必要です。
対応力とは、
「良くない事態を想定すること」
です。
勝てる人はこれをやっているし、逆に、勝てない人は自分に都合の良い事態を期待してしまいます。
例えば、バック前に横上回転のサーブを出したとき、相手はツッツいて浮かす可能性もあるし、フリックをしてくる可能性もあります。
勝てる人は、フリックが来ることをちゃんと想定します。
なので、フリックが来てもしっかり対応できるし、なんならフリックを狙って強打をすることだってできます。
ツッツキが浮いて来れば、態勢を作り直す時間があるので、やはり打つことができます。
また、ストップが来たり、コースが違ったり、更なる想定外のボールが来れば、今度はそれが良くない事態となるので、次はそのボールを待つことができます。
良くない事態を想定すると、臨機応変な対応ができるのです。
一方、勝てない人は、ツッツキが甘く来ることを期待します。
だから、ツッツキ以外が来たとき、それは全くの想定外なので、対応ができません。
ツッツキが全然来なくても、あくまで自分に都合の良いツッツキを待ち続けます。
自分に都合の良い事態を想定すると、本当に都合の良いボールをくれる相手にしか勝てないのです。
ということで、良くない事態を想定しながらラリーをすることに慣れてください。
ロングサーブを出すときに、サービスエースが取れることを期待するのではなく、ドライブが来ることを想定してください。
強打をするときに、ノータッチで抜けることを期待するのではなく、ブロックが来ることを想定してください。
こうして、相手が返してくることを当たり前とすることで、対応力は上がります。
⑩勝てる選手とは、試合中に情報を得て、戦い方を修正できる人です。
⑫「攻守のバランスを取る」とは、「攻めと守りを常に半々にする」ということではありません。
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