卓球スクールというビジネスモデルは衰退すると思うんです。それはアメリカのタクシー業界のように…
どうも、星名です。
僕は、コナミスポーツクラブ西葛西店で卓球スクールのコーチをしています。
僕は卓球スクールの一員として、思うことがあります。
卓球スクールというビジネスモデルはもう古く、テクノロジーの力によって衰退していく。
これによって、
教わる人にとっては良い時代に。
教える人にとっては競争の時代に。
運営する人にとっては厳しい時代になる。
こう考えています。
これはあくまで僕の妄想に過ぎないんですが、他の業界で既に起きているからこその妄想です。
アメリカのタクシー業界では、既にこの変革は起こっているんです。
タクシー業界の変革は、卓球スクール業界にとって対岸の火事ではないと思うのです。
ということで今回は、タクシー業界で起こっていることを見て、卓球スクール業界のこれからを考えていきます。
卓球スクールとタクシー業界は同じ構図
卓球スクールというビジネスモデルは、以下の図のような構図です。
卓球スクールにコーチが所属し、生徒は卓球スクールにアクセスします。
一方、タクシー業界の構図は以下の図の通りで、卓球スクールの構図と全く一緒です。
つまり、タクシー業界で起こったことは、卓球スクール業界でも起こり得るのです。
そして今、アメリカのタクシー業界では破壊的な変革が既に進んでいます。
その変革は、皆さんご存知のタクシー配車アプリ「Uber」が引き起こしました。
タクシー業界とUber
Uberの出現によって、タクシー業界の構図がぶち壊されました。
乗客とタクシー運転手を直接繋いだのです。
タクシー会社を必要としない構図が出来上がってしまいました。
Uber自体は、車を持っていませんし、オフィスや駐車場や事務員も要りません。
圧倒的コスト安です。
なので、運賃が格段に安いのです。
運転手も、中抜きが無い分、取り分が80%と大きな恩恵を受けられます。
さらに、Uberには「相互評価」の仕組みがあります。
運転手にも乗客にも星がつけられます。
評価の低い運転手は選ばれませんし、評価の低い乗客は運転手に拒否されます。
これによって、質の高いサービスが保証されるようにました。
ウェルカムドリンクを出してくれる運転手もいるらしいですよ。
このクオリティのサービスを提供しているUberによって、既存のタクシー会社は大打撃を受けています。
サンフランシスコ最大手のタクシー会社「イエローキャブ」も倒産してしまいました。
このような、ビジネスモデルの大転換が、アメリカのタクシー業界で起こっています。
ならば卓球スクールの未来は
さぁ、これって卓球スクール業界でも起こりそうじゃないですか?
卓球のコーチと選手を直接マッチングするプラットフォームが出れば、卓球スクールを必要としない構図が出来上がってしまいます。
マッチングアプリはまず、受付業務を代替できます。
コナミの場合ですが、この前台風で臨時休業したんですが、その連絡を受付スタッフが1件ずつ電話してるんです。
一斉送信で済むはずなんですが、コナミは大企業なので、こういう旧式のシステムがなかなか刷新されないんです。
こうして膨れ上がった人的コストが、レッスン費に反映されているわけです。
マッチングサービスが破格の安さを提供したとき、こういった既存の卓球スクールは太刀打ちできません。
そして、もうひとつ考えるべきは、卓球場です。
練習環境が無いと、レッスンはできません。
しかし、これもテクノロジーが解決します。
僕が心酔している「VR技術」です。
実は、卓球とVRの相性は抜群なんです。
VRはリアルな体験ができるので、まずスポーツとの相性がめちゃくちゃ良い。
そして、卓球はプレーゾーンが狭いので、家でもある程度できてしまう。
ということでVRと卓球は相思相愛で、VRの卓球ゲームは既に出ています。
いやぁ、リアル過ぎて本当に夢中になっちゃいますよ。
これが卓球の練習場として使えるようになれば、もう卓球台もボールも建物も必要ありません。
家賃などの膨大なコストを、バッサリカットできます。
こうしてコストが削られれば、価格破壊が起こります。
コナミでの僕は、月謝8000円でレッスンをしています。
もし、卓球のマッチングサービスがあって、Uberと同じく売上の80%が収入になるなら、月謝5000円にしても僕の収入は大きく上がります。
これは、生徒と指導者にとって、極めて大きなメリットです。
こうなってしまったら、既存の卓球スクールは全く太刀打ちできません。
イエローキャブがそうだったように。
卓球スクールの生き残り戦略
そんな中、卓球スクールが生き残るにはどうしたらいいでしょうか。
卓球スクールには実店舗があります。
これがVR卓球場との違いです。
ここに、生き残りのヒントがありそうです。
実店舗が、居心地の良い「居場所」として機能すれば、お客さんはわざわざそこに行きたくなります。
居場所を提供することが、卓球スクールの生き残り戦略になると思います。
これをやっているのが「スターバックス」です。
スターバックスが提供しているのは、もちろんコーヒーなんですが、本当に提供しているのは「サードプレイス」です。
つまり、家と職場とは別の「第三の居場所」を提供しているのです。
僕は行ったことが無いんですが、ずっといたくなるほど居心地が良いらしいです。
店員が「いい加減帰れ」的な圧力をかけてくることも無く、むしろ大歓迎みたいな雰囲気があるそうです。
場所自体とスタッフが作り出す雰囲気が、最高のサードプレイスを実現させているのが、スターバックス成功の秘訣なのです。
ならば卓球スクールも、場所作りと人作りをすればいい。
まず場所作りですが、
一日いたくなる空間
が必要です。
しかし、一日中卓球をするのはキツ過ぎます。
一日ないし半日のスケジュールを設計する必要があります。
例えば、コナミ西葛西店にはお風呂があります。
スポーツで汗をかく
↓
お風呂で汗を流す
という導線が張られています。
この導線を一日規模で描くのが場所作りだと思います。
例えば、
昼はカフェでリモートワーク
↓
夕方から卓球
↓
お風呂で汗を流す
↓
居酒屋で卓球仲間と乾杯
という感じです。
これを、1つのビルに全て入れてしまってもいいかもしれませんし、近くの飲食店や、あとは整体やマッサージ店なんかと提携し、割引券を配ってもいいかもしれません。
このように、一日をコーディネートして、周りの店と組むことが重要だと僕は考えます。
(僕の考えというか、キングコング西野さんの考えですね。)
そして人作りですが、卓球スクールはコーヒーショップに比べて、お客さんとスタッフとの距離感が近くなります。
そこでスタッフに求められるのは、
キャラを出すこと
だと思います。
「あのコーチと一緒に卓球がしたい」
「あの受付スタッフに会いたい」
と思ってもらえれば、お客さんはわざわざ足を運んでくれます。
ここで言う「キャラを出す」とは、
ありのままの自分を出す
ということです。
なにも、突飛なキャラクターを演じる必要はありません。
僕は元お笑い芸人なんですが、芸人もキャラが必要になります。
このときに、無理にキャラクターを演じると、すぐに限界が来ます。
自分本来のキャラを出している人が生き残るんです。
なので卓球スクールも、スタッフ一人一人のキャラを明確にして、ファンが集まってくるような形が必要かなと思います。
事務的、機械的、論理的なだけのコーチやスタッフは、VR卓球場で代替可能です。
未来はどうなるか分からない
ここまでいろいろ述べてきましたが、本当にこうなるかは、全く分かりません。
こんな変化は起こらないかもしれません。
逆に、これ以上の劇的な変化が起こるかもしれません。
馬龍選手の能力を脳に直接インストールして、一瞬で強くなれちゃう時代が来るかもしれないじゃないですか。
(↑これ、10~20年後には結構ガチで有り得ますからね。)
一番危ないのは、現状がこれからも続くと信じて疑わないこと。
現状を当たり前だと思うと、時代の変化に取り残されてしまいます。
どんな世の中になっても対応できるように、卓球スクールや卓球コーチの存在意義を考え、備えておかないといけません。
卓球は、相手をよく見て先回りをするスポーツです。
卓球スクールや卓球コーチも、時代をよく見て先回りをする必要があると、僕は感じています。
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