どんな相手にも対応できるようにならないといけません。│世阿弥の『風姿花伝』を卓球にフル活用しよう!②
風姿花伝第三 問答条々
第三問答(申楽の勝負の立合の手立)
誰しもが、自分のプレースタイルというものを持っています。
そのプレースタイルで戦うことで、自分のパフォーマンスを最大限に発揮できます。
だから、なるべく常にそのプレースタイルで戦おうとします。
しかし、試合で勝つために大切なのは、自分のパフォーマンスを上げることだけではありません。
「相手のパフォーマンスを上げさせない」
ことも、同じく大切です。
例えば、自分のプレースタイルが
「両ハンドでラリーをすること」
だとします。
両ハンドでラリーをすることが、自分のパフォーマンスを引き上げます。
しかし、これによって相手が、
「あっ、バック側に打てば強いボールが来ないから、それを狙って攻められるわ!」
と気付き、バンバンドライブを決めることもあり得ます。
この場合、自分のパフォーマンスが上がっている以上に、相手のパフォーマンスが上がってしまっています。
こうなると、自分が本来のパフォーマンスを発揮すればするほど、むしろ相手が強くなってしまうのです。
こんなときは、
「戦い方を変える」
という決断をする必要があります。
本来のプレースタイルは両ハンドのラリーでも、こんなときは回り込んで打ちに行くことが必要になります。
こうすることで相手は、
「あっ、バック側に打ってても、繋いでくれない!」
と思い、簡単にはドライブを打てなくなります。
この場合、自分のパフォーマンスは下がりますが、それ以上に相手のパフォーマンスが下がります。
自分のパフォーマンスを下げることで勝利に近づくこともあるのです。
ということで、自分の実力が発揮できているかどうかだけを考えていると、試合で安定して勝つことはできません。
ときには戦い方を変えることも必要になります。
なので、自分のプレースタイルにこだわってはいけません。
選り好みせずに、いろいろな戦い方ができるようになってください。
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