孫子の兵法を卓球にフル活用しよう! ⑨「行軍」篇 ~敵情を知れ~
行軍篇では、
「敵情を知れ!」
「敵を侮るな!」
といったことが語られています。
相手の状況を見抜くことで、的確な攻撃が可能になります。
相手の考えをどう見抜き、どう攻めるのか、知っておきましょう!
相手の意図を知れ!
「敵近くして静かなる者は、其の険を恃むなり。」
敵軍が自軍の近くにいながら、平然としているのは、その地形の険しさを頼みにしているのである。
ここでは、様々な兆候から敵軍の意図を判断する手法が述べられています。
卓球でも、相手の動きから、その意図を知ることができます。
相手がどのコースを意識しているのかを見ましょう。
まずは相手の立ち位置をチェックします。
相手がバック側に寄っているときは、
・バック側を待っている
・ミドルをフォアハンドで打とうとしている
という意識を持っています。
なので、空いているフォアサイドに打てば相手は対応が遅れてバック側に返ってきやすくなるので、それを狙い打ちできます。
あるいは、ミドルをフォアハンドで打とうとしているので、バックミドルに打てば相手はフォアハンドが詰まりやすくなります。
詰まりながら打った緩いボールを、狙い打ちできます。
相手がフォア側に寄っているときは、
・フォア側を待っている
・ミドルをバックハンドで打とうとしている
という意識を持っています。
なので、空いているバックサイドに打てば相手は対応が遅れてフォア側に返ってきやすくなるので、それを狙い打ちできます。
あるいは、ミドルをバックハンドで打とうとしているので、フォアミドルに打てば相手はバックハンドが詰まりやすくなります。
詰まりながら打った緩いボールを、狙い打ちできます。
これが、相手の立ち位置によるコース取りの戦略です。
さらに、自分が打った瞬間の相手の動きもチェックします。
例えば、相手のバックサイドに打ったときに、相手が一瞬フォア側に行こうとする動きを見せることがあります。
これは、相手がフォア側を意識している兆候です。
この兆候が無くなるまでは、バック側を中心に攻めていきます。
逆もまたしかりです。
相手のフォア側に打ったときに、相手が一瞬バック側に行こうとする動きを見せることがあります。
これは、相手がバック側を意識している兆候です。
この兆候があるうちは、フォア側への連打が有効でしょう。
続いて、相手が攻撃をしたがっているのかどうかを見ましょう。
多少甘いボールを送っても、相手が打ってこない場合は、相手に攻撃の意思はありません。
なので、そんなに厳しいボールを送らなくて大丈夫です。
コースが分かれば、狙い打ちもできます。
甘くないボールを、相手がどんどん打ってくるなら、相手は攻撃したがっています。
打ちミスを誘えるパターンがあるなら、それを使います。
打たせたくないなら、短いボールや、相手が待っていないコースを使いましょう。
特定のコースだけ攻撃して、他のコースは繋いでくるパターンもあります。
そんなときは、打たせたいならそのコースを、打たせたくないなら他のコースを使います。
打たせるときは、ツッツキなのか、フリックなのか、ループドライブなのか、より相手の打ちミスを誘えるボールを送りましょう。
打たせないときは、相手は繋いでくるはずなので、それを狙い打ちしましょう。
相手の困りごとを知れ!
「杖つきて立つ者は、飢うるなり。」
兵士が杖をついているようなら、その軍は飢えて弱っている。
ここでは、様々な兆候から敵軍の窮状を判断する手法が述べられています。
卓球でも、相手の動きから、困りごとを知ることができます。
相手が、全然入っていないのにそのボールを打ち続けているなら、それは普段は入るボールということです。
「いつもは入るのになぁ…」
と思いながら打ち続けてしまっているのです。
例えば、ツッツキに対して相手がドライブミスを繰り返しているなら、ツッツキをし続けましょう。
相手は「入るはず」と思いながら、ミスをし続けます。
得点荒稼ぎチャンスです。
とは言え、普段は入るボールなわけですから、徐々にミスが減ってくることもあります。
ミスが少なくなってきたら、それはもうなるべくさせないように、作戦を切り替えましょう。
ミスを繰り返している間に、点を稼げるだけ稼ぐのです。
続きまして、相手が、効いていないことをやり続けているなら、それは普段は効いているボールということです。
「いつもは効くのになぁ…」
と思いながら、そのボールを出し続けてしまっているのです。
例えば、こちらが全く苦にしていないのに、バック前に順横回転のサーブを出し続けてくるなら、相手の思惑とは違うレシーブをし続けましょう。
バック側にツッツキをしたら、相手は回り込んで待っているかもしれません。
そういう、相手が想定していることだけは避けましょう。
こうして相手の得点パターンを封じられれば、相手は頭を抱えるしかなくなるでしょう。
続きまして、なんでもないボールを相手がミスし続けているなら、それはこちらのボールに合っていないということです。
「なんか合わないなぁ…」
と思いながら、ミスをし続けているのです。
例えば、バック対バックで、こちらが大してすごいボールを打っているわけでもないのに相手がミスを繰り返しているなら、バック対バックをやり続けましょう。
こういう「相性」というものはバカになりません。
多少の実力差は簡単にひっくり返ります。
1試合の中で修正するのもほとんど無理です。
相手が合わないボールを見つけたら、徹底的にそこを突き続けましょう。
敵を侮るな!
「兵は多きを益ありとするに非ざるなり。」
戦争においては、兵員が多ければ良いというものではない。
卓球においては、技術の精度が高ければ良いというものではありません。
敵情を読んで、相手の弱点を的確に突いた人が勝てるのです。
相手が格下だからと侮り、軽はずみな攻撃をすれば、必ずピンチがおとずれます。
侮りからのピンチは、本当のピンチです。
「冷や汗卓球」ほど怖ろしいものはありません。
相手が格上だろうが格下だろうが、敵情をしっかり読んで的確に攻める。
それが本当の強者なのです。
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